WIRED復活によせて

2011年7月15日

WIRED 日本版 第1号表紙
アメリカのテクノロジー雑誌「WIRED」の日本版が復活したのでとても嬉しい。
今回の復活前に存在していたWIRED日本版は1994年創刊、1998年休刊。
1998年といえば当時私は15歳のハナタレ高校生で雑誌の存在などまったく知らなかったけど、ウェブ版のHotwired Japanにはかなりお世話になった。2000年から2003年頃にかけてのHotwiredはウェブサーバいじりとか、PHPの初歩の初歩みたいな解説記事が結構充実してて何度も読んだ覚えがある。もちろん本家雑誌の翻訳コンテンツも揃っていて、旧ZDnet Japan (現ITmedia)、CNET Japanjapan.internet.comImpress Watchなどと並んで一次ソースの仕入れ先として毎日メールマガジン(まだRSSを使った更新チェックは主流では無かった)をチェックしていた。
そのHotwiredが告知も無く突如更新を止め、しばらく廃墟となってからWired Visionとして再出発した。そして今回、Wired visionは雑誌名と同じWIRED.jpに名前を変えてそのコンテンツを引き継いだ。実に二度の方針変更を経て、WIREDは再び雑誌とセットのWIREDになったのだ。
新しめのテクノロジー好きな人にターゲットを据えた雑誌と言えば数年前に休刊してしまった「POPULAR SCIENCE JAPAN (PSJ) 」がある。どうもこのあたりのジャンルは雑誌のセグメントの中でも儲からないというか、不安定なところがあるようだ。一時期私は未来っぽいものを紹介するようなブログを書いていたのだが、雑誌の中ではネタの仕入れ先として決め手になるようなものがPSJ以外にあまり見あたらなかった。(2005年頃まではEngadget JapaneseGizmodo Japanも無かったのだ)。基本的には膨大にブックマークした技術系ニュースサイトや面白系通販サイトをチェックし、本屋に行って面白そうな雑誌を片っ端からチェックしていた。面白小物系はトレンド誌(DIMEとかGoodsPressとか)、新エネルギーとかエコロジー系アイテムはソトコト、WebサービスはWeb CreatorsやWeb Designing、掘り出し物探しはサイゾーとかpenとかブルータスとか日経キャラクターズ、Mac系雑誌。それでも一雑誌から拾えるのはせいぜい一号一ネタ程度なので、ネタ切れ時は日経産業新聞とか、大学の図書館で面白そうな研究分野なんかを漁っていた。これは余談。
別に新しモノの情報がこの雑誌一つで!みたいなことは思ってないけれど、ライトなテクノロジー系の定期刊行物が出ることでそういったクラスタの人たちがより多く集まってくるようになればなあと期待している。
さて、気になっているのはPSJが復刊するかどうかなんだけど、ネット上のストリームとかブログ記事とか見ている限りはまるっきり言及されている様子が無いので復活は望み薄なのだろう。かつてPSJが落ち目になって月刊から隔月刊に変わったあたり(2005年~2006年)はちょうどホリエモンが時代の寵児となっていた頃で、宇宙開発にからめて隔号に一回くらいはでかでかと取り上げられていた。どんだけ偏ってんだ!と思うけれど、日本国内でこの人以外に面白く宇宙開発のネタになってくれる人はいないんだろうなと思い、ちょっと寂しい気分になる。
ホリエモンは残念ながらこれから2年ほど収監なので、出所して再び宇宙開発に乗り出す頃にはそれを特集するPSJのような雑誌があってほしいし、WIREDもそれまでは続いていてほしいなと思う。
肝心の雑誌の内容について書いてないけど、まあいいや。

