技術書典5のサークル参加レポート(当日編)

2018年10月9日

(この記事はnoteと同じ内容です)
技術書典5にて初めてのサークル参加をしたので、その経緯から終了までを、また参加する時の自分に向けてメモします。準備編はこちら前日編はこちら

新刊「Raspberry PiではじめるDIYスマートホーム」PDF版はBOOTHにて引き続き頒布中です。96ページ、1000円です。
https://yagitch.booth.pm/items/1034342

完売御礼

おかげさまで完売しました。冊子版、80部刷ったのが1時間半ですべてなくなりました。ダウンロードカードは多めに300部用意しましたので完売することはありませんでした。また、イベント時間中にBOOTHからも購入して頂けました。お求め頂いた方、本当にありがとうございました。来て頂いたのに冊子版がないということでお帰り頂いた方、申し訳ありませんでした。この経験は次に生かします。

頒布結果

冊子+PDF版:79(印刷数82-見本誌3)
PDFダウンロードカード:51
PDF(BOOTH):3

知見1:ワンオペはおすすめしない

ワンオペは死です。グランパさんもそうおっしゃっています。私はなんとかギリギリこなしましたがおすすめしません。まさに頒布会は戦場です。その中でトイレ休憩でスペースを離席せざるを得なかったり、荷物を置きっぱなしにできなかったり、あるいは他のスペースに偵察や挨拶さえも行けないというのは相当なハンデです。採算が合うなら日当を払ってでも売り子を頼みましょう。馬力二倍は効果百倍です。
私は初の設営に手間取り、9割方できたところでこまごましたことをやっているうちに開場時刻を迎えて慌てました。また、完売の掲示をしたり、見本誌を途中で増やしたり、応対しつつ色々なこともやらざるを得ませんでした。ブーストしても列整理できませんし、スループットも上げられない。できれば、せめて完売の報告やダメ押しのPRをTwitterでやりたかった……そういう反省からワンオペをすることはもうないと思います。
ちなみに、仲の良いフォロワーさんがいの一番に来てくれてお使いや売り子協力を申し出てくれてとても嬉しかったです。ただ「今日は一人でやってみる」と決めてそれを中心に段取りを決めていたので遠慮させてもらいました。優しい人の存在はありがたいものです。

知見2:電子版は冊子のようには売れない

12時半くらいに冊子版が完売して、初参加初完売を周囲のスペースさんたちに拍手で祝ってもらいました。この時点で被チェック数は214となっており、少なめに見積もってもあふれた100人くらいがダウンロードカードを買ってくれるかな? と思っていましたがそこまでではありませんでした。開場したはじめは指名買いの方ばかりなので中身を見ることもなくポンポン捌けていくのですが、冊子版が完売してからはスローペースになりました。それでも完売当初は「仕方ないなー」みたいな表情でダウンロードカードを指名買いしてくださる方も途切れなかったのですが、開始2時間半くらいでボーナスタイムも終わり、後はダウンロードカードはさっぱり売れず、ひたすら見本誌を見て立ち去っていく人を見送るだけの人になりました。
「人はなぜ現物で欲しがるのか?」というのは業界のプロでも人によって論が違う難しい話ですが、冊子の過小読み違えに加えてダウンロードカードの過大読み違えさえもやってしまったというのは私にとって地味にショックな事でした。ポジティブに捉えれば、これはおそらく何年経ってもこの調子だろうと思うので、次回からは安心して予想ができます。少なくとも冊子の数以上に刷ってはいけません。

知見3:オペレーションでやれることは少ない

限られたスペースで押し寄せる来客を捌かなければならないので、スループットの維持は命綱です。私は初参加にあたってオペレーションの事前シミュレーションに時間を割き、ワンオペというハンデを考慮すると相当に簡単なフローにしないといけないという危機感がありました。そのためPixiv Payの対応は見送って現金とかんたん決済アプリでの支払いのみにしましたし、価格設定も1000円札一枚という単純なものにしました。かんたん決済アプリの良いところはQRコードを事前印刷して掲示しておくだけという手軽さなので売る側のアクションがいりませんし、もっとスピードを上げたいときは決済時の自機確認を省略する(セキュリティは低下します)オプションを取れるフレキシブルさにあります。
事前シミュレーションが奏功してワンオペでもギリギリこなせるラインで捌けましたし、私のスペースに来る人が滞留して隣のスペースに迷惑をかけることも少なかったと思います。(それより開場当初、会場自体の問題でうちの目の前がボトルネックになって滞留するという問題の方が大きかった)。あれもこれもやろうとするのはやめた方がいいです。バッサリ諦めましょう。その分を来客とお話しする余裕に回した方がよほどいいです。

その他のトピック

会場内にはおそろいのTシャツを着たインプレスR&D社のスタッフさんがおり、少数のサークル主さんに「商業化しないか」と声をかけていました。ああ、こうやって技術書典Kindleシリーズはできていくんだなーとその様子を眺めて思いました。なお、うちには来ていませんのでご安心ください。
立ち読み広場に提供した見本誌にはBOOTHのQRコードを貼っておき、最悪スペースに来なくてもいいようにしました。イベント時間中にBOOTHでは3冊売れたのですが、一人はTwitterで事前に問い合わせがあり、もう一人はスペース前でQRコードを読み取っていたので、おそらく立ち読み広場からアクセスした人が一人くらいいるんじゃないかな、と想像しています。このようにちょっとした工夫が奏功するのはとても嬉しいことです。スタッフさんに聞いたら立ち読み広場は大盛況だったとのこと。よかった!
ダウンロードカードをカラフルな便箋に入れて渡すというアイデアは好評でした。今回ダウンロードカードが売れ残ったことで便箋は大量に余ってしまったので、次回があればまた同じことをすると思います。また、ダウンロードカードに様々な工夫を詰め込んでいたのもアフターで他のサークル主さんに好評でした。こういうの。

