20100720の読書メモ

2010年7月20日

最近あまり更新してないので、普通に記録などをば。

スプートニク

なんだか世間ではクドリャフカクドリャフカと騒いでいるようだったので、クドリャフカといえばスプートニク計画だろ常考…ということで購入。ちなみにクドリャフカとはスプートニク2号に乗っていた所謂「ライカ犬」の名前とされるものの一つ。
そもそもこの本を知った発端は新居昭乃の歌う「スプートニク」という曲。この曲は愛しい人と別れてしまった悲しみを地球に帰って来られないクドリャフカの悲しみに重ねて歌っている素敵な曲だ。曲中では何度も「クローカ」と名前を呼ぶ部分があるが、その「クローカ」とは1968年(クドリャフカが宇宙に行った11年後のこと)に打ち上げられたソユーズ2号に乗っていたとされる犬の名前だ。曲中でクドリャフカはクローカに「僕は戻ってこられないけれど、君だけはきっと還って」と伝えていて、それがいっそうこの曲を悲しいものにしている。残念ながらそのクローカは、クドリャフカ同様に地球に還ってはこれなかったのだけれど。
さて、ソユーズ2号に”乗っていたとされる”という変な言い回しを使ったけれど、実はソユーズ2号に犬が乗っていたというのはフィクションのお話。その元ネタとなっているのがこの本。無人飛行したはずのソユーズ2号にはイワン・イストチニコフという一人の宇宙飛行士とクローカという一匹の犬が乗っていたという設定で、豊富な資料と詳細な記事でその全貌を解説している。一人と一匹は何らかの理由で“いなかったこと”にされ、公式的にはソユーズ2号は無人飛行を行ったことにされているという。フィクションとは言え、数え切れないほどの前科があるソ連ではあながち無い話とも言えないところが恐ろしい。

リューシカ・リューシカ

作者買い。久しぶりにググッときた。一言で言うと「よつばと!を安倍吉俊が描いたらこうなった」。ニア・アンダーセブンや同人誌などでの安倍吉俊のギャグ描写は秀逸なので、商業誌で復活しないかずっと待っててようやく来た感じ。よつばと!はわりと客観的な視点で淡々と描かれているのに対して、これはリューシカの考えている内容も描写されてリューシカの視点で進行していく。子供の頃、夜中に起きて家の中を歩くとテレビ台に光る待機電源がこちらを睨んでいるように見えたり、冷蔵庫が上から襲いかからんばかりに見えたりとかしたけど、そういうところが効果的に描かれていて面白い。そしてギャグも炸裂。

図説「愛」の歴史

語られないけれど知っておきたい教養。現代でも一夫多妻や多夫一妻という家族形態は45カ国で認められている(その45カ国で世界人口の3分の1を占める)という事実。キリスト教が再三にわたって一夫一婦制を普及させようとした結果、欧州で一夫一婦制が多数派になったという歴史。そして一夫一婦制の普及のために何度も何度も重婚の禁止を宣言してきた教会。あるいは同性愛の結婚制度の実例や、2005年にオランダで誕生した同性愛と異性愛が共存した三角結婚の例など。倫理観や常識などというものは時代の流れでどうとでもなってきたのがよく分かる。たとえば20年後に一夫一婦の結婚制度が崩壊していても驚くようなことじゃない。

ルワンダ中央銀行総裁日記

1965年からの5年間、IMFから派遣されてルワンダ中央銀行の総裁を務めた著者の記録。一国の中央銀行総裁(とはいっても国の中に商業銀行は一つ、全国物流会社も一つしかないような小国)でありながら国内外の状況を末端まで観察し、理解し、推測し、現実的で効果的な政策を次々と立ててゆき、自立可能な財政と健全な経済を実現させていった成功ストーリー。綿密な計画と周到な準備がすばらしく、経済・財政のケーススタディとして教科書に載ってもよいような見事な記録。外貨準備、税制、通貨切り下げ、為替二重レート、モノカルチャー経済、物価統制、法人制度、公共交通網整備、物流網整備、農業政策、行員教育などなどについて所見と対策、対策の効果について丁寧に解説されている。