文字数制限があると書き始め易いという話

2011年7月14日

これから、昔と同じように短めの文章を定期的に書いていこうかと思う。
もともと私の文章を書きたい衝動のはけ口となっていたこのサイトだが、定期的に文章を書かなくなってもう5年くらいが経つ。肝心の文章を書きたいという衝動はだいたいTwitterで満たされているので、これはこれでなんとかなってる。(Twitterを始めたのは4年前のことだ)。でもなんだか書きたい放題に断片的なことを書くだけで終わってて、いまいちまとまりのない感じになっているので、そういうものをまとめるような場所も必要かなと思ってはいるのだ。
私にとって、ブログというところは自由なフィールドであると同時に書きづらい場所だ。なぜなら文字数制限がない。そして私は「ちゃんと書けるならまとまりのある文章を書きたい」とも思っている。だからブログで書こうとするととたんにハードルが上がる。書きたいことを積み上げようとしてゴールが遠くなる。書き進めない。ああでもない、こうでもない、そして完成しない。そして私のPCの中(と、Evernoteの中)には書きかけの文章の山がたまっていく。
ところがTwitterはどうしようもなく厳しい文字数制限がある。こうなるとまとまりのある文章など書くどころでは無い。与えられたフィールドの中をどう切り取るか、数少ない文章の中でどう意図通りの伝え方をするかに知恵が絞られる、あるいは、数少ない文章の中でいかにインパクトを与えるかというところが勝負になる。すると満足地点が低くなるので完成までのハードルが低い。適当な書き方でも「ま、いいか」でポストできる。(何しろ、一文の完成度を上げるより、低クオリティでも数多くポストする方が存在を認めてもらえるのだ)。だから、適度に文章を書き、適度に知恵を絞るだけでなんとなくそれっぽい意図が伝えられ、なんとなく文章を書きたい衝動が満たされてしまう。エッセイが書けなくても俳句なら作れる。そんな感じだ。
Twitterは文章を書くハードルが低いけれど、やっぱりどこかで考え方をきちんと構成しながら、まとまりのある文章を書いておかないとなあと思う。俳句は解釈の幅が広いので、適当に作った文章でもなんとなくそれっぽく見えてしまうし、勢いでRTされるし、Togetterにだって載ってしまう。白いキャンバスに適当にカラフルなペンキをぶちまけても芸術と言われれば芸術だし、表現の一つとして認められる。でも、そういうものだけじゃなくて、建築士が家を建てるように、NASAが宇宙船を設計するように、ドリフターズがアドリブを一切入れずに役をこなすように、よく練られた文章というのも道具の一つとして必要だと思う。そういう場所としてブログをもう少し重視していきたい。
手始めに、Twitter日本版の全角140字制限を5倍した700字、あるいは10倍した1400字を基準として定期的に文章を書けるようにしたい。
野口悠紀雄氏によれば、文章の長さを分類すると次の四種類になるらしい。

(1)パラグラフ――150字程度。
(2)通常「短文」といわれるもの――1,500字程度。
(3)本格的な論文などの「長文」――15,000字程度。
(4)「本」――150,000字程度。
(書籍『「超」文章法』より)

(1)のパラグラフの150字程度というのはTwitterの長さ(140字)と同程度だ。そして、SMSの長さ(140字)でもある。150字、1500字を書けるようになれば、そのうち15,000字も難なく書けるようになるんじゃないかと期待している。
かつて私が毎日ウェブ日記(ブログ文化が出てくる前の公開日記のことだ)を書いていた頃、だいたい700字程度になっていた。自分にとっては、たぶんこれから先もこの文章の単位が基準になっていくんだろう。だから、そのサイズか2倍のサイズあたりを目安にしてみようかと思う。
実際、めっきり書かなくなって以降で、何かの弾みで単発で書いたものもだいたいそれくらいだしね。

ともあれ、書きたいことのストックは山ほどあるから、しばらくはノリノリでキーボードを叩いていこう。
(1687字)

君腐りたまふことなかれ

2011年5月31日

あゝいもうとよ、君を泣く
君腐りたまふことなかれ
末に生まれし君なれば
親のなさけはまさりしも
親はGペンにぎらせて
801を描けとをしへしや
ホモを刷って売れよとて
二十四までをそだてしや
櫻ヶ丘のまちなかの
サラリーマンのむすめにて
親の期待を背負うなら
君腐りたまふことなかれ
テニプリ人気がほろぶとも
ほろびずとても何事ぞ
君は知らじな、ヘタリアの
歴史の流れになかりけり
君腐りたまふことなかれ
コミケの神は戰ひに
おほみづからは出でまさね
汗とインクの血を流し
腐女子の道に死ねよとは
腐るを女子のほまれとは
いばらの道の深ければ
覚悟も決めず流されむ
あゝいもうとよ、戰ひに
君腐りたまふことなかれ
すぎにし秋を父ぎみに
おくれたまへる母ぎみは
なげきの中にいたましく
わが子を召され、家を守(も)り
安しと聞ける大御代も
母のしら髮はまさりぬる
君かわいさに声かけて
付き合いはじめた恋人を
君わするるや、思へるや
夏も待たずに放置され
嘆くこころを思ひみよ
この世ひとりの君ならで
あゝ三次元に戻るべき
君腐りたまふことなかれ

参考

「君死にたまふことなかれ」與謝野晶子
君腐りたまふことなかれ – Twitter

fitbitを個人輸入してみた

2011年3月6日


fitbitが欲しい人を集めて共同購入したので、後に使う人の参考になればと思ってメモしておく。
(関連記事:ソーシャル時代の歩数計『fitbit』を使ってみた

ちなみに、今のところ米国内しか配送先を指定できないので、

  • 米国内の転送業者を使って転送用アドレスを準備
  • Amazon.comで注文・決済。転送用アドレスに発送
  • 転送業者で受け取ってもらい、日本に転送

という流れになる。

注意
fitbitは電波法で定められた技術基準適合証明の審査を通っていないため、免許を取得せず日本国内で電源を入れること(=電波発信すること)は電波法違反となるおそれがあります。詳しくは最寄りの総合通信局へ問い合わせて下さい。