ワンオペだったので技術季報を買うことはてっきり諦めていたんですが、撤収が佳境に入っても技術季報は出口のところで売っていたので購入することができました。これは運営さんナイスです。あとで読みます。
スペースに置く見本誌は2つあった方がいいですね。スペースの幅的に来客は2人が限度なので。はじめは1つだけ用意していて、売り物用の一番上のものも手に取って良いですよーという形で運用していてスムーズでした。冊子が完売するとそれがなくなるので、取っておいた自分用を急遽見本誌に仕立て上げて見本誌2つ+ダウンロードカード販売という形にしました。これは大成功だったと思います。
逆に致命的な出来事として、飲み物を買わずに入場してしまい、気付かず設営していたら入退場できない時間帯になり、そのまま開場を迎えてしまうという失態がありました。幸運にもフォロワーさんが1Lコーヒーを差し入れてくださったのでものすごく助かりました。初の同人売り子の思い出はサザコーヒーの味とともに記憶されることになりました。
水分補給が少なめだったこともあり、トイレには一度も行きませんでした。ただし体には良くないし疲労のリスクもあるので真似してはいけません。水分はきちんと取りましょう。
途中で運営代表さんが挨拶にいらっしゃいましたので、前回混雑の話を聞いて人出にビビっていたけど今回は(開場当初は別にして)スムーズにさばけてますねという話をしました。またよろしくお願いします。
両隣が人気サークルで終始人が途切れない状態だったので、立ち読みの方がこちらにはみ出してくることが多々ありました。私の方も逆に侵食することもあったのでこれはお互い様だと思います。が、(双方実績に裏打ちされた)洗練されたコミケの行列形成に慣れてると「配置とスタッフ誘導何とかしてー」と思ったりはします。
オフラインの知り合いでは唯一のサークル参加者だったsanryuuさんが唯一のチームビルディングの合同誌を主宰していて、その本が異色かつ面白そうということでTwitterやブログで注目を浴びていたのを見ているのも楽しかったです。こういう楽しみ方もあるんですね。

当日持ち物で使ったもの、使わなかったもの

【○ or ×】
○1000円札×30枚
○お金ケース
○スマホスタンド(イーゼルがないので見本誌置くのに代用)
○スマホスタンド(名刺を取りやすくする用)
○サインペン
○値段POP・お品書き・スペース番号を書いた紙・QRコードを書いた紙
○クリアケース(ポスター用、お品書き用)
○名刺
○名刺入れ
○名札カード
○対面電書シリアルコード
○ネックストラップ
○B5見本誌クリアカバー
○養生テープ
○メンディングテープ
×作業用手袋
○はさみ
○あの布
○ゴミ袋
【忘れた】飲み物
○モバイルバッテリー
×スケッチブック
○大きな付箋
念のため持っていったもの
○書見台(ポスタースタンドとして活用)
○カッター
×カッターマット
×物差し
×マジックテープバンド
×シール
×スティックのり

非公式アフターの熱気もすごかった

池袋のダーツバーにてアフターに参加してきました。その中に一般参加者を見つけたので執筆沼に引き込んでおきました。ふふ。アフターに来て無事で済むと思うなよ(ニヤリ)。
技術書典自体の熱気もすごかったですが、酒の入ったアフターの熱気も凄かったです。わりと引っ込み思案な私ですけど、のびのびと過ごして様々な方とお話しすることができました。LTも勘所を押さえたタメになる内容でした。
「執筆の時に、自分にプレッシャーを与えるためにあえて入稿締め切りを調べない」という私の(無謀な)執筆方法を武勇伝のように語ってしまったのはちょっとやり過ぎたと思います。はい。
あと、形はどうあれ「自分でイラスト描いて表紙にしたんだったら次は貴方に表紙を依頼したい」と言われたのは大きなモチベーションになりました。私はまだ自信がないので辞退しましたけど。
グランパさん曰く「初参加80部で瞬殺になって悔しい思いをするのは必要なステップだ。なぜなら200でも捌けると先人が言ったところで、その身で体感するまではその事実を絶対に信じないから」ということで、悔しく思っていた私には大きな慰めになりました。

おわりに

10月8日は私にとって大きな記念日になりました。たった3ヶ月前には夢にも思っていなかった、本を作り配るという楽しみがどれほどの破壊力を持っているかということを全身で感じられた一日でした。これは取り憑かれる人が多いのも頷けるばかりです。私も「次は何にしようかなあ」などと考え始めています。
多くの人に支えてもらって普通なら見られないものを山ほど見せてもらいました。技術書典に来てくださった方、私の本をお求めくださった方、事前告知に協力くださった方、立ち読みしてくださった方、場を提供してくれたスタッフさん、それから同じサークル参加の先人の皆さんに感謝いたします。最後までお読みくださりどうもありがとうございました。

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