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最近の相棒。考えるための必需品。
SHARP EM・ONE (S01SH)
出先でコーヒー飲みながら長文を書くときに重宝。最近Touch Diamondを買ったので用済みになるかと思いきや、文章書きと動画再生専用マシンとして延命中。外で文章を書きたいが為に一時は格安ノートPC(ネットブック)の購入まで考えたが、結局割り切った。とは言えタッチタイピングができないのは結構大きいので、折りたたみ式Bluetoothキーボードを買おうかと画策している。
コクヨ キャンパスノート Slim B5
縦はB5サイズだが、横はA5サイズ程度のスリムなノート。グラフや絵を描いたり、長文ではないメモを書く場合に使用。この大きさが開きやすくてちょうどいい。コクヨの中の人に座布団1枚をあげたい。
Slim B5|文具紹介|コクヨS&T
ぺんてる トラディオ・プラマン (青)
先月に銀座の伊東屋に行って一目惚れしたのがこれ。本当は安い万年筆を買いに行ったのだが、試し書きしてみるとガリガリ引っ掛かるペン先(普段ボールペンに慣れてるからね)と、角度と方向に気をつけないと書けないことに気がついて買うのをやめた。その点こちらは万年筆のように筆圧によって線の表情をつけることができて、しかもボールペンのように(いや、それ以上に)ペン先がするするとすべる。書いていて非常に楽しい。長い付き合いになりそうだ。
惜しむらくは文字が太くなってしまうことと、品質の悪い紙だとインクが裏側に透けてしまうこと。もう慣れたけれど。
ぺんてるライブラリー プラスチック万年筆?「トラディオ・プラマン」
ちなみに仕事では実用性重視ということで会社支給のアスクルノートとアスクル3色ペンを使用。とことん使いやすいけれど書いていておもしろみも何ともないので、プライベートくらいは使っていて楽しいものを選びたいと思う。
◇
考える道具じゃないけどついでに。
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CARL ブックスタンダー
情報考学の橋本大也さんとこで「書評を書くときに引用箇所をタイプするには書見台使うと効率いいよー」とか書いていたので購入。しかし思わぬ成果が。キーボードスタンドとしてジャストフィット!
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最近になって部屋にマンボウソファを導入したのだが、楽なのでソファに背中を預けながらパソコンに向かうことが多くなり、必然的にキーボードをひざの上に置いてタイプするスタイルになってしまった。ソファから立ち上がる際はまずキーボードを横にどけるということをしないといけないのだが、地べたに置くと取り上げるときに持ち上げにくいし、机に置くと手を伸ばして無理な姿勢になるため取りづらい。こうしてスタンドに縦に置くと取り出しやすいし無理な姿勢にもならない。思わぬ効果発見。
…Happy Hacking Keyboard 限定だけど。
CARL ブックスタンダー【ホワイト/ブラック】
投稿者: yagitch
[書評]怖い絵
書評はじめました。
書評リレーに誰も続く人がいないので一人でやることにする。
ゴヤ、ムンク、ルーベンス、ピカソなどの名画を「怖い」という視点で集めた本。
その怖さといっても様々なものがある。
・スプラッタ的な怖さ
・心霊写真的な怖さ
・気持ち悪さ
・絵画を取り巻く経緯による怖さ
・絵画の中に籠められた隠れた意味による怖さ
ゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」
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目を見開き狂気に満ちた表情をこちらに向けるサトゥルヌス。手に持った我が子はすでに頭部がなく、左手が今まさに食いちぎられそうになっている。見た者のだれもが戦慄する名画だ。
この絵はローマ神話の伝承が元になっている。
サトゥルヌス(別名クロノス)とは、ギリシャ・ローマ神話における農耕神であり、また「時」をつかさどる神である。絵画では、大鎌を持つ老人の姿で描かれることが多い。その鋭い鎌で、草ばかりでなく、人間の大切な時間をも無慈悲に刈り取ってゆく、置いた巨人だ。
そんな「時の翁」が、なぜ我が子を喰らうことになったかといえば――。
世界の始まりのとき、大地の女神ガイアは息子の天空神ウラノスと交わって、巨神サトゥルヌスを産んだ。サトゥルヌスは長じて父を大鎌で去勢したあげく殺し、神々の上に君臨する。しかし父ウラノスの最期の言葉に――「おまえもまた自分の子供に殺されるだろう」――ずっと怯え続け、その予言から逃れるため、妹であり妻であるレアとの間にできた子どもたち五人を、次々自分の腹の中へおさめざるをえなかった(まさに全てを呑みこむ「時」のしわざそのもの)。
この絵は見た目の怖さだけにはとどまらない。ゴヤという芸術家の体験した地獄がこの絵と同時期に描かれた一連の作品に現れている。スペインの寒村に生まれたゴヤは18歳で首都マドリッドへ出た後にスターへの道をのし上がっていく。明るい風俗画で人気を博し、34歳でアカデミー会員、40歳で王付き画家になった。しかし46歳の時、原因不明の高熱で聴覚を失ってしまう。これに引き続き悲劇が始まる。隣国フランスで革命が起こり、ナポレオン軍の侵攻を受けたスペインは長い間混乱に陥ることになった。戦争ばかりではなく異端審問が復活し、弾圧の時代が幕を開けた。拷問や処刑などが当たり前のように繰り広げられ、ゴヤはそれらをじっと見つめ続けて作品にしていった。72歳のとき、ゴヤはマドリッド郊外の別荘「聾者の家」へ閉じこもる。4年後に彼がここから旅立っていった後には14点の絵が残された。キャンバスにではない。漆喰の壁に直接描かれていた。今では「黒い絵」と呼ばれる一連の作品はいずれも陰惨な題材が使われていた。
この後、82歳で死ぬまでの間に描いた絵はいずれも穏やかなものだった。彼自身が体験した地獄からのリハビリのためにこの絵は描かれたのかもしれないが、真相は分かっていない。
カレーニョ・デ・ミランダ「カルロス二世」
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絵の中にはとりたてて怖いところはない。しかし、奇妙な違和感がある。カルロス二世があまりにも不健康に見えるのだ。事実、カルロス二世は病気だった。「呪いを掛けられている」と言われるほどに。