参考リンク

1年前、私が買ったときはfitbitの公式サイト(http://www.fitbit.com/)のみでの販売で、どういうわけか決済方法が米国内で発行されたクレジットカードに限られていて不便だった。しかし最近Amazon.comで注文できるようになったので、決済については制限を気にしなくてよい。

事前準備

まずはクレジットカードを用意。Amazon.comの支払いにはクレジットカード、米国小切手、ギフトカードのいずれかしか使えないので、クレジットカードがほぼ唯一の選択肢になる。
次に、転送業者と契約して米国内の転送用アドレスを用意する。今回私が利用したのはスピアネットの転送サービス。会員登録するとすぐに自動送信メールで専用の転送用アドレスが発行された。初期費用やアドレスの維持に特に費用はいらないようだ。

注文

こちらから注文。支払い方法はクレジットカード、配送先は転送用アドレスを指定する。
http://www.amazon.com/Fitbit-Wireless-Personal-Trainer-fitbit/dp/B0031P3HY2/

配送開始後

Amazon.comから発送連絡が来たら、注文した内容と発送された荷物のトラッキング番号を転送業者に伝える。
転送用アドレスに商品が到着すると、転送業者から到着連絡と請求金額の連絡が来るので支払う。
荷物が日本に到着し、無事税関を通過したら宅配屋さん(配送が日通なら日通の人が、EMSやPMIなどのUSPSサービスなら日本郵便の人が)が届けてくれる。その際、引き替えに税金と通関手数料を支払う。

到着後の姿。税関で開封されて課税通知書やら伝票やら識別シールやらが張られていてなかなか汚い感じ。長い旅をしてきた貫禄がある。

かかった時間

注文から
の日数
時刻 記録 場所
0d 2/22(火) 16:35 Amazon.comで注文
1d 2/23(水) 22:36 Amazon.comから発送連絡メール
2d 2/24(木) 15:05 ONTRAC配送開始 カリフォルニア州
サンノゼ
2.5d 2/25(金) 04:00 ONTRAC配送完了 カリフォルニア州
サンリアンドロ
2.5d 2/25(金) 06:54 転送業者から到着連絡メール
2.5d 2/25(金) 08:31 転送業者の決済完了
3d 2/25(金) 12:52 USPS配送開始
3.5d 2/26(土) 01:00 USPS Airport Mail Centerを通過 カリフォルニア州
サンフランシスコ
3.5d 2/26(土) 10:00 転送業者の発送完了メール
5d 2/27(日) 21:53 日本郵便 東京国際支店に到着 東京都江東区
9d 3/03(木) 13:43 通関手続き終了
日本郵便 東京国際支店から発送
9.5d 3/04(金) 10:36 指定の配送先到着 東京都某所

サンノゼの近所にある転送業者を選んだことと、手続きのタイミングがよかったこともあってわりと早く到着した。

かかった費用

買いたい人が6人集まったので、6個注文した。

項目名 金額(USD) 金額(JPY) 通貨レート
(USDJPY)
Amazon.comへの支払 $600.76 \51,913 \86.413(2/23)
  本体価格 $594.00 \51,329
米国内送料 $6.76 \584
転送業者への支払 $57.40 \4,781 \83.302(2/26)
転送手数料 $7.00
EMS送料 $45.40
郵便局事務手数料 $5.00
日本郵便への支払 \1,500
関税 \0
消費税 \1,300
通関手数料 \200
合計 \58,194

(一人あたり9699円)

Amazon.comへの支払
送料にはいくつかバリエーションがある。

  • One-Day Shipping(1営業日)
  • Two-Day Shipping(2営業日)
  • Standard Shipping(3~5営業日)
  • Super Saver Shipping(5~8営業日)

今回はStandard Shippingで配送した。もし急ぎでなくて金額を節約したい場合は「Super Saver Shipping」を選んで送料無料にできる。
転送業者への支払
転送業者はたくさんあって価格体系もそれぞれ違うので、ぐぐったりしながら比較検討するとよい。今回私が使ったスピアネットは一定の大きさまでは一律手数料$7だった。
日本への配送方法はいくつか種類があり、スピアネットでは日通・EMS・PMIの3種類から選べる。EMSがもっとも高いが、到着が早いのと、日通では共同購入による通関が認められないらしいのでEMSを選択した。
日本郵便への支払
正確には税関への支払い(日本郵便が宅配時に代行)。
関税は財務省の実行関税率表の最新版を参照すること。歩数計は第18部の第90類の中にある「積算回転計、生産量計、タクシーメーター、走行距離計、歩数計その他これらに類する物品」にあたる。税率は0%。
消費税は商品価格の60%を原価とみなして、それに対して5%がかかるらしい。ただ、実際に添付されてきた課税通知書の明細をみても辻褄の合わない金額と税率が書かれていて仕組みがよく分からなかった。
通関手数料は小包1個につき一律200円かかる。

