アクセス近況

2008年5月26日

さらしるさんに取り上げられてからメイドロボの記事のアクセスが格段に上がっている。5/23に取り上げられてから2日間でリファラが400件以上来ている。コメントなしでもリンクとタイトルだけでこれだけアクセスが来るとはさすがだ。そのほかのニュースサイトやブログでも取り上げられた。
【時系列順】
すくぅうみうぎ
http://sukumiu.blog99.fc2.com/blog-entry-163.html (5/22 22:59)
Tentative Name.
http://www.mew5.com/
Coin toss
http://dis0615.blog96.fc2.com/blog-entry-395.html (5/23 20:28)
新まったり加奈香の日記
http://kanaka007.bg.cat-v.ne.jp/article/389815.html (5/23 23:01)
一喜一憂
http://ikki1u.exblog.jp/8650827/ (5/24 15:16)
少なくともこの記事がニュースサイトコミュニティに伝播していることは分かるのだが、最初にどういうかたちで拾われたのか非常に気になる。別に普段からこういった内容の記事は書いていないので定期チェックしている一定客層がいるとも思えない。このブログのメインルートは検索エンジンと過去のリンク資産だけなので、新記事に行き当たるなら検索で来たとしか思えない…。「メイドロボ」とかでぐぐったのか!? ああ、このテーマに選ばれたのか。
久しぶりに思いっきり気持ちよく書けた記事なので、やはり自分のホームポジションはこの辺かな、と思う。こういう妄想ばかり書いて日々を暮らしたい。
あと、幅広くリンクが張られて毎日ジワジワとアクセスされているのが日本ユニセフ協会の記事。他のブログの議論を単純にまとめただけなのによく読まれていることからして、まとめ記事は投資効率が良い。ただ、まとめただけでは別に自分がブログを書く意味につながらないので少し悲しいところはある。なのでこの記事も最後に自分なりに総括しているつもりなのだが…なのだが…引用先を見ていると完全に逆の文脈で引用されている。別にユニセフ協会は悪じゃないという結論でまとめているのに、どういうわけかユニセフ叩きのブログばかりからリンクが張られている。ちょっと待てよ! 両論併記してるの読めよ! そういうつもりで書いたんじゃないんだよ!
…まあ、ここでそんなことを叫んでも仕方のないことだけれども。別にユニセフに限らず、最近は寄付・慈善団体がらみで脊髄反射的に批判しまくる人たちが目に付く。批判精神は良いのだが、もう少し冷静になって情報を集めてから意見を言おうよ。
と、ニコニコ動画に一行コメントをつけながら思ったりする。

人工知能とメイドロボ

2008年5月18日

Q.人間が自分たち以外の存在と相互にコンタクトを取れるようになる時代が来たとき、その相手は次のうちどれでしょう?
1.宇宙人(地球外の生命体)
2.動物(地球上の生命体)
3.人工知能
4.神(造物主)
5.その他