サーバ移転作業完了

2010年7月19日

…といっても読む人にはなんの関係もない話なんですけどね。もろもろリニューアルしたので記録をば。
・XREAのレンタルサーバ→DTIのVPSに移転
・Wordpressを2.7→3.0にバージョンアップ
・デザイン変更
デザインはOULIPOというテーマを元にmono-labのデザインをパクリ参考にしながらカスタマイズしました。
mono-labトップページ画像
最近表示が重かったり表示されなかったりすることが多かったのですが、これで解消することを期待。
しばらくは不具合があるかもしれないので幸運にも見つけた人はコメントなどどうぞ。

生存報告(続き)

2010年5月9日

山は越えた感。
このままネット世界からフェードアウトする気はないので、ちょっとずつリハビリをば。

最近のアニメ

ここ2年くらいまったくアニメを追いかける気が失せてしまっていたのだが、今期は大豊作と聞いてそれぞれ1話だけは見ようと思う。ラインナップを見るとB型H系、WORKING!!、荒川アンダーザブリッジ、けいおん!!(第2期)など、大半が長らく読んでて愛着のあるマンガが目白押し。つまり私にとっても大豊作。しかし時間が取れない。
荒川アンダーザブリッジがアニメ化と聞いた時は小躍りして喜んだが、出来はさておき、「聖☆おにいさんの方が面白いのでアニメ化してほしかった」という意見多数でげんなり。私にとっては荒川の方がよっぽど面白くて好きなんだよ。聖☆おにいさんはなんか、その、あれなんだ。あざとい。狙いすぎてあざとすぎて不自然に見える。メジャーマンガっぽい匂いがキツい。中村先生どうしちゃったの。
…とか言いながら聖☆おにいさん楽しみにしてるけど。

最近の音楽

坂本真綾の15周年記念ベストアルバムをヘビーローテーションで聴いております。

最近のデジモノ

液晶ディスプレイをリプレースしたい。とにかく軽くて、今より大きくて(22インチ以上)、モニタアーム対応のやつ。軽いのだとLEDバックライト一択になるけど、それだとモニタアーム非対応がほとんど。唯一対応してるBenQはどういうわけか軽くない(剛性確保の為だろう)。ラインナップがこなれてくるまで待つしかないのか…。

最近のネット環境

家ですることといえば寝ることくらいなので、ネット世界とのつながりは職場のPCか、通勤途中のiPhoneやVAIO Xになってしまった。あぶないあぶない。家のPC触ってないや。

最近の通勤環境

連休がもう少し続いてほしい。みんながお出かけするだけでこんなにも通勤が楽になるなんて。首都圏の人口をもっと仕分けすべき。そして仕分けされた人たちを二次元の世界に連行すべき。そして私を真っ先に仕分けすべき。

最近の変態

Twitterをまったく見なくなってからずっと変態成分が欠乏中。でも私の脳内が静かになったので心は安らいでおります。なんとかバランスとれんものか。

最近の食欲

辛子蓮根食いたひ。私の生活に不可欠な四大欲求は肉食欲、草食欲、讃岐うどん欲、そして辛子蓮根欲。辛子蓮根欲が通常の3倍程度で高止まり中。

最近の買い物

本を買いたいが、営業時間内に行けない。アマゾンにしても、休日さえ無いこの状況では受け取ることができないし、コンビニ受取にしてもコンビニ行く気力がない。自転車レースに向けてあれこれグッズも揃えたいが、たぶん絶望的。Amazonマーケットプレイスでの発送がコンビニ受取できれば頑張って受け取りに行くんだが。

最近の金回り

多額の借金に悩んでおりキャッシュフローがやばいことになっていた。調子に乗って多数の知り合いに万単位の立て替え払いをしていたので、債権があるのにキャッシュが枯渇して黒字倒産寸前。最近になって続々と入金があったので財政難は回復基調。これで自転車レースの金を工面できる。少額ならまだしも、あまり金額の大きい金を貸すと「手持ちの金がない」ということでなかなか払ってもらえないということを学んだ。金の貸し借りなんてするもんじゃない。