スペイン・ハプスブルク家に待望の跡継ぎとして生まれたこの子どもは成長が異常なまでに遅かった。3つになってもまだ乳を飲み、立つことすらできず、知能も低く、見た目もひどかったという。父であるフェリペ4世はこの息子を人前に出すことを嫌がり、どうしても人前に出さなくてはならない時は穴の開いた布をすっぽりと顔に被せていたらしい。まるでスケキヨだ。そして呪いを解くために周囲には乳母のほかに大勢の医者、占星術師、祈祷師がいた。やがて彼は父の死に伴い、4歳でカルロス二世として即位した。摂政となった母親は政治に無関心で、実際には大臣たちが国の舵取りをすることとなった。
ここに描かれた姿は多少の美化がなされているとは言え、お世辞にも美しいとは言い難い。
宮廷肖像画の宿命として、二、三割アップは目をつぶる範囲であろうが、どうやらこの絵はそれをはるかに超えたものだったらしい。
とはいえ、少年王がハプスブルク家代々の特徴を受け継いでいることは、控えめながらも表現されている。父も祖父も曽祖父も高祖父も持っていた、突き出た下顎と分厚い下唇(マリー・アントワネットの受け口にも微かに継承されている)がそれだ。その上カルロス二世は細い弓なりの顔、長く垂れた鼻、全く噛み合わない歯(終始、よだれを流していたという)、ほとんど太陽光を浴びなかったせいで病的に青白い肌――たとえ唇に紅をさしても、幽鬼の如く暗がりにぼうっと白く浮かび上がるその姿に、言いしれぬ戦慄を覚えない者はいないだろう。髪だけが若々しい美しさに波打っている。
この「呪われた子ども」が生まれたのには理由がある。スペイン・ハプスブルク家は異常なほどに近親婚を重ねていたのだ。カルロス一世の退位後、息子のフェリペ二世(いとこ婚による)が跡を継いだ。フェリペ二世の跡継ぎ(フェリペ三世)は実妹の娘である姪との間にできた子供。しかもこの姪自体、いとこ婚によってできた娘だという。フェリペ三世はいとこの娘と結婚し、その息子フェリペ四世には世継ぎができなかった。焦ったフェリペ四世は実妹の娘と結婚し、生まれたのがこの絵に描かれたカルロス二世だ。
初代カルロス一世+いとこ→二代目フェリペ二世+姪(いとこ婚した実妹の娘)→三代目フェリペ三世+いとこの娘→四代目フェリペ四世+姪(実妹の娘)と、今に生きる我々におぞけをふるわせる四連続である。五代目がどうなるかといえば、ふつうなら七代さかのぼると百三十人近くいるはずの先祖の数が、わずか三十二人。母の母、つまり祖母に当たる女性は、祖母であると同時に叔母でもあるという、きつい血縁のもつれに首を巻かれるはめになる。
カレーニョ・デ・ミランダの隠蔽工作は、成功したとは言い難い。カルロス二世像は、血族結婚くり返しの果ての悲劇を自ずから語っている。王権神授説を無条件に信じる王族たちは、自分たちを神に選ばれた特別な人間とみなし、下々の者の血で穢されてはならないと、身内の狭いサークルだけで婚姻をくり返して、ついには自らの汚物の堆積で流れを止めたドブ川のように行き詰まってしまった。そのなれの果てがこれなのだ。
この後、スペイン・ハプスブルク家は彼の死をもって断絶する。その後、フランスのブルボン王家からフェリペ五世が呼び寄せられ、スペイン・ブルボン家が始まることとなった。この絵が描かれてから約25年後のことだ。
◇
他にも夢に出てきそうなものがいくつも出てくる。
ルドン「キュクロプス」
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ベーコン「ベラスケスによる<教皇インノケンティウス十世像>習作」
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この本は企画の勝利だ。私は名画の楽しみ方について何も知らないが、こうして一つの切り口で集められると面白さが分かる。とっかかりの解説本としては気軽に楽しめて良いのではないだろうか。
「そのまま2列前の席にお座りになって下さい」
会社でときどき研修というものを受けることがある。スキルアップにつながるような研修なら良いが、なかにはセキュリティ教育とかコンプライアンス研修とか名前を聞いただけであくびが出てきそうなものがある。先週それに出席したときちょっとした驚きがあったのでメモしておく。
やる気がないのは私だけでなく他の出席者も同じのようで、会場の席は後ろから埋まっていく。研修がスタートする頃には最前列と2列目が綺麗に空いたような形になっていた。そして研修の司会者は簡単に挨拶をした後「少しウォーミングアップをしましょう」と言った。
研修の際にウォーミングアップを設ける人はそれほど珍しいものではない。こういった研修の中で唯一意味があった(と私が感じる)メンタルヘルスケアの研修の際、担当した精神科医は「そろそろ眠くなってきたでしょう」と体を動かす時間を設けていた。そして最後に「こうして体を動かして気分転換することで気持ちが楽になります。予防の手段としてとても重要です」と解説していた。
今回の研修ではウォーミングアップと言いつつ30秒間設けて周りの人と挨拶をさせ、「いまの30秒で5人以上と挨拶した人はいますか?」などと手を挙げさせ、ひととおりすんだところで、一言。
「前の席が若干空いております。皆さんせっかく立って頂いておりますので、そのまま2列前の席にお座りになって下さい」
こうして席は前から順に綺麗に埋まることになった。見事な誘導に感心した。
◇
話は変わる。
自分が過去に講演とか発表とかやった時、たいてい誰か一人の出席者に目線を合わせながら話すことが多かった。それは座席の前の方か中央あたりにいる人で、私の話にうんうんと頷いてくれる人だったりする。こうした「代表的聴者」を設定すると安心して話に集中することができる。
ただ、たまにその人が、気がゆるんだとかで間抜けな顔をしたりすると大変。こみ上げる笑いをこらえながら話を続けなければいけなくなる。咳払いなんかをしてごまかしながら、ツボが通り過ぎるのを待つしかない。これは辛い。
しかしこれは逆手に取れる。
出席者の立場になったとき、変な顔をして発表者の笑いを誘うといういたずらができる。学生の時、親しい友人が発表者だったときに一度試したことがあった。彼は私がやったのと同じように咳払いを何度もしながらゆるんだ顔を必死に押さえていた。ただ、このいたずらは迷惑度が高い上、変な顔をしている自分が良識を疑われるという諸刃の剣なので素人にはおすすめできない。せいぜい洒落の通じる知り合いが発表者で、しかも発表がどうしようもなくつまらなくて暇つぶしするしかない時にやるのが良い。そんな場面はほとんど無いと思うが。
この手のいたずらは他の場面にも応用できる。
電車の中など公共の場所で友人と笑い話をしていると、ごくたまに全然関係ない人が笑いをこらえているのを発見することがある。そんな際にはたたみかけるように笑い話を繰り出す。声のトーンも少し上げる。そして、じわじわ盛り上げて最後に簡潔なオチで落っことすタイプの話をするのが良い。クライマックスの瞬間、ターゲットはこらえきれず激しく咳き込む。なんとなく勝った気がする(何に!?)。
ぜひお試しあれ。
ソーシャルレンディングサービス「maneo」
ソーシャルレンディング maneo(マネオ)
https://www.maneo.jp/