関連

ソーシャル時代の歩数計『fitbit』を使ってみた

ソーシャル時代の歩数計『fitbit』を使ってみた

2011年2月6日

fitbitを使い始めて10ヶ月ほどが経ったので雑感などを書いてみる。
fitbit
Fitbit
http://www.fitbit.com/
「歩数を日々記録し、後でまとめて確認する」という使い方において、これほど便利で最適化されたガジェットはない。なんだか紙の手帳を持ち歩いていた私がEvernoteに出会ったときの衝撃と同じものを感じた。

本体形状

fitbit
(親指ほどの大きさ)

大きさは親指ほどで細長いクリップ状をしている。一見して万歩計には見えないし、色も黒いので存在そのものがあまり目立たない。一般的な歩数計ってどうしても大きな画面と付けづらい形状で、いかにも「私はいま歩数を記録してます!」というゴツゴツ感が感じられてしまうんだよね。でもこれは付けてるのが外から見てあまり分からないし、付けてる本人もあまり意識することがない。本体のボタンを押せばLEDの光が表面に浮き出てしっかり歩数を確認できるし、ボタンは1つだけなので操作に困ることはない。(ボタンを押すごとに歩数→歩行距離→消費カロリー→達成ペースを示す花、と表示が変わる)

使い方

fitbit
(サイトにアクセスすれば履歴が見られる)

歩数は無線で自動的にfitbitのサーバに送られ、過去の記録はWebでいつでも確認できる。歩数だけでなく大まかな消費カロリーも見られるし、あとからWebの編集画面で「2時間サイクリングした」とかの情報を加えて消費カロリーの精度を高めることもできる。
ちなみに、アカウントは購入時に一度サインアップすれば無料で使い続けられる。
ほかにもWebから追加情報を入力できる。たとえば今日食べたもの(チーズバーガー1個とコーラMサイズ、とか)を記録すれば自動で摂取カロリーを計算してくれる。体重を入力すれば推移をグラフ化してくれる。運動目標を定めれば到達度を示してくれるし、同じくfitbitのアカウントを持っている友人とその結果を比較したりできる。モバイルサイトもPC向けと同様の機能を持っているのでiPhoneや携帯電話からも手軽に使えるようになっている(とりわけAndroidには「Fitbit Mini」というアプリが用意されている)
ちなみに、私は無精なので歩数の記録しかやっていない。

fitbit
(iPhoneから見たモバイルサイト)

TANITAのカラダスキャンと自動連携してくれたらもっと便利なんだけどなあ。
ちなみに私のデータはこちら。
http://www.fitbit.com/user/22CQDQ

自動連携の仕組み

fitbit
(後ろに見えるのはベースステーション)

充電・通信用のベースステーション(クレードル)が付属している。歩数データは自動的にこのベースステーションに無線で送られる。たとえ衣服に付けたまま数日過ごしてもデータはちゃんと記録されるし自動でWebにアップロードされる。仕組みとしては、ベースステーションはUSBでPCと繋がっていて、PCに常駐しているfitbitアプリが自動的にデータをアップロードするようになっている。なので毎日PCを立ち上げるか、立ち上げっぱなしにしている私のような人との親和性が高い。また、旅行に出かけたりして本体とベースステーションの間で通信ができない状態でも、ある程度は本体でデータを保持してくれる。
充電の頻度は1週間に1回あれば事足りるので、たとえば週末の寝るときなんかにベースステーションにセットするようにしておけば後は何も考えなくてよい。これは便利。

ソーシャル

fitbit
(私の自動Tweetの例)

FacebookやTwitterとの連携機能もある。私はTwitterと連携させているので、日付が変わる頃に「今日の歩数は何歩です」というのがtweetされる。一時期仕事が忙しくて生存確認が取れなくて騒ぎになったことがあるので、一応生存確認用として動作させている。
fitbitのサイトにはソーシャル的な機能もあって、友達のデータを見たり、グループでデータを共有したりできるらしい。まだ知り合いが使っていないのでここんとこはよく分からない。