最近のぼやき

着ていく服がない。冗談抜きで。クリーニング屋に行く時間をくれ。
体が言うことをきいてくれん。そろそろライフがゼロになりそうだったが、とりあえず山は越えたので何とか持ちこたえられたようだ。あとは回復あるのみ。おやすみ。

生存報告

2010年5月5日

さすがに何日も音信不通状態だと各方面から生存確認のためのpingが飛ばされ始めたので、この場を使って生存報告をば。
1. 仕事が死ねる状態
人間的な生活に戻るにはあと1週間、完全に解放されるにはあと1ヶ月半は要しそうな勢い。体力だけでなく気力も衰え、精神的に不安定な状態なのでまるで生きるゾンビ状態。家では靴を脱ぐこととベッドに倒れ込む以外の動作を経験していない。ゴミは出ないし、トイレも使わないので非常にエコロジー。洗濯物と部屋の埃だけは積もる一方だけど。
2. iPhone壊れました
またかよ。もうやだこの会社の製品。
ショップに行く暇などないので壊れたまま使い続けてはいる。
3. 5/16の自転車レースに参加します
一日で佐渡島を一周してしまおうという無謀な試み。当然トレーニングなどする余裕はないので完走するつもりはない。そもそも参加が危ぶまれていたが何とか休暇は取った。仕事そっちのけで根回しだけはした。今日を中心とした前後2週間の休日がたった2回。にもかかわらずすべて自転車レースのための休暇(4/24の富士前哨戦、5/15~17の佐渡島本番)というのはどういうことか。どんだけ私は自転車レースが好きなんだ。
4. ヒゲが伸びました
しばらく非人間的な生活が続いているので、混乱に乗じてヒゲを剃ることをやめた。もしかしたらつくばに向かう終電の中か、会社の近くのホテルあたりでヒゲ面の私を見られるかもしれない。今だけ。
慢性的な睡眠不足と精神的不安定状態が落ち着いたらTwitterを再開するかも。
そろそろ乗っている終電がつくばに近づいてきたのでこの辺で。

RTの数だけバーガーキングの肉追加します その後

2010年1月2日

RTの数だけバーガーキングの肉追加します まとめからの続き)

やっとの思いで2個のWindows7ワッパーを完食したものの、持ち帰った肉は42枚もあった。ということで、その42枚でワッパータワーを作ってみることにした。

yagitch これで21ワッパー。http://twitpic.com/rl975 (失敗したので再ポスト)

yagitch 35ワッパー。そろそろ限界か!? http://twitpic.com/rlaru

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RTの数だけバーガーキングの肉追加します まとめ

2009年12月9日

バーガーキング秋葉原昭和通り店でしばらくの間話題をさらった「Windows7ワッパー」。

肉7枚重ねという異常なサイズのこのメニューはWindows7発売から時間がたち話題も冷めて、発売期間が11月末で終わることになっていた。しかしその発売日の最後の最後でWindows7ワッパーに最後の挑戦者が現れた。@yagitch こと私である。

Twitterの軽いノリに押され担がれもて囃され、引っ込みが付かなくなった哀れな挑戦者の記録をここに残しておく。お約束だが、よい子は真似してはいけない。

11月30日 午後6時38分~午後7時15分

きっかけはTwitterの一つのポストだった。

yagitch RTの数だけバーガーキングの肉追加します、ぐらいが適度に面白いような気がする。チキンでもなくやり過ぎでもなく。

ちょうどこの少し前、「RTされた数だけポテト買ってきて食べます」というのが祭りになっていた。しかしRTが予想外に広がったためか主催者は「自分のフォロワー以外無効」とか言ってちょうど祭りは冷め始めていた。そのときの個人的な感想として、さすがにRTごとにポテト一つはハードルが高いなあと思ってつぶやいたのが上のポストだった。冷静に考えてみればこれでも十分ハードルが高いような気もするが、この時はあまり深くは考えていなかった。