個人的に注目しているサービス。オークション方式でユーザ間でお金を貸し借りするというコミュニティ。1年以内に無くなる方に1000円。
ネット上で個人がお金貸し借り P2P融資今秋にスタート – J-CASTニュース
黒船「ソーシャルレンディング」襲来 P2P金融への期待 – ITmedia エンタープライズ
ネット上でお金の貸し借り–ソーシャルレンディングサービス「maneo」公開デモ – マイコミジャーナル
どういうサービスかを5行で説明すると次の通り。
・ユーザは自分のプロフィールとお金の使用目的を明らかにして融資を募る。
・他のユーザは利率を指定して応札。金利の低い人から順に融資枠が埋まっていく。
・金利1.5%分が手数料になる。注意事項をよく見るといろいろ怪しい。
・英国・米国などに同様のサービスあり。
・元東京三菱銀行出身がトップを務めるベンチャー企業が運営。
設立してから約2週間。登録者は1500人。開催されたオークションは4件。多いのか少ないのかよく分からない。
なんとなくSecond Lifeが日本上陸した時と同じような、微妙な盛り上がりに奇妙な感じをおぼえるのは私だけだろうか。
一般的に考えて、金を借りたい時の選択肢はいくつかあって、たいていは親族に泣きつくか消費者金融から借りるか金融機関の特定用途向けローンを組むかで用が足りると思ったのだが、なかなかにスキマがあったようだ。
「新婚旅行費用30万円貸してください。」での質問。
質問:
銀行やノンバンクのブライダルローンを使わないのはなぜですか? 与信が通らなかったのですか? 例えば損保ジャパンブライダルローンなどはNGでしたか?
回答:
いくつかみたのですが、私のお給料が振り込まれる銀行は、ブライダルローンがありませんでした。多目的ローンというものはあったのですが、 二人とも働いているのでできれば、窓口にいかないで手続きるものがあればとさがしていました。 損保ジャパンなどもいくつかみたのですが、50万円からしか借りられません。 私たちは、結婚式などはもう済んでおり、旅行分の30万円借りることができれば十分だと考えているのと、そんなにたくさん借りるのも・・・・と思っているのでソーシャルレンディングは合っているかなと思いました。 maneoさんは、貸してくださる方がいれば、自分が希望した条件で借りられるとのことでしたので、こちらを試してみようと思ったのが理由です。
質問:
なるほど、与信が通らないわけではないんですね。 窓口に行かないで、30万円の小口融資で、融資期間6ヶ月となるとmaneoが最適だと判断したわけですね。 住友SBI銀行のネットローンなら来店不要で10万円から申し込み可能ですが、こちら与信は通りますか?
回答:
情報を頂きましてありがとうございます。本当にいろいろありますね。ただSBIを見てみたら150万円未満は金利10%ということみたいなのでmaneoでダメだったら考えてみようと思います。maneoは友人からこんなのあるよーと話を聞いて面白そう!と思ったのと、なるべく安く借りたかったのでオークションで下がればなぁ・・と思い利用してみました。
ちなみに、現在このオークションでは金利7.85%で30万円の借り入れが成立している。
新形態の金融サービスとはいえ、既存の法令には従わないといけないのでいろいろ制限の付いた契約になるのが気になる。案の定「ユーザにとっては未回収リスクが高すぎる」「マッチポンプで計画貸し倒れが可能」などと指摘が上がっている。
貯金もなく収入が低い人の巣窟みたいなことになって、見せかけ以上にハイリスクになってしまうか集客力が落ちてしまうかのどっちかだと思うのだが…大丈夫だろうか。
紅茶専門店「hatea」に行ってきた
行こうと思いながらずっと行けなかった店がある。
この土曜日に行ってきたのでちょっと紹介する。
ティーエスプレッソ ハッティー
http://www.hatea.jp/
紅茶専門店にずっと行きたかった。でも有名な紅茶専門の喫茶店だと何となく敷居が高くて足が向かない。もっと気軽に立ち寄れる、コーヒーショップのような紅茶専門店があればいいなとずっと思っていた。それを見事に実現したのがこの店。
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場所は恵比寿。
入口はほとんどシアトル系コーヒーショップと同じ雰囲気。
朝8時すぎに行ったところ客は私のほかに1人しかいなかった。
7:30開店(平日は7:00開店)らしい。通勤途中にあれば間違いなく毎日通うな。
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ティーラテ M 380円
ツナ・チーズ トーストプレート 240円
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シナモンチャイ S 360円
ティーエスプレッソ シングル 290円
ティーエスプレッソは名前の通り紅茶のエスプレッソ。普通のエスプレッソマシーンを使って(フィルタだけ紅茶仕様)抽出しているらしい。飲んでびっくり、ワインを飲んでるのかと錯覚した。紅茶の持つ香りも渋みも酸味も苦みも甘みもそのまま限界まで濃縮されていて、飲んだ瞬間に洪水のように全部の味覚を刺激する。由来は紅茶でも、ほとんど紅茶ではない別の飲み物かと疑ってしまう。本当に、紅茶と言うよりワインに近い。これはすごすぎる。
ティーエスプレッソのインパクトが強すぎてティーラテもシナモンチャイもとりたてて感想がない。
とは言え、毎日飲んでも飽きないおいしさだと思う。
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冷静に考えてみると、コーヒーショップのような感覚で紅茶の店を実現するには大きな壁がある。紅茶は作るのに時間がかかるのだ。くみたての水を湧かして茶葉入れて数分かけて抽出して出す。こんな調子で一杯出すのにいちいち5分以上も掛かっていたら間違いなく混雑する。
それが、エスプレッソなら30秒で出来る。抽出に3分やら5分やら待つこともない。流石としか言いようがない。ぜひとも全国展開していただきたい。全国展開までいかなくても私の家の近所に進出していただきたい。
これって、既存のコーヒーショップに応用できないのかな。エスプレッソマシーンを使い回しできるなら紅茶用フィルタだけライセンス供給すればいいだけなんだけど。
なぜこうも外食産業の中でコーヒーに比べて紅茶は扱いが悪いのだろうか。スタバなんかで紅茶(タゾティー)を頼むと湯とティーバッグが出てきて「マクドナルドのホットティーと一緒やんけ!」とツッコミを入れたくなる。この専門店のように手頃な値段で入れ立ての紅茶が気軽に楽しめるようになることを切に願う。
HTC Touch Diamond をいじり倒す
HTC Touch Diamond 買ったよ!