耐久性

防水性は申し分ない。使っていて一度だけトイレに落としてしまい、念入りに丸洗いしたことがあるが問題なく動作している。私の場合、下着に直接付けるようにしているので常時肌に触れている。つまりずっと汗に晒されているけれど動作不良は起こしていない。さすが生活に密着することを念頭に置いているだけある。
一度クリップがバカになった(クリップの足同士が開きっぱなしのままになってしまう状態)時期があったけどいつの間にか直っていた。原因はよく分からない。
ただ、歩数計の宿命である「落としやすさ」という点はfitbitも克服できていない。クリップ状なので付けやすく外しやすい。つまり、衝撃や衣服の生地の伸び縮みなどで外れてしまいやすい。実際落として焦ったことは何度かあった。去年の夏にしまなみ海道を自転車で走ったときはフェリーの中に落っことして船員さんに自転車で追いかけてもらったし、家具屋さんに行ったときも座っていた椅子に落っことして呼び止めてもらった。一度なんかは駅のホームから線路の上に落っことしてしまい、駅員さんに深夜電車の止まっているときを見計らって確保してもらったこともあった。それだけ落としておきながら今まで無くさなかったのが不思議なくらいだ。

睡眠も記録可能

寝るときは付属のバンドで腕に装着し、睡眠モードに変えれば睡眠時間と眠りの深度を記録してくれる。といっても私はバンドを着けるのが面倒で、睡眠の深度はiPhoneアプリの「Sleep Cycle」を使っているのであまり活用していない。

手に入れるには

公式サイト(http://www.fitbit.com/)のみで購入可能。価格は99ドルなので歩数計にしてはちょっと値段が高い。しかも現状は米国内でしか販売していない(オンライン販売だけど配送先と決済カードは米国内のものしか指定できない)ので、手に入れるには輸入代行業者に頼むなどしないといけない(私の場合、送料と代行手数料含めて15000円ほどかかった)。たぶん無線LANも技適を通していないので厳密には電波法違反になると思う(未確認)。そして最大の問題は供給が全然間に合っていないこと。今はどうか知らないけど、私が買ったときは2010年2月に注文して4月半ばに届くという有様だった。
(2011/03/06追記:現在はAmazon.comのマーケットプレイスでも扱っており、転送サービスを使えば安価な手数料で購入が可能になっている。また、在庫も十分にある模様。詳しい購入方法はこちらの記事にまとめてある)
というわけで、fitbitの共同購入者を募集しています。この記事を書いた時点で3人が購入予定。(2011/03/06追記:共同購入の受付は終了しました。購入方法のノウハウはこちらの記事参照)
フィットネスガジェットはこれから注目されていくだろうし、fitbitのソーシャル機能をもっと使いこなしたいので、もっと輪が広がるといいな。

ほかにfitbitについて言及している記事

日本上陸していないガジェットなので、日本語で扱っている記事は指折り数えるほどしかない。可能性はあるのに知名度がないのが惜しいなあ。
1年待たされたフィットネスガジェット、Fitbitがついに発売開始 – TechCrunch 2009年9月
進化した歩数計『Fitbit』、運動や睡眠を詳細に記録 – Wired Vision 2009年10月
fitbitがやっと届いたのでレポートする – 2010年2月

事前情報無しにまどか☆マギカ 3話を見た人の反応

2011年2月4日

Togetter – 「事前情報無しにまどか☆マギカ 3話を見た人の反応」
http://togetter.com/li/95054
Twitter上で私が「バーガーキングの人」から「まどかマギカ3話の人」になった瞬間。
思い出としてここに書いておく。
24時間以内のRT数 121 (非公式のみ。公式は測定不能)
24時間以内のPV数 3100view

関連

魔法少女まどかマギカ(公式)
http://www.madoka-magica.com/
深夜アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の×××展開がネットで話題! (※ネタバレ注意)
http://2r.ldblog.jp/archives/4017975.html
魔法少女まどか☆マギカのネタバレをするな (※ネタバレ注意)
http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/52424151.html

20101203の読書メモ

2010年12月3日

複眼の映像―私と黒澤明

映画「七人の侍」が好きすぎるあまり購入。黒澤明と共同脚本を務めた橋本忍による回顧録。
七人の侍は「日本剣豪列伝」と「侍の一日」というお蔵入りになった二つの作品を土台として書かれた希有なものだった。何でもない侍が何でもない仕事をし、仕事の失敗のために最後に切腹することになる一日を描く「侍の一日」は、シナリオを書く以前の調査段階で考証資料が不十分ということで取りやめになった。続いて宮本武蔵や塚原卜伝の話を集めたオムニバス企画「日本剣豪列伝」はクライマックスシーンの連続で映画としての起承転結に無理があるためシナリオ段階で消えた。剣豪列伝に出てきた剣豪たちの人物設定を流用し、「かつて戦国時代には百姓たちが侍を雇うことがあった」という歴史的な事実をヒントにして書き上げたのが七人の侍のシナリオだった。剣豪列伝の人物設定が活かされたという部分は「細かい部分までとことん作り込む」という黒澤作品にとってプラスに働いた。著者は他の黒澤作品での成功例・失敗例を多数挙げて何度も何度も主張しているが、人物設定が不十分だと脚本が浮いてしまい良い映画になることはないという。つまり実在の人物を元に調査した裏付けがあり、脚本家の頭の中で人物設定が出来上がっていたからこそ、七人の侍たちはそれぞれのキャラ付けに沿っていきいきと動くことができたのだ。
脚本を書く上での勘所は他にも多数挙げられている。ファーストシーンがイメージできればそれを元に全体のシナリオが書ける。起承転結は絶対に崩さない。シナリオより設定、設定よりテーマが重要。などなど。それらのノウハウは2~3時間のドラマを見る人たちの目を惹きつけ、つかみ、離さないために作り上げられたものだ。何気なく見ている映画がシナリオの技巧に注目してより楽しめるようになった気がする。

