机は広い方がいいという話

2017年12月24日

今年買ってよかったものAdvent Calendar 24日目の記事です。
今年買った物で生活が劇的に変わったものがこれです。
IKEA BEKANT
http://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/S59022793/


別にイケアである必要もなくて、価格が安すぎず、作りのしっかりした、そして広い机であれば何でも良いのです。(むしろイケアは表面加工が防滴仕様ではないっぽいのでオススメしない)
どういうふうに生活が変わかというと、机の上に資料をどっさり置いたときとか、ものの整理するときとか、買った物の写真を撮るときとかのワークスペースとして、おおよそ考えられるストレスから解放される点です。
よりシンプルでコンパクトな生活を目指す最近の風潮とは反するかもしれませんが、机はモノではなくスペースです。作業場所は広いに越したことは無いです。PCに詳しい人なら、CPUの性能を上げるよりメモリを増やす方がコストパフォーマンスが高いと言うとよく分かると思います。
部屋が狭くてもいいので、机は持て余すくらい広いものを買いましょう、というのがこの記事で主張したいポイントです。

どのような環境で使っているか

我が家はひとり暮らしの1Kマンションで、部屋の広さは6畳程度。とても狭いです。狭いので今までは120cm×60cmの4本脚の机(大昔に買ったイケア)とアーロンチェアを使っていました。しかしこの環境だとストレスに感じる点がいくつかありました。まず4本脚なので、椅子を引いたりターンさせたりする場面で自分の足に当たってしまうことがありました。次に、机の上にものを置いたときに狭いので、肘で倒してしまったり、書類の山を崩してしまったりすることがありました。それからこれは椅子の話なのですが、どうも回転機能・キャスター機能付きの椅子が自分には合っていないようで、カフェなどにあるシンプルな椅子の方が作業が捗るということがありました。
そこで以下のように環境を変えました。
・机の広さを120cm×60cmから180cm×90cmに拡大
・机の脚を4本脚から2本脚タイプに変更

それから椅子も。
・アーロンチェアをやめてベンチ式の椅子に変更

机が6畳に対して大きすぎないか、と思われるかもしれませんが、PCに向かう時間のことを考えるとこれくらい確保した方がQoLは上がると思います。小難しくいうと、机の面積が生み出す限界効用は机がスペースを占有することで失う限界損失を上回っていると思います。
高さ調整機能がついているので、私は高さ67.5cmにして使っています。

椅子について

ベンチ式の椅子はローテーブルを使用しています。
EMOOR WALKA 折りたたみテーブル
http://www.emoor.jp/fs/emoor/table/az-ewt002


足置きもローテーブル。
山善 STR-50L(FBR)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0056WWAEQ?tag=yagi-22


高さ35cmであれば形は何でも良いですし、折りたたみ式でなくても構いません。たまたまうちに手頃な物があったので活用しているだけです。
背もたれがなくなったことでダラダラ作業が減りましたし、私はもたれるものが無いと背筋を伸ばすタイプなので背筋も伸びました。また、椅子が固定になることで体制の自由度が広がりました。例えばあぐらを無理なくかけるようになりました。アーロンチェアであぐらをかくと少し無理があるし姿勢も悪くなるので自重していたのですが、そうしたストレスからも解放され、好きなときに好きな体勢をとることができます。もしかすると私には畳生活の方が向いているのかもしれません。

掃除について

机が広くなることで埃が堆積する面積が増えます。これはデメリットだと思います。クイックルワイパーなどを活用して対処するしかありません。

まとめ

半分くらい椅子の話になってしまいましたが、広い机はストレスを低減させます。皆様も持て余すくらいに広い机を導入されてはいかがでしょうか。

2017年に買ってよかったもの

おまけですが、手短に紹介します。

ASUS Zenpad 3 8.0 Z581KL-BK32S4
読書タブレットその1。Nexus7の後継として購入しました。画面比が4:3なので読書をするのに快適です。もう16:9とか使えません。

東芝 dynaPad S92/T
読書タブレットその2。リース品と思われる中古美品が格安で秋葉原に大量在庫されていたので購入。非力ですが軽さと画面の大きさ(12型)を両立させたタブレットはiPad Pro 12.9″とこれ以外に見当たりません。雑誌を読むにはこれくらい大きくないと苦しいです。