大きさ比較。
写真上はEMONSTER。
写真左からMP3プレーヤの「MPIO」、Touch Diamond、NTTドコモの「D705iμ」、イーモバイルの「EM・ONE」。
薄さ比較。
上からTouch Diamond、D705iμ、EMONSTER、EM・ONE。薄型のFOMAとほぼ同じ薄さ。ハードウェアキーボードを持たないだけでこんなにも薄くなるのか。胸ポケットに入れても全然違和感がないぞ。
以下、丸一日かけていじくった結果と雑感。
TouchFLO 3D
使い勝手にはおおむね不満無し。ただ、Outlookのプレビューは見栄え重視で機能性が良くない。
Diamond TF3D Config
http://forum.xda-developers.com/showthread.php?t=405749
使う機会のないタブを消したいので導入。削除したのは以下3つ。
SMS(表示名はEMnetメール)…EMnet使わない。
E-Mail…操作性が悪いし、それほど頻繁にメールチェックしない。
Contacts…EM・ONEのSIM差し替えて使ってるので電話が使えない。
それから、天気予報のダウンロードが「接続エラー」と出て全然使えなかったので「\Application Data\HTC\databases\forecast_cache.db」を削除(別名にリネーム)したら解決した。
「インターネット」タブの「ホーム」とか「EMnetサービス」とかがいらなかったのでこのへんを参考にカスタマイズ。「\Application Data\Manila\InternetPortal-ja-jp.xml」を以下の通り変更。
変更前。
\Windows\OperaL.exe
True
変更後。
\Windows\OperaL.exe
True
地図アプリ
Google Maps Mobile
http://www.google.co.jp/gmm/
S11HTで使っていたときはGPS情報取得の成功率が悪くてイライラすることが多かったが、Diamondではストレス無く操作ができる。GPSもきちんと連動している。さらに、SmartTouchにも対応していて、決定ボタンの円形の縁をくるくるなぞって拡大・縮小ができる。すばらしい。
標準のNAVITIMEアプリはEMnet契約していないと接続ができないのでさっくりアンインストール。
ちなみに、標準で入っているアプリの中でNAVITIMEだけはアンインストール可能になっている。
文字入力改善
伊藤浩一さんが使っているということで使用中。以前はtouchkeysip+emonsipを使っていた。ボタンが大きくて変則配列のemonsipか、ボタンが小さくて通常配列のHTKか見極め中。
Happy Tapping Keyboard (HTK)
http://d.hatena.ne.jp/KOTETU/00000103
ATOK for Windows Mobile
http://www.justsystems.com/jp/products/atok_wm/
HTK単体で使っているとかな入力時にうまく入力されない(何を入力しても半角スペースになってしまう)。これはATOKを入れることで解決した。
ATOKは有料。AAA優待向けDL版で3465円から。公式では動作未確認のようで、時々ATOK標準のSIPが立ち上がってきてイライラすることがある。
メディアプレーヤ
TCPMP
http://blogs.shintak.info/articles/TCPMP.aspx
言わずとしれたメディアプレーヤ。FLVファイルを再生するなら必須。
「Windows Mobile 6.1用(Willcom 03) 用セット」以外のバージョンだと異常終了して使えないので注意。
Orbを使って出先から家のメディアファイルをストリーミングで再生したりするのだが、標準のWMPでは「空き容量がありません」とか出て全然使えない。…いまリトライしたらとりあえず使えたけどバッファリング失敗しまくりで見るに堪えない(Orbの速度検出の問題かも)。やはりTCPMPは手放せないな。
ハードウェアカスタマイズ
PQzII for Window Mobile
http://www.nicque.com/PQz/DOC/
ハードウェアボタンを好きな機能にカスタマイズするソフト。
gsGetFile.dll
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/2039/
カスタマイズする際、WM標準だとシステムフォルダにあるexeファイルが画面から選べなくて不便なのでこれを入れて改善。
AppClose
http://d.hatena.ne.jp/KOTETU/00000114/p3
スタートメニューを呼び出したりミュートしたりパラメタ付けて起動するだけでいろいろできる。
今のところのキー割り当て状況は以下。
音量大…Ctrl
音量小…ミュート
発話…Opera
終話…Outlook
ホーム…Today画面(標準)
リターン…OK/最小化(標準)
Ctrl+音量小…Comm Manager
Ctrl+←…Google Maps
Ctrl+→…カメラ
私がキー割り当ての際にミュートを重視するのは「電車の中でイヤホンで音楽聞いてたらイヤホンが外れ、大音量でアニソンが流れて晒し者」という事故を意識してのことだ。(幸いなことにこれまで一度も事故は起きていない)
そのほか
ちゃっとCE
http://www.inpocket.net/wce/irce/
たまに出先でIRCしたりとか。
[es]Silencer
http://dislife.com/software/#es_silencer
シャッター音を消すソフト。
S11HTもそうだが、やたらシャッター音がでかすぎる。せめて音量調節を可能にして欲しい。
CEATECであちこちのブースで写真撮りまくっていたら不必要に注目されて困った。
雑感
全体として完成度が高い。これまでのWMマシンのような何でもてんこ盛りのちぐはぐさが薄れて、全体として調和が取れている。チューニングもわりあい行き届いている。EM・ONE、EMONSTERと比べて外部ソフトをインストールする必要がだんだん減ってきているのが嬉しい。WMの範疇でよくぞここまで完結したものを作ったな、と思う。