そして何を考えたのか、@jacopenがこのポストをRT。続いて@celica182bもこの発言にコメントを付けて拾った。

jacopen RT @yagitch: RTの数だけバーガーキングの肉追加します、ぐらいが適度に面白いような気がする。チキンでもなくやり過ぎでもなく。

celica182b あっさり、7ワッパーを超える悪寒 RT @yagitch RTの数だけバーガーキングの肉追加します、ぐらいが適度に面白いような気がする。チキンでもなくやり過ぎでもなく。

まさかRTされるとは思わなかったが、このときならまだ引き返すことができた。黙殺すればこのままRTは連鎖せずに収束するだろう。しかしそうはいかなかった。

yagitch ちょwみんなRTするなwwwやらざるを得なくなるだろw RT @jacopen @celica182b RT @yagitch: RTの数だけバーガーキングの肉追加します、ぐらいが適度に面白いような気がする。

「押すなよ! 絶対に押すなよ!」と言えば言うほど、押されて湯船に落ちた時の面白みが増すという、いわゆる「上島効果」である。(いま名付けた)。これが祭りに火を付けてしまったらしい。

0120 RT @yagitch: ちょwみんなRTするなwwwやらざるを得なくなるだろw RT @jacopen @celica182b RT @yagitch: RTの数だけバーガーキングの肉追加します、ぐらいが適度に面白いような気がする。

nrhy RT @yagitch: ちょwみんなRTするなwwwやらざるを得なくなるだろw RT @jacopen @celica182b RT @yagitch: RTの数だけバーガーキングの肉追加します、ぐらいが適度に面白いような気がする。

skd7 RT @yagitch: ちょwみんなRTするなwwwやらざるを得なくなるだろw RT @jacopen @celica182b RT @yagitch: RTの数だけバーガーキングの肉追加します、ぐらいが適度に面白いような気がする。

moejima RT @yagitch: ちょwみんなRTするなwwwやらざるを得なくなるだろw RT @jacopen @celica182b RT @yagitch: RTの数だけバーガーキングの肉追加します、ぐらいが適度に面白いような気がする。

yagitch あっという間にRTが5ワッパー分も広がってしまった…(´・ω・`)

これで流れは決定的になった。さらにこれらのRTがどんどん連鎖していった。

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レバレッジ「サンシャイン牧場」攻略法

2009年10月17日

そろそろサンシャイン牧場に飽きてきたので、後から始める人のために成果物としてノウハウを書いておく。

キーワードは「モノカルチャー」。

私のプレイ環境・結果

・2009/9/20開始
・2009/9/29時点でレベル7
・2009/10/17時点でレベル20(畑レベル12、畜産レベル8)
・サラリーマンなので時間帯の縛りあり
・現時点でマイミク参加者は14人(アクティブユーザ)

基本的なことから

サンシャイン牧場 @ ウィキ
サンシャイン牧場 まとめ
まずは上記のまとめサイトで、作物のレベルとそれぞれの売値、得られる経験値、成熟時間を確認する。下手なTipsよりデータがすべて。
時間あたりの粗利(売値-種価格)と時間あたりの経験値はレベルの高い作物ほど高くなっているので、「使用可能な一番レベルの高い作物を植える」のが基本戦略。一期作の作物と他期作の作物があるので表を見ているとどれが得なのか分からなくなるが、時間あたりの粗利と時間あたりの経験値だけをみればよい。
<基本戦略>
・使用可能な一番レベルの高い作物を植える
・常に何かを植え、何かが育っている状態にする
・虫のやり取りをして増産率を100%にする
・理由なく花を育てない
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Touch Diamondを使っていた私がiPhoneに切り替えた理由