Fitbit Alta HR
運動量計。24時間装着しています。睡眠時間の記録を完全自動でやってくれて精度も高いので重宝しています。

MikroTik (RouterBoard) hAP ac
SOHO用無線LANルータ。自宅VPNサーバをWindows Serverからルータに移行するために導入しました。日本語マニュアルがありませんが、設定が柔軟にできるところが気に入っています。技適マークの付いている正規代理店で買いましょう。

FINsix Dart
汎用ACアダプタ。劇的なコンパクトさです。VAIO Z Canvasの純正アダプタが重くて使ってられないのでこちらに置き換えました。サポート対象のPCはよく確認して使いましょう。

楽天の携帯事業参入について状況整理と予測

2017年12月14日

楽天が携帯電話サービス事業に参入することが発表されました。これについて現状の整理と、今後どうなるかを公開資料から読み取ってみたいと思います。数字のない部分は全部推測です。

参入スケジュールについて

楽天のプレスリリースによればサービス開始予定は2019年中です。今回確定しているのは総務省が1.7GHz帯/3.4GHz帯の割り当てを受け付ける際、楽天が新会社を設立して申請を行うところまでです。実際に割り当てられるかは総務省による決定によります。しかし名乗りを上げるということはそれなりに見込みがあるのでしょう。1.7GHz帯/3.4GHz帯の割り当ては2017年度末までを目処としているので、それに向けて審査期間などを逆算するなら事業計画などを含めて今後1〜2ヶ月のうちに申請を行う必要があります(総務省の受付期間は未開始・未定)。事業計画の大枠は楽天のプレスリリースの通りになるでしょうが、具体的な数字についてはまだ分かりません。特に1.7GHz帯はまだ立ち退きが終了していないため、終了促進措置を含めて数字を合わせる必要があり、既存事業者と総務省とである程度呼吸を合わせないといけません。これは邪推ですが、もしかしたら既に何らかの示し合わせがあっての申請かもしれません。

1.7GHz帯/3.4GHz帯の割り当ての背景について

現在日本の携帯電話事業は大手3社とそのグループによる寡占状態となっています。総務省はこれを良くない状態と考えています。過去に周波数割り当てを行った時はイー・モバイル(現ソフトバンク)やアイピーモバイル(参入断念)等の新規参入がありました。総務省は大手3社以外の新規参入事業者に対して制度上様々な便宜を図ってきましたが、現在はすべての新規参入事業者が大手3社のいずれかに吸収されるという状態になっています。特にプラチナバンドと言われる700/900MHz帯の割り当てに際しては、イー・モバイルへの割り当て決定後にソフトバンクグループに買収されたために、割り当てが結果的に公正にならなかったという批判を受ける事態となりました。総務省はこれを教訓として、4G用周波数では周波数を一体運用する企業グループからの複数申請を認めないなどの対策を導入しています。これで他業種から新規参入しようとする企業が周波数割り当てを受ける環境が整ったと言えます。

最大残高6,000億円の資金調達について

楽天のプレスリリースでは、資金調達残高は2019年のサービス開始時で約2,000億円、2025年で最大6,000億円とあります。単純な比較だとイー・モバイルの当初の資金調達額は3,600億円なので、2,000億円はこの6割程度です。イー・アクセスの決算資料によると2009年3月末(サービス開始から2年時点)の有利子負債残高が1,038.9億円、2010年9月の有利子負債残高が2,766.8億円(このあたりがピーク?)とありますので、残高2,000億円はこの間くらいになります。当時のイー・モバイルの親会社イー・アクセスと比べて楽天本体の事業規模は相当大きいですので、スタート時は大規模な資金調達で集中的な設備投資を行うものと推測できます。比較する対象が違う話ですが、NTTドコモ(7,500万人)の年間設備投資額はコンスタントに6,000億円、イー・モバイルのピーク時(2006年度)の年間設備投資額が1,000億円程度です。時期未定ながら契約者1500万人という数字を挙げつつ最大負債残高6,000億円はずいぶん控えめのように思えますが、このあたりはひとまずぶち上げただけかもしれません。