…でもiPhoneとは比べちゃダメ。思想が違うから。むしろ既存の携帯電話と比べるべき。
私の場合、通勤途中のブラウジング、メールチェック、音楽やアニメの試聴に使っているのでその範囲ではほぼ不満がない。ただ、周りのiPhoneユーザのやっていることを見ている以上は物足りなさを感じる。
一つだけ挙げておくと、ブログ更新に難がある。記事の入力はWebのフォームでできるけれど、撮った写真をアップロードするのが一苦労。写真をリサイズしてサムネイルにして名前を付けてアップロード、このアクションが面倒すぎる。WM標準のビューワからワンクリックでWindows Live スペースにアップロードはできるが、その先ができない。Windows Live スペースはそのままスペースの記事に、PicasaはBloggerの記事にできるだけ。これはブログ側(Wordpressプラグイン等)で吸収するしかないのか。MicrosoftはHTC Touch Diamond向けにフォトシェアリング用アプリを用意する予定らしいので、ちょっと期待はしているのだが。
ボディがじんわりと熱くなるのは気になる。携帯電話にしては異常なくらい熱い。ホッカイロを持っているようだ。
明日からさっそく通勤に使うので、電池の持ちと音楽プレーヤとしての出来については未検証。iPodよりも音質がいいと聞いたのでちょっと期待。
全12色ペプシへの着実な一歩――ペプシホワイト
新製品に定評のあるペプシ、「ペプシホワイト」を期間限定発売 – ニュース超速報!
「ペプシホワイト」期間限定発売 爽やかなヨーグルト風味の“白いペプシ”が新登場 – Suntory ニュースリリース
ヨーグルトフレーバーのペプシホワイトが登場。
味は普通のコーラ…のはずなんだが、ヨーグルトフレーバーに打ち消されたのか全然コーラじゃない。むしろただのサイダーのような感じがする。
これからもペプシは全12色フルコンプリートに向けて頑張って欲しい。
官製不況に5番目の波――割賦販売法改正
貸金業法、建築基準法、金融商品取引法、携帯電話の割賦販売に続く第5の「K」が官製不況をもたらす、というお話。
携帯電話の割賦販売導入で縮小した市場
“官製不況”で携帯販売激減 4番目の「K」業界悲鳴 – FujiSankei Business i.
新料金プランが直撃/メーカー淘汰必至
携帯電話の販売台数が急減している。総務省の“指導”により、昨年秋以降、携帯端末の価格は高くなるが、利用料が安くなる新たな料金プランが導入され、1台の端末を長く使う人が増えたためだ。国内で8社がひしめく端末メーカーの今年度の出荷台数は2割近く落ち込む見通しで、再編・淘汰(とうた)の加速は必至だ。関係業界からは、貸金業法改正、建築基準法改正、金融商品取引法施行に続き、携帯で「4K」となる“官製不況”に悲鳴が上がっている。(上野嘉之)
携帯電話の販売方法については高額なインセンティブを使って初期費用を安く見せかけるという方法に問題があるということは以前から指摘されていて、最近になって携帯電話の購入時に初期費用の安い分割払いか月額費用の安い一括払いを選べるようにシフトする流れになっている。ユーザの声というか、ユーザの声をくみ取った総務省の指導によってだ。
バリューコース・ベーシックコース – NTTドコモ
au買い方セレクト – au
新スーパーボーナス – SoftBank
高額なインセンティブによる販売方法の何が問題かというと、ユーザは常に購入費用が安く買えることだ。何回機種変更をしても安く買えるのだから、短いサイクルで携帯電話を変えた方が得になる。反面、長いサイクルでしか携帯電話を変えない人は損になる。なぜなら購入費用を安くするための補填費用は月額料金に上乗せされてユーザ全体で負担することになるからだ。そして、短いサイクルでどんどん買い換える風潮になった結果、全体としての購入金額が膨らんでゆく。キャリアとメーカーにとっては天国だが、ユーザにとっては地獄でしかない。
新しい買い方を導入したことで、これが改善された。
まず月額料金に補填分が乗らなくなったので基本料は安くなった。一方で購入費用を安くすることをやめて、ユーザは自分の購入する金額だけを負担すれば良いこととなった。これでユーザ間の不公平さは消え、短いサイクルで買い換える流れもなくなった。結果としてユーザ全体の負担金額が下がった。一方でその割を食ったのが端末メーカーだ。新しい機種を出しても売れない。
…本来あるべき姿に戻ったというべきだが、これまでずっと安定した収入をたたき出していた電機メーカーの携帯電話開発部門には魅力がなくなった。すでに開発部門はメーカーから見切られ始めていて、身売り・合併・再編の流れが起きている。
この割賦販売にまつわる総務省の指導は「官製不況」というほど影響範囲は大きくないので「4K」というより「3.5K」ぐらいかなと個人的に思う。
割賦販売の仕組みとは
ここでちょっと割賦販売の仕組みについて説明しよう。
新しい販売方法で分割払いで携帯電話を購入する場合「割賦購入あっせん契約」というのを結ぶことになる(一括払いの場合は不要)。この契約はパソコンや車を分割払いで購入するときの契約と同じもので、法律的には「個品割賦購入あっせん契約」という。一言で言えば信販会社に商品金額を立て替えてもらっているのと同じだ。販売店は商品代金をすぐに全額回収でき、後は契約者が信販会社に毎月支払いを行う。クレジットカードで分割払いにするのと同じ仕組みだ。ただし、クレジットカードで分割払いにする場合は法律的に「総合割賦購入あっせん契約」という別のものになるので法律上のハードルの高さや事故率に違いがある。契約者にとっての違いといえば、クレジットカード分割払いだと手続きは簡単だが、個別割賦は商品購入ごとに契約書にサインする必要があることぐらいだ。(割賦購入あっせん以外にも割賦にはいろいろある。分類についてはこちらに詳しい)
総務省は携帯電話キャリアに対してこうした「割賦購入あっせん契約」を使用した販売モデルを採用するように求めており、大手3社は昨年までに導入を完了している。(ソフトバンクは2006年10月、NTTドコモとauは2007年11月)