私は3の人工知能だと思う。
今のところいい線いってるのが1と2。1は1960年のオズマ計画以来50年近くにわたって電波による探査が続けられている。2も古くからイルカやサルなどの知能に関する研究が行われている。しかし1も2も近いうちに実現するかどうかは定かでない。1は宇宙の時空のスケールからすれば非常に成功確率が低く、2も古くから研究されている割には進みがよくない。一方の3はコンピュータが登場してから研究されるようになった比較的新しいテーマで、コンピュータが歴史の中で異常なスピードで発達していることを考えれば発展余地が大いにある。ただ、どのあたりから「相互にコンタクトがとれる」と判断するかは難しい問題だ。人間の入力パターンを膨大に蓄積すれば客観的に人間と同じような振る舞いをさせることこそできるけれど、はたして自我をもたない入出力装置と「相互コンタクトが取れた」と言えるものだろうか。人工知能がSF世界のように自我や、ほとんど自我のように見えるものを持つためにはその程度では不足で、たぶん1や2に負けないくらいの長い道のりを辿ることになるだろう。
それでも私は、3が一番先に実現すると信じたい。理由は簡単。メイドロボが欲しいからだ。
メイドロボとは何だろう。いま一番メイドロボに近いのはホンダのASIMOだ。しかし、メイドロボはASIMOよりも軽やかに動き、少なくとも人間が出来る行動をすべてカバーする。人間とコミュニケーションできる知能を持ち、人間のように話せる。大きさは人間と同程度で、防水、防火、防塵仕様。動力は人間生活に支障がないくらいに安全で、人間に付いて出かけられるくらいの内部電源が持てる。金属の塊がうろうろしてると不安なので、ぶつかってもダメージにならないように樹脂製の外皮と転倒防止機構は装備。メンテナンスは月一回のヘルスチェックと2年に1回の車検レベル。とりあえずはこんな感じ。で、発売価格と維持コストは高級車レベル以下。
空飛ばしたいとか女の子に似せたいとか、はわわ属性とかドジッ子属性付けたいとかもあるが、キリがないのでそのへんは省略。
まあ、すべてをカタログ値どおりに科学技術で実現する必要はない。極論を言えば人型ロボットにする必要自体ない。オール電化住宅のように全自動で用が足りればいいだけの話で。
人に似せる必要があるのは、人間のお手伝いさんのように細かい要望を伝えて柔軟に対応してもらったり、些細なコミュニケーションをしたりといった「おまけ」部分の話だ。ただ、この「おまけ」が結構重要だったりする。
それなら無理に全自動で動かすことをせずに、人が遠隔操作をするという選択肢もある(これを「コレット方式」と名付けよう)。東南アジアやアフリカの労働力の安い国々にオペレーションセンタを建設して、遠隔でメイドロボを操作してもらうのだ。なるほど「ロボ」という名に相応しい。これなら高価な自律ロボットを24時間稼働させることもなく、必要なときに必要なだけ動かしてもらうことができる。ここまではナイスアイデアだ。しかし問題は言葉の壁、そして人工知能こそ積んでないがそれでも高価なロボ端末を各家庭で維持する必要があるのかということ。結局のところ遠隔操作はメイドロボの頭脳を代用することにしかならず、ロボを動かすことで発生するエネルギーなどの維持コストはそのままだからだ。これなら、直接移民として日本に来て働いてもらった方が早い。遠隔操作が直接労働に優れている部分と言えば、日本に暮らしてもらうよりも人件費が安く抑えられることと、距離が離れているために金目のものをくすねたり等の犯罪インセンティブが働きにくいことと、通信が前提のためにそのままオペレータの操作を監視可能であることだ。これでロボ端末の価格や維持コストがそれなりに低ければ事業として成り立つかも知れない。
いつの間にか、人工知能は安価な労働力で代用可能ということになってしまった。しかしこれはあくまで経済的に考えた場合の話で、倫理的なものや労働力維持にかかるコストは考慮していない。たとえば宇宙探査機を地球との通信が途絶えても稼働可能にするには何らかの意志決定プログラムが必要だし、戦場で安価な労働力だからといって監視人員を大量にウロウロさせるわけにもいかない。忠実で、判断を誤ることがなく、維持にコストがかからず追加・削除も自由な労働力など無い。だから人工知能が必要なのだ。
と、ここまで書いて気がついた。そのとき必要とされる人工知能に自我はいらない。
ドラえもんや鉄腕アトムに代表される「自我をもったロボット」は実現して欲しいが、彼らを実現させるための合理的理由がどうしても見つからない。単なるロマンだけで将来実現できてしまうのだろうか。それとも、ドラえもんや鉄腕アトムは遠隔操作ロボットだったりサイボーグだったりするのだろうか。あるいは…永遠に届かない夢物語なのだろうか。
それでも私は、冒頭の質問の答えに3を選びたい。
理由は簡単。メイドロボが欲しいからだ。

ペプシブルー再び

2008年5月14日


キュウリの次は、青色ペプシ――「ペプシブルーハワイ」登場 – ITmedia

 サントリーは5月13日、炭酸飲料「ペプシ」シリーズの新製品「ペプシブルーハワイ」を6月10日から期間限定販売すると発表した。

伝説の青色飲料「ペプシブルー」が去ってから4年、これほどまでに待ち焦がれた日があっただろうか。「パイナップルとレモン風味の」というのが気になるが、とりあえず、おかえり。ペプシブルー。
近年まれに見る不味さだったアイスキューカンバーのこともあるので、サントリーはもう味は下手にいじらない方が良いと思う。毒々しい青色であればわたしはもう他にいらない。