楽天にとって通信事業の荷は重そう

楽天の事業の柱となっているEコマース事業やカード事業と比べて、通信事業はかなり重く大きい事業になります。最初の数年は莫大な赤字を流し、他事業で支えることになるでしょう。このようなドメスティックで泥臭い事業は、本来なら楽天としては銀行業のように買収によってショートカットしたかったことでしょう。楽天は過去にも楽天スーパーWiFi(イー・モバイルとの協業)や楽天モバイル(MVNO)、Viber(IP電話)、フュージョン・コミュニケーションズ(長距離通信)など間接的に通信事業に参入しています。しかし事業売却が容易なそれら事業と比べて、MNO事業は公益性が高く機動性に欠ける巨大ビジネスとなります。グループ経済圏を拡大して売上高の嵩増しができる・月次の売上が安定するというメリットはありますが、反面で通信事業者として各種規制の対象になり、もし事業失敗しても周波数割り当ての経緯上ほかの通信事業者による救済も期待できません(イー・モバイルの二の舞になり総務省のメンツが許さないでしょう)。ずいぶんと大きなリスクを取りに行ったなと思います。
完全に憶測ですが、外国系企業が参入しようとしたのを総務省が察知して、対抗のために渋る楽天を説得して参入させたとかだったら面白いなーなんて仲間内で話しています。

ユーザにとってのメリットは

個人的には、解約周りなどのオペレーションで特に評判の悪い楽天モバイルという印象があるので、行儀の悪い通信事業者がまた一社増えたなーという感じです。ユーザメリットは特にないと思います。初めこそ安くシンプルな価格体系だったイー・モバイルやUQコミュニケーションズも現在では大手3社と大差ありませんので、同じような結末を辿るでしょう。

サービス展開について

イー・モバイルやUQコミュニケーションズのサービス展開シナリオが参考になります。まずは費用対効果の高い東名阪の人口密集地と東海道新幹線沿線を埋め、続いて地方都市とJR幹線沿いに広げていく流れです。大手キャリアほどの体力はないでしょうし周波数帯も高いものを使用しているので、山間部の整備は永遠にされないと思います(総務省は許さないでしょうが)。あるいは過去のツーカーグループのように東名阪だけを整備して後は他社のローミングを使うという方法も考えられます。今後プラチナバンドと呼ばれる700MHz帯/900MHz帯あたりがまた再編されることがあれば山間部カバーも現実的になりますが、再編したばかりですし空く予定もないので期待薄でしょう。

ショップ展開について

大手3社は全国に代理店網を持っているため、対抗上おそらく同様に代理店を整備するかもしれませんが、津々浦々に整備すればするほど費用対効果が下がり間接コストは上がります。量販店レベルにしか店舗を持たないMVNOの考え方で少数に絞った方が安上がりです。ただ、Eコマース事業とのシナジーを狙って小売窓口と一体整備する(イオンモバイルの逆)とか、自前配送会社の足がかりとして一体整備するとかだと勝算があるかもしれません。

楽天モバイルはどうなる

MNO事業があればMVNO事業を持つ意味が薄れますので、今までのように積極的に販売することはなくなるでしょう。ソフトバンクがPHSユーザを巻き取ったように、各種キャンペーンで契約者の移行を促すことになると思います。あるいは既存約款の設定によっては、サービスの卸元をドコモから新MNO会社に強制移行するかもしれません。この場合は全契約者のSIMの差し替えが必要になるのでそれなりの反発が予想されます。eSIMの時代になればこうした問題は解決すると思いますがまだ時間がかかるでしょう。

音声サービスについて

総務省の資料をちゃんと読めてないのですが、周波数割り当ての条件に音声サービス提供が入ってないように見えます。基地局の危機調達上はLTEオンリーだろうがVoLTE有りだろうが大して金額は変わらないとは思いますが、全国の緊急機関(110,119等)との接続や固定電話との相互接続、優先電話、通話料の持分調整などの面倒くさいもろもろが発生すると間接コストが増えます。もしかするとノウハウのあるフュージョン・コミュニケーションズに一本化する算段があるのかもしれませんし、データ通信オンリーにしてViber等のIP電話をセットにする(つまり緊急機関には繋がらない)ことにするという離れ業を使うのかもしれません。なお音声通話以前に、3Gの設備を持たずLTE網だけで参入できる時点でランニングコストはかなり圧縮できるものと推測します。

機種調達について

4G対応機種が今後どのくらいの速度で普及するか分かりませんが、ラインナップは1.7GHz/3.4GHzに対応した機種がグローバルでどのくらい出るかに依存すると思います。この辺りはあまり詳しくありません。