ところがここに来て、その販売モデルを再度変更することになりかねない事態が起こった。割賦販売法の改正だ。
今年6月、割賦販売法の改正法案が国会で成立した。その内容は悪徳商法による安易なクレジット支払いの押しつけを防ぐため、信販会社は与信調査を徹底して不要な購入をはじくようにしなさいというものだ。割賦販売の敷居の低さを利用して支払能力のないような人に個別割賦での購入を押しつけるといった悪徳商法が起きており、その温床をなくすための対策だ。しかしその法律がいつの間にか脱線してクレジットカードを規制する法案に様変わりしていることから、各所で問題視する声が出ている。
割賦販売法はこう変わる
とりあえず、経済産業省による基本資料はここにある。
特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案について(METI/経済産業省) – 経済産業省によるプレス
【法律改正の概要】
(1)規制の抜け穴の解消
①規制の後追いから脱却するため、現行の指定商品・指定役務制を廃止し、訪問販売等において、原則すべての商品・役務を規制対象とします。(特定商取引法・割賦販売法改正)
②その上で、クーリング・オフになじまない商品・役務(例:生鮮食料品、葬儀)等は、該当する規制の対象から除外します。(特定商取引法・割賦販売法改正)
③割賦の定義を見直し、現行の2ヶ月以上、かつ3回以上の分割払いのクレジット契約に加えて、2ヶ月以上後の1回払い、2回払いも規制対象とします。(割賦販売法改正)
(2)訪問販売規制の強化(特定商取引法改正)
①訪問販売業者に、契約を締結しない旨の意思を示した消費者に対しては、当該契約の勧誘をすることを禁止します。
②訪問販売によって通常必要とされる量を著しく超える商品等を購入する契約を結んだ場合、契約後1年間は契約の解除等を可能にします(消費者にその契約を結ぶ特別の事情があったときは例外)。
(3)クレジット規制の強化(割賦販売法改正)
①個別クレジットを行う事業者を登録制の対象とし、立入検査、改善命令など、行政による監督規定を導入します。
②個別クレジット業者に訪問販売等を行う加盟店の行為について調査することを義務づけ、不適正な勧誘があれば消費者への与信を禁止します。
③訪問販売業者等が虚偽説明等による勧誘や過量販売を行った場合に、個別クレジット契約も解約し、既に支払ったお金の返還も請求可能にします。
④クレジット業者に対し、指定信用情報機関を利用した支払能力調査を義務づけるとともに、消費者の支払能力を超える与信契約の締結を禁止します。
(4)インターネット取引等の規制の強化
①返品の可否・条件を広告に表示していない場合は、8日間、送料消費者負担での返品(契約の解除)を可能にします。(特定商取引法改正)
②消費者があらかじめ承諾・請求しない限り、電子メール広告の送信を禁止します。(特定商取引法改正)
③クレジット事業者に対して、個人情報保護法ではカバーされていないクレジットカード情報の保護のために必要な措置を講じることを義務づけるとともに、カード番号不正提供・不正取得をした者等を刑事罰の対象とします。(割賦販売法改正)
(5)その他
①違反事業者に対する罰則を強化します。(特定商取引法・割賦販売法改正)
②クレジット取引の自主規制等を行う団体を認定する制度を導入します。(割賦販売法改正)
③訪問販売協会による自主規制の強化を図ります。(特定商取引法改正)
(※以後、この法律について私見を述べていますが私はとりたてて法律に詳しいわけではないので誰かもっと詳しい解説をしている人とかここに続くコメントとかトラックバックとかを見ておくと馬鹿を見ないですむと思います。念のため!)
注目したい点は次だ。
第35条 3の3
クレジット会社は支払能力があるかどうかをしっかりと見極めなさい。支払能力の基準は経済産業省が決めます。(意訳)
つまり、パソコンや車を買うときにローンを組む場合はいちいち年収や銀行口座の残高証明を提出しなくてはならない。他の借り入れ状況や支払履歴まで証明しないといけない。…と言わんばかりだ。実際の基準は経済産業省が決めるのだろうが。
これがその通りだとすると、1万円で携帯電話を買ったとしてもNTTドコモやKDDIやソフトバンクは支払能力の調査をしなくてはいけない。トヨタの販売会社も三越も高島屋もヨドバシカメラもみんな支払能力の調査をしなくてはいけない。
(注意:自動車購入時に提携銀行ローンを使用する場合など、割賦購入あっせんではない割賦販売もあるので全部が全部ではない)
第35条 3の4
経済産業省が決めた支払能力を超えてローンを組むことは認めません。(意訳)
この基準というのが厳しい。簡単に言うと「自宅を売ったり担保に入れたりすることなく生活維持費を確保した上、支払いに充てることができると見込まれる1年間当たりの金額」となる。これにさらに経済産業省が一定の係数を掛けるのだ。400万円の年収の人が200万円の車をローンで買おうとしてはじかれても文句が言えない。個別割賦だけでなく包括割賦も同様に規制対象で、クレジットカード業界では「係数を変更すれば自由に与信枠のコントロールが出来るのは事実上の総量規制ではないか」と動揺が広がっている。当の経済産業省は総量規制を否定しているが、貸金業法改正の際には総量規制が導入されて業界が大混乱に陥ったことから油断はできない。
貸金については現在「年収の3分の1まで」という制限がかかっており、新しくできた消費者庁に所管が移されることになっている。割賦販売法も所管になるかについてはまだ不明だが、消費者庁設置時の文書には割賦販売法についても触れられている。もし両法律とも消費者庁が担当することになれば、貸金業法と割賦販売法の枠が統合される可能性がある。そうするといよいよ与信枠は小さくなっていく。
それから、現状では同居家族の収入を信用情報の一つとして無収入の主婦や学生にもクレジットカードを発行している。貸金業法と運用が統合されれば無収入を理由にカード審査を落とさざるを得ないし、既に発行したカードも停止しなければならないだろう。百貨店やショッピングセンターの収入激減は必至だ。