モバイル遍歴
私はパソコンを自作することが好きだ。パソコンを組み立てるのは楽しい。パーツを買ってきて改良を加え、自分好みに育てていくことはかなり楽しい。一方で自作には手間がかかる。メンテの時間をとる必要があるし、その時間が取れなくて半分壊れたままのマシンを使い続けたこともある。それもひっくるめてパソコンを触り続けることはすべて楽しい。私にとってパソコンは「用を済ますためのツール」であるばかりでなく「趣味の盆栽」でもあるのだ。
しかし時間に追われ、メンテの時間が取れず、目の前の仕事をこなすことばかりが優先されるようになれば自作を諦めなくてはならないこともある。つまりパソコンメーカーの出番だ。DELLなら1日で完成品が届く。DELLなら何も考えなくてもサポートが受けられる。DELLなら自分で組み立てるより安い。DELLなら自宅パーティに呼んだ女の子たちが顔をしかめることもない。
Touch DiamondからiPhoneへの乗り換えは、自作パソコンを諦めてDELLを買うことに似ている。

日々のやりたいことをやるためのもっとも合理的な選択がiPhoneだった

Touch Diamondの日本発売から約1年、私はずっとこの愛すべきスマートフォンを使ってきた。主な用途は3つ。まずは音楽プレーヤとして、次にWebブラウジング端末として、そしてメールを読む端末として。そして、緊急用途として自宅鯖の遠隔操作やIRCにも使っていた。それだけなら十分用が足りる。たまにノイズが入るけど音質はクリアだし、WebブラウズもPCと同じものが見られるし、メールもきちんと読める。私の行動範囲なら通信環境にもあまり困らない。月額料金もそれほど高くない。だから、あえて別のものに乗り換える理由などなかった。そればかりか、使い続ければ使い続けるほどノウハウが蓄積されて自分好みに最適化されているので、今さらそれを捨てるなど考えられなかった。
しかし2ヶ月前、私はそのモバイル環境をiPhoneに切り替えた。それまでは、私があまりにもTouch Diamondを愛していたために仲間内では私だけがiPhoneを持っていない状態で、しかもことあるごとにそれを揶揄されるので「iPhoneなんか買うもんか」と半ば意地のように拒否していた。
私がiPhoneを買うことを決意した理由はたった一つ「合理的」ということにある。
ウェブを見るならTouch DiamondでもiPhoneでもできる。音楽を聴くこともメールを読むことも同じようにTouch DiamondでもiPhoneでもできる。この点ではどちらも私の求める条件を満たす。しかし、iPhoneの大きなアドバンテージは「使い方が完成されていること」にある。iPhoneはどのWM端末よりもスペックは劣っているし、できないこともたくさんあるが、「できる」ことになっているものはストレスを感じることなく、最短距離のアクションで「できる」のだ。

Touch Diamondを使い続けることは合理的ではない。だがそれがよかった。…老け込むまでは

Touch Diamond(をはじめとしたWM端末)は使い方が完成されていない。ウェブを見るにも、メールを読むにも、音楽を聴くにも、そのほか新しい使い方をひとつするにしてもネットで調べて最適な方法を探る必要がある。方法がなければOSをハックしたり、他のスマートフォン用のアプリをバイナリパッチしたりして使うことさえある。そうまでして「できない」ことを「できる」ようにする。そして、そこにパソコン自作と同じ「喜び」がある。
これがモバイル端末の使い方として「合理的か?」と聞かれれば全然そうじゃない。でも、少なくとも楽しさはある。ものすごくニッチだけれど、私はその楽しさでモバイル端末を今まで使ってきた。Palm m100を。EM・ONEを。EMONSTERを。そして、Touch Diamondを。
しかしいつの間にか、目的ではなく手段に手間と暇をかけることに嫌気がさしてきた。たしかに、「できない」はずのことが「できる」。でもつねに余計な操作を強いられる。遅い携帯電話より動作は速い。でも操作性が悪くて結局動かすのに時間が掛かる。そういった一つ一つでストレスを感じるのがイヤになってきた。若かった時期はDIYの楽しさがあったが、最近は老けて面倒くさくなってきたし、時間もなくなってきた。
つまり、合理的な選択をせざるを得なくなったのだ。盆栽をいじる楽しみを捨て、DELLを買うという選択を。