関連

2004-06-27 発売6日目
2004-07-04 発売13日目

「名寄せ」のあれこれ

2008年5月11日

名寄せ – Wikipedia
社会保険庁の年金記録問題で話題になった「名寄せ」をすることの難しさについて書いてみる。
大量の顧客情報を扱う企業、とくにコンシューマ向けに広くサービスをしている企業では名寄せ処理は頭の痛い問題だ。たとえば銀行では預金保険法による保護の対象は一金融機関あたり一顧客までとされていたり、貸金業などでも与信管理のために同一の顧客情報を正しく引くことが求められる。また、通信業や保険業などでも個人同一名義での大量契約が不正に使われることをおそれて、同一名義の最大契約数について内部ルールを設定してあることがある。このときに名寄せ処理やデータ照合処理が必要になってくる。
名寄せする際、一番のキー情報は「名前」だが、名前ほどアテにならないものはない。たとえば「豊田」は「トヨダ」と「トヨタ」、「東海林」は「トウカイリン」と「ショウジ」など複数の読み方がある。多くの場合は紙の契約書を元にデータ打ち込みをしているので、契約者本人が気分によって変えてしまったものか、別人なのか、正しいのに打ち込み時に間違えたものなのか判別が付かない。また、漢字がよく似た別の字体だったり(「辻」のしんにょう、はしごだか、まゆはま等)、文字が余計に付いたり(「井上」が「井ノ上」に)、略字体が違っていたり(「市ヶ谷」が「市ケ谷」に)する。これも一律にオペレータの間違いと言い切ることもできない。契約時に身分証のコピーなどを取っていれば明らかな間違いは防げるのだが、免許証だとフリガナまでは確認できないし、打ち込む漢字の選択は漢字変換ソフトの性能とオペレータ(あるいは営業担当)のスキルに依存してしまう。一方、ウェブ画面などで申し込みした場合はたいていの場合本人が漢字選択しているので、こうした誤りはある程度防げる。
しかし厄介なのは外国人氏名で、カタカナで入れた場合とアルファベットで入れた場合はもはや判別不能だ。どちらの場合もミドルネームが入っている場合や、姓名のフィールドへの入れ方が異なっている場合は救いようがない。それから、カタカナ入力時も「李」を英語風に「リ」と入れたり現地語風に「イ」と入れたりする場合がある。海の向こうの話だが、アメリカの金融機関では近年イスラム系氏名の取扱が増えて、同じ名前でも複数のアルファベット表記があったり、由来名や尊称が付いていたりして名寄せを難しくしているようだ。
また、法人名もなかなか侮れない。よくある「(株)」を一律に「株式会社」とするかどうかは入力ルールである程度対処できるが、数字と英字なんかが出てくるとややこしくなる。まず数字はアラビア数字と漢数字とローマ数字の違いがあり、そのアラビア数字にも全角と半角の違いがある。まあ、この場合は入力チェックの段階で半角文字と記号をはじくことで対処できる。また、漢数字とアラビア数字の違いはあまり混同することがないだろうし(「センチュリー21」を「センチュリー二十一」とわざわざ書くことはない)、身分証などの受領時に会社登記上の表記を確認するよう徹底できればそこでチェックが出来る。しかし、ローマ数字の2を全角アルファベットのIを使って「II」などと打ち込まれるとさすがにお手上げだ。さらに最近は登記に英字や記号も使えるため、アルファベットの大文字と小文字の間違い(NeXTのようにランダムに混在している場合のミスは多い)やピリオド(.)と中点(・)の取り違えや、中黒の付け忘れの場合もある。それから、株式会社と社名の間にスペースが入っていることも多い。スペースは例えば「総務部 ご担当者」などの区切りに使ったりするので一律に入力不可にはできない。また、勢いあまってスペースを2つ連続で入れている例もある。
そのほか、簡単なところでは「トイザらス」などの仮名混在、思い込みによる入力ミス(「コ“ミニュ”ケーション」「イ“ン”シアティブ」など)がある。
個人名は同姓同名が多いため、生年月日と組み合わせることである程度判別できる。生年月日は身分証でも必ず書かれてある項目なので一致させやすい。ただし、それでも別人はけっこういる。社会保険庁の管理する国民年金の被保険者数は約7000万、NTTドコモの契約数は5300万、ゆうちょ銀行の口座数に至っては1億を超える。ここまでの規模になると氏名と生年月日の組み合わせでも大量の別人が出てくること必至だ。
そこで3つめの項目である住所の登場なのだが、住所はいくらでも書き換えができてしまうので氏名以上に難しい。たとえば「2丁目3番1号 ○○マンション505」を「2-3-1-505」と書けてしまう。また、市町村合併が続いたことで旧名称と新名称の混在があるし、難読な地名は誤入力のもとになる。まあ、このあたりは外部から日本全国の住所情報を買ってきてシステムでマスタ設定することが一般的なので、それだけでだいたいの間違いは防げる。入力時に郵便番号を入力して検索をすれば「○○市○○町○丁目」までは出てくるので、あとは番地と建物名だけを人間が入力するだけだ。ただ、この全国住所情報も問題がたくさんあって、市町村名以下が存在しない住所の問題や、末尾0000系コード、事業者専用コードの存在など挙げるとキリがないのでまた機会があれば書く。ともあれ、マスタ化することで郵便番号の入力間違いがほぼ無くなるため、名寄せのキー情報として使える。
つまり、名寄せをするには氏名、生年月日、郵便番号があればある程度対応可能ということになる。
とは言っても名寄せの完全自動化なんてできるわけがなく、結局は人間が判断するしかない。とくにコンシューマ向けに請求書や領収書を送っているようなところでは名寄せをすると請求情報が統合・合算されてしまうこともあるので、個別に了解をとってから対処するのが普通だろう。また、法人の場合は事業部独立採算などで意図的に請求統合をしていない場合があるので、名寄せする意味はあまりない。
一般的な企業でもこのような問題がある中で、さらに低レベルな入力ミスや安易な一律変換などがなされている社会保険庁のシステムは、名寄せなんてできるわけがない。今やっているように郵便を送って地道に解消していくしか方法が思いつかない。これが解決できるようなシステムをNTTデータや日立製作所が万が一でも現実に作れていたら、おそらくIBMの製品など一瞬で食ってしまうような高度なソリューションになっていただろう。