据次タカシの憂鬱

「もしハーレムマンガの世界で主人公が異常にネガティブだったら」な四コママンガ。引きこもりでニートだった据次タカシが母ちゃんに「働きなさい!」とボコられて強制的にファミレスのアルバイトに応募させられるところから話が始まる。主人公以外働いているのが全員女性で全員可愛いというところは定石の通りで、毎回勘違いが勘違いを呼んでトラブルに発展というのも定石の通り。しかし主人公があまりにもネガティブなため、勘違い展開の行き着く先が恋愛チックな話にならない(もちろんそういう要素もあるけど)。その代わりに毎回「据次タカシが社会的に認められていく」という成長ストーリーに繋がっている。(主人公は全然成長なんか望んでないんだけど)
例えば外国人のお客さんにクレームを付けられて怯まず対応するタカシに皆は驚くが、実はオンラインゲーム内で外国人ユーザーにカツアゲされるのに慣れてただけとか、旅行先でおじさんたちと中二病的な話で意気投合したが、実はおじさんたちは勤め先のファミレスのスーパーバイザーだったとかそんな話の連続。なんだか端から見れば“運良く”スーパーマンに見えるんだけど本人だけはどこまでもネガティブで、周囲の期待がどんどん高まっていく中で本人だけはそのチャンスを全力で拒否して逃げ回るあたり、よく訓練されたシンジ君だなとしみじみ思うわけです。
ちなみに、タイトルがツッコみどころなのは周知の事実なのでそっとしておいてあげるように。

限界集落温泉

「オールナイトライブ」「銭」で知られる漫画家、鈴木みその最新作。まさにコミックビームらしい、王道を思いっきり外れたテーマ設定や人物設定なのにトータルすると面白いという不思議な世界。
ボロボロで解体寸前の辺鄙な温泉に謎の男がやってきて、温泉を中心に(結果的に)町おこしを始めるという突飛なストーリー。その要素はいかにも現代的でサブカル的。ネットアイドル、ツイッター、ネットオークション、ストリーミング生放送、ブログなどなどを駆使して、謎の男は危ない橋をいくつもいくつも渡りながら企画を成功させてゆく。
そもそも営業してないボロ宿で、立地は山の奥の奥の人里離れた山の中。食べ物ない。飲み物ない。食品営業許可もない。コンビニない。タクシーない。クルマが通れる道がない。電波がない。遊び場ない。借金ばかりで金がない。そんな中でどうやって人を呼ぶのか。何に価値を見いだすのか。どうやって客の心を惹きつけるのか。そんなミッションインポッシブルと、謎の男が薄氷を踏みながら素早い計算とアイデアで解決していく様子がドキドキさせてくれる。町おこしの、商売の、それより、人の能力を集めて活かすための些細なヒントが散りばめられている。

ビリオネアガール

総資産160億。毎日デイトレードで稼ぐ18歳の女の子。その設定だけでもうお腹いっぱいだよね。だがそれがいい。
私の推定生涯年収は3億足らず。ちょっとぐらい夢を見たっていいじゃないか。

アニメのセリフを讃岐弁にしてみるテスト

2010年9月25日

ふと思いついたので。
アニメ以外も若干含まれてるけど。

初級編

「わしの顔を食べまい」
(アンパンマン)
「あんたもう死んどんで」
(北斗の拳)
「えっちなのはあかんと思うわ」
(まほろまてぃっく)
「ごめんなさい。こんな時どんな顔してええか分からんのよ」
「笑(わろ)たらええと思うで」
(エヴァンゲリオン)
「ただの人間に興味ないけんの、この中に宇宙人・未来人・異世界人超能力者がおったら、うちんとこ来ていた。以上」
(涼宮ハルヒの憂鬱)
「やっぱり嘘やったんやん。中に誰っちゃおらんで」
(School Days)
「事件は会議室で起こりょんちゃうで。現場で起っきょんで!」
(踊る大捜査線)
「あんなん飾りや。偉い人にはそれが分からんのや」
(機動戦士ガンダム)