iPhoneとTouch Diamondは求めるものが違う

私はiPhoneに愛着が沸かない。iPhoneは盆栽のようないじって育てる対象ではないからだ。言うなればTouch Diamondはバカ息子であり、ドジっ子メイドであり、ドラえもんだった。一方のiPhoneは有能な部下であり、経験豊富な執事であり、ただの四次元ポケットだ。もしTouch Diamondが壊れたら(壊れたことなど一度もないが)私の心にはぽっかり穴が開いて嘆き苦しむだろうし、一方でiPhoneが壊れたら(ついこないだ体験したばかりだ)私は修理代金の心配しかしないだろう。
良くも悪くもiPhoneをもつことは「合理的」だ。用を済ますためのツールとして完成されている。それは素晴らしいことだし、悪く言えばそれだけの存在でしかない。私はiPhoneをもっていることを他人に自慢する気持ちも起きないし、他人に勧める気持ちも起きない。ただ自分が便利だから淡々と使い続ける。
というわけで結論。iPhoneとTouch Diamondは求めるものが違う。どちらが良いともどちらが悪いとも思わない。以上。

iPhone「アイキャンフライ!」 私「待て!早まるなあああああ!」

2009年9月6日


ついさきほど、購入からまだ半月しか経っていない私のiPhoneがスパイダーマンになってしまった。
夜勤明けの帰宅途中、バスに遅れそうだったので全力疾走したところ、彼は胸ポケットから緊急脱出。そしてパラシュートは開かないまま地上に激突。防護カバーもなく、液晶フィルムもなく、ストラップもなく、支えるものはイヤフォンだけという状況。「iPhoneはフォンジャックがしっかりしているし、もしもの時もイヤフォンが命綱になるだろう」と思っていたが甘かった。たしかにジャックからコードは抜けることがなかったが、延長コードの結合が緩かった。嗚呼。
笑うがよい。この無様な姿を笑うがよい!
表面のガラスが割れただけなので、起動するし、タッチもできるし、動作には支障がない。でもガラスが破片になっているので危険きわまりない。
これは貴重な教訓だ。同時期にiPhoneを買った会社の同僚が「防護カバーを付けるということは、小さく薄く設計したエンジニアに対しての冒涜になる!」とか言ってカバーを付けなかったので、そんなものかなと真似してカバーを付けずにいたらこの有様。たしかに今まで使っていた携帯電話にカバーを付けたことはないし、Touch Diamondもカバーや液晶フィルムを付けずに使い倒してきたのでiPhoneもそうするというのは分からなくもない。
でもその考え方は間違っていた。今までの携帯電話やTouch Diamondは落としても割れない「携帯電話」としてちゃんと使えていたからこそ、ケアが不要だったのだ。(実際、今までに携帯電話もTouch Diamondも何度となく地面に落としている)。その点で言うとiPhoneは「携帯電話」ではない。携帯電話と同じような使い方(暑い日も寒い日も雨の日も風の日も毎日ポケットに入れて持ち歩くなど)をするための条件を満たしていない。たとえばプレイステーションシリーズが「コンピュータ」として優秀でも「おもちゃ」としては欠陥品であるように、iPhoneは「コンピュータ」として優秀でも「携帯電話」としては欠陥品と言える。
だから、防護カバーを付けないとiPhoneは完全なものにはならない。落とすなと言っても無理。2年間毎日使って、何度もポケットから出し入れして、1度も落とさない自信があるだろうか。もっとも、部屋でしか使わないとか、仏壇に飾っておいてあるだけとかいうなら別の話だが。というわけで、欠陥がある以上防護カバーで補強することはエンジニアに対しての冒涜にはならないだろう。
正規の修理にするか保証外の修理にするかまだちょっと迷っているが、これだけは言える。こいつを携帯電話だと思った私がバカだった。アップル教の洗礼を受けてアップル税を払い続ける覚悟がないなら、アップル製品を買わないことだ。7万円で新しい世界が体験できるならペイすると考えて私はiPhoneを買ったが、1回とか2回落として修理することを考えても果たしてペイするだろうか? 個人的には微妙だと思う。