カネについて

2008年3月24日

カネについて書きたいことを3つほど。

需給の関係と市場原理主義

昨日知り合いと話していて、経済学の話になりました。テーマを平たく言うと「過去最高益とか言っている某投資銀行の稼ぎは不当なものではないのか?」。根拠は「利潤は付加価値を生み出すことによるもの」という経済学の前提の一つです。(正確には付加価値は利潤以外も生み出す)
まあ、落ち着いて考えてみると「価格は需要と供給によって決定される」し、付加価値の元々の意味は生産品と原材料の差額なので、生産コスト云々は後付けの解釈です。(価値の源泉は労働だとしても、労働したから利潤が生まれるとは誰も言ってない)なので、某投資銀行の稼ぎは「結果的に儲けているので、それだけの付加価値を生み出したと解釈すべき」というのが結論になります。
うーん。理論では納得できても、いまいちぴんと来ません。もしかしたら心の奥底に「あいつらウハウハだけど、そんな能力のあるやつらとは思えん」というねたみにも近いエゴイズムがあるからでしょうか。
まあ、実際そうなんですけど。
付加価値とか考え始めるから深みにはまるわけで、たとえば派遣社員で年収200万のAさんとウハウハ業界で年収2億円のBさんを比べて、100倍働いたAさんがBさんと同じになれる理屈はない。会社の業績が悪くて今月から給料が一律1割カットされたCさんがいたとして、別に今月からCさんの労働価値が下がったわけじゃない。結局は需給の関係であって、労働価値とかそのへんは後付けのものでしかないのです。要は、おいしいポジションに行ったもん勝ちです。
これを良いこととみるか、悪いこととみるか。

良くも悪くもカネはカネ

社会人になって一番よく勉強になったのが「カネ」がらみのことです。カネで容易に人は動く。カネの存在は表に出ない。カネは隠すもの。カネは隠しても臭うもの。カネの接し方には礼儀がある。などなど。サラリーマンになってから一番驚いたのが「放っておくと税金がどんどん取られていく」こと。そして一番恐怖を感じたのが「毎月カネが黙ってても入ってくる」ことです。
経済専攻を卒業してから経済について知るという私は皮肉なものですね。経済学は理論だけを考えると痛い目を見ます。基礎は基礎。現実は現実。使い分ければ怖くない。実務的な経済学者の書いた経済学の本はびっくりするほど面白いです。経済統計の意味とか、円高の影響とか、あれほど授業でうんうん唸っていたものが頭にすっと入る。
社会に出るとは、カネを知ることと見つけたり。