第35条 3の10
契約時に脅したり不利益になる情報を隠したりするとその契約は撤回できます。契約が撤回された場合、既に払った代金は返還請求できます。(意訳)
つまり、契約に際して何か不備があれば既にいくら払っていようと金額の返還が保証される。誰もが恐れた貸金業法の過払い請求と同じことが起きる。
現状では改正割賦販売法は未施行(成立から1年6ヶ月以内に施行)で、監督官庁も実運用も未定のままだ。しかし法律だけはしっかりと成立しており動揺だけが確実に広がっている。何も決まっていないままという「恐怖」が業界の萎縮を拡大させるというのは金融商品取引法の導入時を見れば明らかだ。
「金融危機拡大は過剰与信の結果で、それを規制するのは当然のこと」というのは分かる。しかしバブル崩壊の話には総量規制という単語がついて回るし、支払能力の算定基準によってはバブル崩壊時と同様に消費を急減速させかねない。だいいち、財政出動してでも消費を拡大させる政府の方針と矛盾するし、これまで国策でやってきた住宅ローンの過剰供給の方針とも食い違う。金融危機を招いたサブプライムローン問題の本質は過剰与信で住宅ローンを高リスク層にも拡大していたことではなく(もしそれだけだったら単なる土地バブル崩壊で終わってる)、高リスクを高リスクときちんと認識できなかった金融システムの欠陥によるものだ(と私は信じている)。貸金業法もそうだが、高リスク取引の存在を許さない法規制はどう考えてもおかしい。本当の問題は高リスクと低リスクがごちゃ混ぜになってしまうことなのに。
次々と法律を脱線させていって一体何がしたいのだろう。遅くとも1年以内に、迷走劇場の第4部――金融商品取引法、貸金業法、建築基準法に続く――が始まる。
携帯電話の販売方法はこう変わる
話を携帯電話の割賦販売に戻そう。
考えられるシナリオとしては、携帯電話を割賦で購入する際には信用調査が必須になるので、場合によっては収入証明や銀行口座の残高証明を提出しないといけない。これを嫌った携帯電話ユーザが割賦販売でない以前の方法で支払うことを選択することも増えるだろう。そうせざるを得ない人も増えるだろう。いやもしかすると、信用調査や個人情報管理などで煩雑になることを嫌った携帯電話キャリア自らが以前の販売方法にシフトするかも知れない。これでは、総務省の指導に反することになる。
一つの結論としては、イー・モバイルのやっているような長期契約割引とかご加入アシストとかいう複雑なしくみを作って擬似的に割賦販売を実現するやり方がある。この方法だと割賦購入あっせん契約はいらなくなるし、総務省の指導にもある程度沿う。(風の噂では某社では本気で検討しているとかしないとか)。
かつてソフトバンクが先陣を切って割賦販売を導入したとき「新スーパーボーナスは分かりにくい」と散々叩かれまくったが、もっと複雑でいやらしいプランを用意したイー・モバイルがここにきて一人ぬくぬくとしているのは何かの皮肉なのだろうか。
以上、ドコモとイー・モバイルを使っている1携帯電話ユーザの他人事ではない話、ってことで。
(※再掲:この法律について私見を述べていますが私はとりたてて法律に詳しいわけではないので下に挙げた参考資料とかここに続くコメントとかトラックバックとかを見ておくと馬鹿を見ないですむと思います。念のため!)
蛇足
こういうのって、なんでニュースにならないんだろうね。
まともな分析記事は下に挙げた参考資料ぐらいしか見つからなかった。情報少なすぎ。
参考
一次資料は以下。
特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案について(METI/経済産業省) – 経済産業省
割賦販売法 – 法令データー提供システム
二次資料は以下。
“総量規制”への可能性が残る割販法改正案に業界は騒然 – ダイヤモンドオンライン
トヨタも恐れる割販法改正 – 日経ビジネスオンライン
クレジット払いに規制の網 改正法案の中身に信販業界は騒然 – 日経ビジネスオンライン
クレジット・信販 2つの法改正で羽交い締めにされた悲劇 – 倒産速報と不良債権処理
割賦販売法改正の行方を監視しよう! – All About マネー
「主婦はカードを持てなくなる」ってホント – ミセス All About
個人ブログによる分析は以下。
【金融】トヨタも恐れる割販法改正 官製不況に4つ目の「K」? 個人消費に冷や水も(NBonline“時流超流”)[08/06/16] – 2ch ビジネスニュース+ ダイジェスト
改正特定商取引法と改正割賦販売法が遂に成立!で、どうなるの?! – お金の秘密
宝飾品専門店チェーンに嵐 ―割賦販売法の改正 ― – 専門店 徒然草 By ワールドウエル
暗黒の1週間まとめ (10/7~10/17)
^N225: Summary for NIKKEI 225 – Yahoo! Finance
10/9~10/16の日経平均株価のチャート。
(クリックすると拡大)
そうそう見られるものではないので、記念にキャプチャを取っておこう。
暗黒の1週間のまとめ。
【10月6日以前】
9月15日、リーマンブラザーズが経営破綻。
9月18日、米欧の中央銀行が大量のドル供給を発表。29日に供給枠引き上げ。
9月29日、米金融安定化法案がまさかの否決。ダウ工業株平均は過去最大の777ドル下落。
10月3日、米金融安定化法が成立。
【10月7日 火曜日】
日経平均終値は10155.90円(-317.19)。レンジは9916.21円─10363.14円。出来高は29億6513万株。
前日にダウ工業株平均が10000ドルを割ったのを受けて日経平均も1万円割れ。
英銀大手が政府に支援要請。ポンドが急落。
FRB議長が利下げを示唆するが逆効果で売り殺到。ダウ工業株平均終値は9447.11ドル(-508.39)。
【10月8日 水曜日】
金融危機拡大で暴落。
日経平均終値は9203.32円(-952.58)。レンジは9159.81円─10011.64円。出来高は28億5785万株。
下落率は9.38%で過去3番目。日経平均7000円─8000円説が飛び交う。
続いて始まったNY市場も下げ止まらず。ダウ工業株平均の終値は8451.19ドル(-128.00)で、1週間の下落率18.15%は過去最悪。世界恐慌を上回った。