中級編

「やかましわ! ハヤテのほっこたれ! ほっこたれ!」
(ハヤテのごとく!)
「もうやめまいだ!ハガのライフはのおなっとんで!」
(遊戯王)
「ほんでも、きっとお大師さんなら、お大師さんならなんどしてくれるがい」
(スラムダンク)
「左舷、弾幕薄いで、なんしょんな!」
(機動戦士ガンダム)

上級編

「うまげなボートやの」
(School Days放送中止騒動の一コマ)

長ゼリフ編

口語表現が多いと方言化しやすい。
「これが玉座やて?。ここはお墓やで、あんたとウチの。国が滅びたのに王だけ生きとるんやこ滑稽やわ。あんたに石は渡さんで。あんたはここから出ることもできんでウチと死ぬんや。今は、ラピュタがなんでのうなったかウチ良うわかる。塩江の谷の歌にあるんや。土に根をおろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春を歌おう。どなんきょうとい武器を持っても、よっけ可愛そうなロボットを操っても、土から離れては生きられんのや!」
(天空の城ラピュタ)
「落ち着いとんで。こなん頭が巡っとんじゃけんの。あんたはヨイツのことを前から知っとったな。やろな。ほやろな。あんたはウチと出会うた時からそれを知っとった。ほなら色々説明がつく。あんたは哀れで可愛い子羊が好っきゃけんの。なんも知らんでとっくに滅びた故郷に帰りたいなどと言うとったウチはどなんやった? 間抜けで可愛かったやろ。哀れで愛しかったやろ。ほやけん我が儘を許して優しうしてくれたんやろ。琴平から勝手に帰れと言うたんは、もうええ加減、たったからなん? ウチは独りになってもうた。ウチの帰りを待ってくれる者はどこっちゃおらん。ウチはほんまに独りになってもうた。…あんたはウチのなんや。いや、ウチはあんたのなんや。いやや。もう一人は嫌や」
(アニメ版「狼と香辛料II」)
「あたしはなっ、楽しそにしとる人を見よるだけで楽しいんやっ。自分の作ったご飯を美味しそうにぱくぱく食べてくれとる人とか、幸せそうにしとる全然知らん人とかを眺めとるのがあたしは好きなんやっ。うん、ほやけんあたしはハルにゃんを見とるとえろう幸せな気分になるわっ。ほやて、ほやから解んないけど、がいに楽しそやん!」
「そこに混ざろうとは思わんのですか。見とるだけやと寂しないんですか?」
「うーん、あたしはな、映画とか見てがいにおもっしょいとかよう思うけど、ほやからて映画作ろうとは思わなんのやな。観とるだけで充分なんやっ。ワールドシリーズやスーパーボウルやって観戦するんはがいに気分よう応援できるけど、うわーっあたしもアレやりたいっ!とか言うて混ざってプレイしようとは思わんのや。あの人たちはえらいがんばってあすこにおるんやなって、ほんだけで気持ちええんや。だいたいあたしには向いてないんよ!ほんならあたしは自分に出来る別のことをするわ!」
「ある意味でハルヒとは対極の思想やな。あいつはおもっしょそうなものには例外なく首を突っ込み、何が何でも自分でやってまおうとする奴だから」
「それと同じっ。あたしはみくるもハルにゃんも有希っこも古泉くんもキョンくんも見てておもっしょいんや!みんながなんかやってるんを眺めとんのが好き!ほんでから、そんなみんなを横で見とる自分も好きなんや!ほやけんあたしは自分の立場が気に入ってるんや。きっとハルにゃんも解っとんやと思うで。あたしを強引に引っ張り込もうとせんもんな。まんでがんで五人、その数がいっちゃんまとまっとんやな。この世のすべてのことを考えて答えを出すのはムリムリっ。あたしは自分で手一杯、やからなっ?」
(涼宮ハルヒの陰謀)

20100818の読書メモ

2010年8月18日

星川銀座四丁目

私が熱狂的に大好きな漫画家の一人。玄鉄絢(くろがねけん)の最新作。柔らかいタッチの絵とニヤリとさせる粋なストーリー展開、それからセリフ使いの巧みさが魅力。もともと18禁のマンガを描いている人なんだけど、4年前に出た前作「少女セクト」はエロマンガというカテゴリでくくってしまうのが勿体ないくらいに素晴らしいのです。で、18禁じゃなくしてエロ要素を取り除いたらどうなるのかなとこのマンガを読んでみたら、やっぱり素晴らしい。女の子2人の生活が映画で撮ったかのように綺麗に流れてゆく。
話の内容は百合でロリ。ひらたく言ってしまえば何なのこの変態って話なんですが、小学校の先生が不登校の教え子を引き取って同居してて、2人の心はだんだん近づいていくというストーリー。とはいえ、相手は同性でしかも13歳年下の小学生(って言っても先生と同い年に思えるくらいに大人びてるんだけど)ということに苦悩するところが効果的に描かれてて、繊細な問題を丁寧に掘り起こして組み立てている。そこが素晴らしい。もともと私は百合ものに興味があるわけではないんだけど、この人の百合ものは大好きだ。