カネが人を考えさせる

ロリコンファルで面白い文章が引用されていました。

(人間を描く文芸において)お金の問題をちゃんと描くというのは非常に大事なことです。
特に近代小説においては一番大事といってもいいくらいで、逆に云えば、お金の扱いに
関してゆるい、そこから逃げているというのが日本文学の大きな一つの弱点なのでしょうね。
例えば西欧の近代小説をみていったとき、「ドン・キホーテ」というのが近代小説の
最初だとされていますが、これの一番大きな縦軸というのがお金の世界です。
当時大航海時代になってスペインに新大陸からお金が一杯入ってくる。一種の
バブルのような状態になって、それまで騎士道だとかキリスト教の厳しい信仰で
固まっていたスペイン社会が、お金の力によって古い美徳のようなものがどんどん
汚されていく。全てがお金でやりとりされている世界の中で、お金の価値を信じない、
勇気とか寛容さとかを信じているドン・キホーテが狂気の人として現れる。
やっぱりこれはお金の話ですね。
それ以降も近代小説の歴史というのは、お金に関する小説の歴史で、
もちろん一番分かりやすいのはバルザックだったり、あるいは
ディケンズもそうですね。お金というものがどういう風に人間性を変えていくのか。
逆に云えば、金銭というのは人間の善意や悪意を超えた力を及ぼす。
善意ある人が善意で使ったお金がむしろ悪をなしたり、非常に悪辣で残忍な
人間が貪欲から発した行為をすることによって、全てが上手くいったりする。
そういう人智を超えた魔力を持ったお金ですね。お金自体が独自の生命力を持つ。
バルザックは金銭の神秘的・魔術的力について書くのが本当にうまいですけれども。
これはドストエフスキーとかまでずっとそうです。「罪と罰」も抽象的に考えれば、
生命の尊厳とか倫理とかロシアの大地とかモチーフは色々あるわけですけれども、
やっぱりお金ですね。質屋の婆さんからお金をとってくる。或いはもう一つ
非常に象徴的なのはソーニャ、聖なる娼婦ですね。彼女は娼婦としてお金で
売り買いされる存在で、ソーニャが一番最初に売春婦になる鑑札をもらってきて、
最初の客をとって帰ってきて、テーブルの上に稼いだお金を並べると、彼女の
母親が娘の足に一晩中口づけをしているという話がでてきますが、やっぱり
これもお金の話ですね。ドストエフスキーの世界は「賭博者」もそうですけど、
お金の怖さ、逆らえない恐ろしさをずっと描いている。
或いはフローベールの「ボヴァリー夫人」もそうですね。
(福田和也「贅沢な読書」)

人間の原動力はカネ。人間の弱さをつくのもカネ。ライブドア事件で表舞台から消えたホリエモンは、カネについて考えさせてくれる非常に良い存在でした。私は今でも尊敬しています。
ホリエモンについては機会があればまた書きます。