米欧の中央銀行で協調利下げを発表して一時は円安に転じたが、再び円高が進行した。
ロシア市場では暴落を受けて30分で取引停止、2日間の閉鎖が決定された。
【10月9日 木曜日】
日経平均終値は9157.49円(-45.83)。レンジは9100.93円─9443.45円。出来高は29億1898万株。
上場REITのニューシティ・レジデンスが破綻発表。
ダウ工業株平均は急落。7日連続の続落で8579.19ドル(-678.91)、過去3番目5年5ヶ月ぶりの安値。米市場で金融株の空売り規制が解除されたことが一因。
WTI原油先物は1バレル=86.59ドル(-2.36)と2日連続の下落。
アイスランドで急速に金融危機が進行。大手銀行は国有化。株式市場は13日まで閉鎖された。為替市場でも同国通貨は取引不能の状態が続く。
【10月10日 金曜日】
米市場の急落を受けてパニック売り。開場8分、日経平均先物でサーキットブレーカー発動。9.11の翌日以来。
日経平均は寄り付きから42分で900円の下落。前日のREIT破綻に加え、未明の円急騰(1ドル=97.91円)、午前に大和生命保険の破綻発表と悪材料が続々。主要銘柄を中心に425銘柄でストップ安。東京原油もストップ安。
日経平均終値は8276.43円(-881.06)。レンジは8115.41円─9016.34円。出来高は32億7441万株。下落率は9.62%で10/8に代わって過去3番目となった。
アジア市場も軒並み下落。8日から取引停止が続くインドネシア市場は停止期間を無期限とすることを発表。
続いて始まったNY市場は不安定な値動き。一時は大きく上昇するもダウ工業株平均の終値は8451.19ドル(-128.00)で8営業日連続の続落。変動幅は上下1000ドル超。
WTI原油先物も下落。1バレル=77.70ドル(-8.89)。
深夜にはG7で公的資金注入で合意。
【10月13日 月曜日】
日本市場は休場日。(何を思ったか某情報会社がこの日の日経平均を発表するというハプニングがあった)
欧州市場は軒並み大幅の上昇。英国8.26%、ドイツ11.40%、フランス11.17%。いずれの国も政府により公的資金注入の方針が発表されたことによる。英国では大手銀行を実質国有化、各国中央銀行でドル供給の強化等の施策を発表。
アジア市場の午前は上げ下げまちまちの展開。取引停止中のインドネシア市場は4営業日ぶりに取引再開。その後急落。
続いて始まったNY市場は高騰。ダウ工業株平均は9387.61ドル(+936.42)で過去最大の上昇幅。上昇率では過去5番目。
WTI原油先物は1バレル=81.19ドル(+3.49)と4営業日ぶりの上昇。80ドル台を回復。
【10月14日 火曜日】
日経平均終値は9447.57円(+1171.14)。レンジは8407.94円─9455.62円。出来高は23億8300万株。
8日ぶりの大幅反発。上昇率14.15%は過去最大。
午前には日銀より9月の国内企業物価指数が発表。前年同月比6.8%のプラス。上昇幅は縮小傾向。
為替相場は10日未明から3日間下落。未明には一時1ドル=102.46円を付けた。
アジア市場は軒並み上昇。
NY市場は反落。ダウ工業株平均は9310.99ドル(-76.62)。現地午前に米政府が2500億ドルの公的資金注入を発表したことで一時は400ドルの急上昇を見せたが、その後は乱高下が続いた。
【10月15日 水曜日】
前日に続き上昇。
日経平均終値9547.47円(+99.90)。レンジは9269.49円─9601.30円。出来高は25億1233万株。
午前には9月の国際収支速報が発表(財務省)。経常収支の黒字は前年同月比52.5%のマイナス。貿易赤字に転落。
午後には年度上半期のマンション発売戸数が発表(不動産経済研究所)。首都圏では前年同期35.9%のマイナス。1994年以来の最低水準。
公的資金注入に対しては効果はすぐに出ないとの見方が浮上。
深夜には米小売売上高が発表。市場予測を下回り、NY市場は再び下落に転じた。
ダウ工業株平均は8577.91ドル(-733.08)。下落幅は9/29に続く過去2番目。下落率では過去9番目。
【10月16日 木曜日】
NY市場につられるように再び暴落。
日経平均終値は8458.45円(-1089.02)。レンジは8458.45円─9400.85円。出来高は25億6068万株。下落率は11.41%で、ブラックマンデーに次ぐ過去2番目。
円相場は14日午後から3日間上昇が続く。未明には一時1ドル=99.78円を付けてその後下落に転じた。
アジア・欧州市場も軒並み下落。英国5.85%、ドイツ6.4%、フランス6.2%。
2008年度補正予算が国会で成立。
【10月17日 金曜日】
値動きは少なめ。次週以降に続く四半期決算待ちのためか勢いなし。
日経平均終値は8693.82円(+235.37)。レンジは8539.51円─8763.71円。出来高は22億9961万株。
現在に至る。
明るい返済計画 2008
自宅の蔵書の棚卸しをしてみたら未読本が124冊もあってどうすりゃいいんだ、という話の続き。あれから1週間もしない間にさらに増えて、今では142冊になっています。
放置していても仕方がないので、とりあえず未読本を年度末までに40冊にします、と宣言してみる。
まず、142冊を40冊にするためにはうず高く積まれた本の山から102冊を読まなきゃいけない。んでもって、これから半年間の間に買うであろう本を一冊残らず読まないといけない。なかなか厳しいね。
(うず高く積まれた未読本の山(一部))
これから買いたい本を極限まで抑えて1ヶ月に20冊ペース購入したとして、5ヶ月半で110冊。合計212冊のノルマになるわけだ。1日にならすと1冊ちょい。できないこともない…こともない。いや、かなり厳しいんじゃないかな。できるかどうか分からないけれど、とりあえず努力目標に向かって挑戦してみます。
未読の中でも3割ほどはコミックだったりするので、そこから少しずつ山を崩していこうと思う。ほとんど読み終わっているけどあともう一息、という本もいくつかあるし。
◇
ちなみに今日読み終わった本。