おわりに

以上、部外者がテキトーに分析と予想をしてみました。ツッコミなどありましたら追記していこうと思います。

alexaが使えなかったのでalexaで何がやりたいかまとめる

2017年12月4日

これはAmazon Alexa Advent Calendar 2017の4日目の記事です。

Amazon Echo Dotを発売翌日に入手して意気揚々とセットアップしたものの、USとJPでアカウント結合しているのが良くなかったのか「居住国設定が正しくありません」と言われてうまく動いてくれません。仕方ないのでサポートに連絡したもののなしのつぶて。Alexa Skillsを開発しようとしても、SkillsやLambdaの設定までは行くもののアプリのスキル選択画面に反映されず、これまた断念。
これでは書くことがないので、もし問題が解消されたらこのように動かしたいというユースケースを説明してお茶を濁すことにします。
我が家には既にRaspberry Piで組んだ自作スマートホームシステムがあります。これを司令塔として、今回手に入れたEcho Dotを音声認識トリガーとしてのインターフェースに位置づけます。既存システムにはNFCリーダとHUIS(学習リモコン)とcron(スケジューラ)をトリガーとして動いているので、それにEcho Dotが追加される形になります。

我が家のスマートハウスシステムの図解

HUIS(学習リモコン)

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イラストを描くためのシャープペンについて

2017年12月2日

これはよく使っている文房具を紹介しまくる Advent Calendar 2017の2日目の記事です。

イラストを描くようになって3年が過ぎました。はじめは手持ちの適当なシャープペンを使っていたのですが、日々のコンディションの高低がペンに左右されているような気がして(おそらく気のせいですが)、ちゃんとしたペンを買おうと思ったのが去年の年末のことです。
現在は製図用のシャープペン「Pentel GRAPH1000」を使っています。太さは0.5mmと0.3mmの2本。価格は1000円とお高めですが、重心が低くて持ちやすく、ペン先が細いので見通しが良く重宝しています。

はじめは0.5mmの2Bを使っていたのですが、精密なものを描くにはより細いバリエーションが必要になり0.3mmのBを買い足しました。その後0.3mmも2Bで統一して現在に至ります。0.3mmの2Bはあっという間に芯が無くなるので、楽に描ける落書き用途は基本的に0.5mmの2Bです。
イラスト用途に製図用のシャープペンを使うのは一般的ノウハウの一つらしく、中でもできるだけディスコンにならないものを買おうとロングセラーの商品としてこれを選択しました。できるだけディスコンにならないものを使うというのは他のものでも一貫していて、消しゴムは「トンボ鉛筆 MONO」と「トンボ鉛筆 MONO ZERO」、描くのに使う用紙はA4のコピー用紙を使っています。
用紙ははじめは「コクヨ キャンパスノート(スリムB5サイズ)無地」を使っていましたが、ノートである必要が無いことに気づいたので(記録が取れればそれで良い)、先月からコピー用紙に描いてはiPhoneのカメラでEvernoteに取り込み、紙は捨てるという運用になりました。

電子化した本棚のボトルネックとは

2017年12月1日

これは電子書籍 Advent Calendar 2017の1日目の記事です。
本棚の本をすべて自炊で電子化しました。実際には本棚と言うよりは山積みの段ボールに入った本だったのですけど、それがなくなり部屋がすっきりしたところで、ふと思うことがありました。
「これからどうやって本を読もう?」
電子化した本はすべてPDFになりました。購読している有料メルマガなどはメールの他にEPUBでも配信しているので、PDFとEPUBの二種類。これらをどのように読むかという問題が持ち上がったのです。手元にはデスクトップPCと多数のタブレットがあります。E-Ink端末もあります。今まで現物の本を持っていたことで隠れていた「どのデバイスでどのように本を読むか」という問題が、大問題として持ち上がってきたのです。
電子化されることによって、本は画面を用意しなければ読むことができなくなりました。つまり本ごとにバラバラだったサイズや重量が一律に、デバイスのサイズや重量に依存するようになったということです。これは一方で自由度が増したとも言えます。机に向かって読むなら液晶ディスプレイで拡大して読めますし、横になって読むなら小さなタブレットやスマートフォンで読めるようになったのです。
話は自炊から脱線しますが、電子書籍の捉え方が人によって異なる理由の一つに「どのデバイスで読むかの想定が人によって異なる」というのがあると思います。スマートフォンしか持っていない人はスマートフォンという環境に限定されますし、多数のデバイスを持っている人はマルチデバイス環境での読書体験を想定することになり、両者には分断があります。また、プラットフォームの対応デバイスが限定されていれば、読書体験もそれに依存して限定されることになります。
話を戻します。我が家には複数のデバイスがありますので、それぞれ適した場面で適したデバイスを選択して使うことができます。Kindleであれば複数環境でも読み進めたページ情報が連携されるのでシームレスに読書を継続することができますが、KindleではないPDFやEPUBでそれをどうやって実現したら良いでしょうか? 続きは明日以降にしようと思います。