関連

愛はお金で買えるし、命もお金で買える – 2006年9月の記事

ナプスターに染まる

2008年2月11日

Napster Logo
せっかく最新の携帯電話を持ったのだから、当代最新のモバイルサービスは使うだけ使い倒してやろうと決めましたよ。さっそくiモードからナプスター(Napster)に加入して音楽をダウンロードしまくり。とはいえ、PCの方が使い勝手がよいので携帯よりもPCでダウンロードして使っています。
1曲いくらを気にせずにダウンロードし放題というサービスモデルは画期的。しかしラインナップがヲタ向けではないのが残念なところ。アニソンが非常に少ない。 御託はいいから晴れハレユカイを出せと。I’ve soundやeufoniusを持ってこいと。
まあ、創聖のアクエリオンとかALI Project(ローゼンOPとか)、牧野由依(ARIA OPとか)、レベルのものなら揃っているのでひととおり遊べる。田中理恵(ちょびっツED)が見つかったのは意外。ためしにハルヒで検索したらトランス系のアレンジ曲が多数引っ掛かかった。Caramell(ウッーウッーウマウマ)は残念ながら見つからず。
一度使ってみれば分かるんだけど、PCの中にいっぱいある“友人”からもらったMP3ファイルとか、ニコ動とか、海外のポップスたれ流しネットラジオとか、大量の音楽が自在に聴ける環境に慣れてしまっているので、音楽データを何が何でも手元に保存しておきたいとは思わなくなっちゃったんですね。本当に後生大事にとっておきたい音楽なんてごく一部で、多くは消耗品でしかない。だから今さらCDも買わないし、DRM付き音楽データを一曲ずつ購入したいとも思わない。
一方でナプスターのサービスはDRM付きダウンロード再生 or ストリーミング再生なんだけど、いつでも制限なしに聴けるならストリーミングで十分。ナプスターの概要ページにもある通り、水道の蛇口をひねるように音楽を聴けるのは強いです。蛇口から水が出てくることが分かっているなら、出てくる水をあえて貯めようとは思わない。
Napster screenshot
専用ソフトはなかなか使えるけど、もう少し改善の余地あり。iTunesとどっこいどっこい。
月々1980円というお値段は毎月1枚のアルバムCDを買うペースを考えると絶妙な価格設定。私にとってはちょっと高いけど、携帯に音楽を持ち出せるプレミアムを加味して、携帯電話のオプション料金と考えればギリギリ出せるかなというところ。もう少しラインナップが充実させてくれれば喜んで払うね。
同じようにムービーも定額見放題になればと思うんだけど、映画とかテレビ番組とかアニメとかPVとか、ユーザの消費時間あたりの製作コストが音楽に比べて半端なく高いのでしばらく無理なんじゃないかなと。…ああ、AVあたりなら制作費安いからそこから突破口になるかも。誰かやる人いませんか。

こんにちはFOMA。こんにちはD705iμ

D705iμを使ってみた感想

D705iμすごい。わりと。
10日ほど使ってみて分かったことをいくつか。
ミュージックプレーヤ機能がやたら褒められているけど、やはり着うたフル専用だなという印象。既存音楽をPCからインポートしようとすると使い勝手が悪すぎる。まずwma形式しか使えない。次にインポートにはWMPを通しての同期が必須。そして何より、早送り・巻き戻し機能がショボ過ぎ。40分ほどのネットラジオを詰め込んだものの、リジューム再生ができず、早送りしようとしたものの遅々として進まない。ナプスターを使うつもりがないならこの機能はないと思っていい。
デザインはよくできているが、やはりボタンはクリック感にとぼしい。キーとキーの境目が分かりにくいので押し間違いが多発。特に2ボタンを押そうとしてクリアボタンを押してしまうと悲惨。
不満点はキータッチぐらいで、ほかはおおむね満足。細かい配慮点がたくさんある。ツータッチで指定先に発信。ツータッチで指定先にメール作成。ツータッチで指定したbookmarkにアクセス。ワンタッチで指定のアプリ起動。テンキー長押しで指定の機能起動。右ボタン長押しでICカードロック/ロック解除。キーロックボタンはダブルクリックでも長押しでもOK。キーロックすると電源OFFと同じ状態になり、余計な表示やボタンへの反応もなし。エニーキーアンサー無効化可能。これでポケベル入力に対応していればなあ。

電子マネーに染まる

昨年秋頃からキャッシュレス化に挑戦してまして、極力クレジットカードか電子マネーを使うようにしています。なのでこの携帯電話にもEdyとiDを早速セットアップ。もちろん、ICカードロックは常時かけておくことを忘れずに。
財布を取り出さずに携帯だけで決済完了という便利さは一度やるともう戻れない。アンケート調査では携帯で電子マネー使っている人がほとんどいないにもかかわらず利用規模がある程度あるのは、ごく少数の使っている人たちの依存度がかなり高いからだと思う。
ただ、タクシーで「Edy使えます」と書いていても安心してEdyが使えないので注意が必要だ。タクシーは現金が一番早い。こないだなんか、運転手が機械の使い方が分からなくて会議に遅刻した。まあ、初心者運転手だったというのもあるし、代わりに出した現金が1万円札だったというのもあるのだが。これからは、タクシーで急いでいるときは小銭をきちんと、釣りのないように用意しなければ。あれ? そうしないための電子マネーなんだけど…。
本当は定期券も携帯電話に入れてしまいたいんだけど、「モバイルPASMO」を提供する予定は当面なさそう。残念。

さよならpremini

2008年1月31日

こんにちはFOMA。こんにちはカメラ付き携帯。待ちきれずに発売日に買ってしまいました。

(クリックすると拡大)