雷撃☆SSガール

一言で言うなら「ザ・マネーゲーム」な小説。主人公が女の子と出会い会社をどんどん大きくしていき、やがてはファンドを立ち上げて巨大なマネーゲームをしていくというお話。ライトノベルかと思いきや立派な経済小説(狼と香辛料も同じ方向性)。ストーリーを現実とリンクさせていて、なんかよくわからんけどフィクションなのに奇妙な説得力があるのが特徴。ITバブルやリーマンショックといった現実の話がそのままの時系列で出てくる。日本郵政とか実名で登場するし。で、話の根幹は陰謀論につながっていて世界を裏で動かしているブランフォート財団をぶっつぶすという目的のために主人公たちはマネーゲームで資産をどんどん巨大化させていく。作者が経営者らしく、小さな会社をどんどん大きくしていく場面はとても現実感があって面白い(特に1巻)。後半3分の2は話が壮大すぎて現実離れしていてよく分からない。真面目に読むと内閣情報調査室が社内に潜り込んでたり突然ロシア軍の部隊が命を助けてくれたりとか「ねーよwww」の連続だけど、終始エキサイティングで退屈しないことは保証したい。

モチベーション3.0

人は仕事をするとき、アメとムチのような外発的動機より「楽しい」とか「認められる」とかの内発的な動機の方が効果が高い場合があるよ、というお話。かつて労働者といえば工場労働者のようなブルーワーカーが多くを占めてた時代に作られたアメとムチの報酬体系。でも単純作業ではない頭脳労働ではアメとムチの報酬体系ではモチベーションを下げたり、せっかくの能力を生かせなかったりするということがある。というわけで今の時代の働き方には内発的動機を使った仕事の仕方が合っているというのが結論。Googleでやってる「20%ルール」とかの内発的動機でやる気を出すようなしくみが例として挙げられている。とりあえず考え方は分かった。でも実践するのって難しいね。思ったのは、これって極めると年功序列賃金に近くなるんじゃないないかと。個々人の能力が即給与に反映される(成果報酬制)んじゃなくて「憂い無く働けるだけの金額を支給する」という考え方で給与体系を決めると、ライフステージや家族構成によって出費額が違うから支給額もそこに合わせられて、つまりなんちゃら手当でゴテゴテ固められてる現状と同じになるね! と思ったのです。あと、残業代が支給されることが念頭に置かれてある日本の大企業みたいなところでは、恣意的に残業を増やして一時的な稼ぎを増やす裏技が使えなくなったりとかw

もやしもん

今さらながら全巻まとめ読み(9巻まで既刊)。おっさんは読め! もう一度言う。おっさんは読め! 菌がテーマなだけあって発酵食品が目白押し。ビール、ワイン、納豆、チーズ、鰹節、味噌、ヨーグルト、泡盛、どぶろく、日本酒、マッコリ、キビヤック、ホンオフェ、シュールストレミング、ほーら腹が減ってきた。発酵食品のうまさが分かるのはおっさんの特権。後半は話が脱線気味で菌が関係なくなってきているけど美味しい食べ物さえ出てくれば文句は言わないよ。ところでストーリー中に唐突にゴスをロリったり、801ったり百合ったりと奇妙なサービスカットを織り交ぜてくるのは何とかならんものか。

四国ロングライド2010

2010年8月16日

四国を3日間かけて自転車で走った記録。
8/7(土) 尾道~今治(90.46km)
8/8(日) 今治~高松~小豆島(134.54km)
8/9(月) 小豆島(60km)
走行距離 285km
走行時間 14時間54分

出発~1日目・しまなみ海道

https://www.alltrails.com/explore/recording/1–2195
8/6(金) 21時、@u1@jacopenと共に新宿から出る夜行バスに乗って出発。
そして私の片手にはこの大きな荷物。もちろん中身は自転車。手と肩が疲れるったらありゃしない。

予定では自転車を宅配便で送るはずだったのだが、発注していたバイクバッグの到着が遅れ(税関に止められたらしい)て受け取れたのが出発4時間前。というわけで無理やり夜行バスに乗せることになった。
とは言えこんな巨大な荷物を簡単に載せてくれるわけがない。「ダメですか?」「ダメだねえ」とかやりとりしながら何とかお願いし、係員さんの努力の結果ぎりぎりスペースを空けてもらえた。多少無理な入れ方をしながらぎゅうぎゅう押し込んで、最後にトランクは何とか閉まった。係員さん数人がかりで、しかも定刻を過ぎて出発したので申し訳ない事この上ない。

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