購入動機はおサイフケータイが欲しかったからです。去年秋からキャッシュレス計画に挑戦していているんですが、極力クレジットカードや電子マネーを使うようにしていると電子マネーの数だけカードを持ち歩くのが面倒になってきます。これでEdyもiDもポイントカードも携帯1つに。
<良い点>
・素早くキーロックできる
preminiのスライド式ロックも良かったですが、ダブルクリック式ロックもなかなか良い。長押しロックはもたつくので嫌いです。
・直デン機能がある
友達の少ない私としては、登録した5件ならツータッチで発信できるというのは非常に助かります。
・薄くて軽い
82gは今買えるドコモ携帯の中では最軽量。69gのpreminiに慣れてしまうと100g超の一般的な携帯だとズシリ感がしてしまいます。
・端末一括払いができた
3年とか4年に1度しか携帯を買い換えないので大歓迎です。
・ストレート型である
ストレート携帯狂信者を自認する私としては言わずもがな。ポケットからさっと取り出し、ぱっとしまう動作ができる。あと「機械は可動部から壊れる」という定説もあるし。
<悪い点>
・ポケベル入力ができない
代わりに「スロット入力」なるものができるらしいので、試しに慣れてみようかと思います。
今のところ、不満点はあまりないかも。ビバ最新端末。

FOMAに変えたついでに、無意味にパケットパックを付けたり無意味にiチャネルを付けたり無意味にサービスをてんこ盛り契約してみました。試しにしばらくドコモのマーケティングに乗っかってみようかと思います。

参考

2004-07-27 premini買ってもた。 – 旧YAGITCHE
FOMA D705iμ(ミュー) – NTTドコモ
premini – Wikipedia

日本で一番グロソブが売れているのは小豆島

2007年12月12日

別に一番売れていると決まったわけではないのですが。<タイトル
第73回 小さな島で100億円以上の残高?! – 廣澤知子のやさしいマネー講座

瀬戸内海に浮かぶ小島である、香川県小豆島で投信のグロソブ(「グローバル
・ソブリン・オープン」)の預かり残高が100億円突破したというのです。
人口3万2000人。人口対比では日本全体の3倍の「濃度」になるとのこと。
グロソブという投信がどういう商品かというと、
・ 海外(主要先進国)の債券投資
・ 毎月分配
・ 純資産5.5兆円以上の国内最大ファンド
・ もうすぐ設定から10年
といった特徴があげられます。
超低金利が続く日本で、安全性の高格付けの先進国で日本よりずっと高い金利
を享受でき、株式投資型と比べ、安定性が高いこともあり、利息収入が減って
困っていた預貯金中心でいた人々に「投信」というハードルを軽々と越えさせ
た人気商品です。

ちなみにグロソブは一番日本で売れているお化け投信。総資産額も桁違いです。
小豆島には証券会社が1軒しかないのですが、おそらく銀行が売りまくったのでしょう。銀行にとって一番儲かる商品らしいですし。
思いがけなく国際投資家の島として知られてしまった小豆島。注目のポイントは2つあります。
1.高齢者の比率が高い
2.個人資産の行き場がない
小豆島は他の地方と同様に高齢化に向かってものすごい勢いで進んでいるところなんですが、それが住民統計とかの資料でなく経済の数字としてはっきりと現れてきたところに新鮮さを感じました。島という閉じた経済圏で、しかも流入人口が極端に少ないという条件であれば、住民が高齢化すると経済も同じペースで老化していくということが見て取れます。そんな中で売れていく毎月分配型投信。銀行口座に預けていても利息は付かないし、なんだか銀行も海外投資を勧めてくる。よく分からないけれど買ってしまおうかと、そういう流れなんでしょうね。ところでグロソブ以外の商品は売れているのでしょうか? おそらく銀行が勧めない限りは売れないと思います。
銀行が勧めたからという理由だけで100億円以上もはき出してしまうのであれば、あまり「個人投資家」とは言えないような気がします。グロソブを年金の一種か、預金の延長としてしか捉えていない人ばかりならとても「投資家の島」とは言えませんね。今回の話は、安易に売られている投信の現状と個人資産の行き場がないことを示す例の一つと言うだけで、全国の高齢化地域でまったく同じ事が起こっているだけでしょう。

関連

第73回 小さな島で100億円以上の残高?! – 廣澤知子のやさしいマネー講座
グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) – 国際投信投資顧問
小豆島 – Wikipedia