人工知能とメイドロボ

2008年5月18日

Q.人間が自分たち以外の存在と相互にコンタクトを取れるようになる時代が来たとき、その相手は次のうちどれでしょう?
1.宇宙人(地球外の生命体)
2.動物(地球上の生命体)
3.人工知能
4.神(造物主)
5.その他


私は3の人工知能だと思う。
今のところいい線いってるのが1と2。1は1960年のオズマ計画以来50年近くにわたって電波による探査が続けられている。2も古くからイルカやサルなどの知能に関する研究が行われている。しかし1も2も近いうちに実現するかどうかは定かでない。1は宇宙の時空のスケールからすれば非常に成功確率が低く、2も古くから研究されている割には進みがよくない。一方の3はコンピュータが登場してから研究されるようになった比較的新しいテーマで、コンピュータが歴史の中で異常なスピードで発達していることを考えれば発展余地が大いにある。ただ、どのあたりから「相互にコンタクトがとれる」と判断するかは難しい問題だ。人間の入力パターンを膨大に蓄積すれば客観的に人間と同じような振る舞いをさせることこそできるけれど、はたして自我をもたない入出力装置と「相互コンタクトが取れた」と言えるものだろうか。人工知能がSF世界のように自我や、ほとんど自我のように見えるものを持つためにはその程度では不足で、たぶん1や2に負けないくらいの長い道のりを辿ることになるだろう。
それでも私は、3が一番先に実現すると信じたい。理由は簡単。メイドロボが欲しいからだ。
メイドロボとは何だろう。いま一番メイドロボに近いのはホンダのASIMOだ。しかし、メイドロボはASIMOよりも軽やかに動き、少なくとも人間が出来る行動をすべてカバーする。人間とコミュニケーションできる知能を持ち、人間のように話せる。大きさは人間と同程度で、防水、防火、防塵仕様。動力は人間生活に支障がないくらいに安全で、人間に付いて出かけられるくらいの内部電源が持てる。金属の塊がうろうろしてると不安なので、ぶつかってもダメージにならないように樹脂製の外皮と転倒防止機構は装備。メンテナンスは月一回のヘルスチェックと2年に1回の車検レベル。とりあえずはこんな感じ。で、発売価格と維持コストは高級車レベル以下。
空飛ばしたいとか女の子に似せたいとか、はわわ属性とかドジッ子属性付けたいとかもあるが、キリがないのでそのへんは省略。
まあ、すべてをカタログ値どおりに科学技術で実現する必要はない。極論を言えば人型ロボットにする必要自体ない。オール電化住宅のように全自動で用が足りればいいだけの話で。
人に似せる必要があるのは、人間のお手伝いさんのように細かい要望を伝えて柔軟に対応してもらったり、些細なコミュニケーションをしたりといった「おまけ」部分の話だ。ただ、この「おまけ」が結構重要だったりする。
それなら無理に全自動で動かすことをせずに、人が遠隔操作をするという選択肢もある(これを「コレット方式」と名付けよう)。東南アジアやアフリカの労働力の安い国々にオペレーションセンタを建設して、遠隔でメイドロボを操作してもらうのだ。なるほど「ロボ」という名に相応しい。これなら高価な自律ロボットを24時間稼働させることもなく、必要なときに必要なだけ動かしてもらうことができる。ここまではナイスアイデアだ。しかし問題は言葉の壁、そして人工知能こそ積んでないがそれでも高価なロボ端末を各家庭で維持する必要があるのかということ。結局のところ遠隔操作はメイドロボの頭脳を代用することにしかならず、ロボを動かすことで発生するエネルギーなどの維持コストはそのままだからだ。これなら、直接移民として日本に来て働いてもらった方が早い。遠隔操作が直接労働に優れている部分と言えば、日本に暮らしてもらうよりも人件費が安く抑えられることと、距離が離れているために金目のものをくすねたり等の犯罪インセンティブが働きにくいことと、通信が前提のためにそのままオペレータの操作を監視可能であることだ。これでロボ端末の価格や維持コストがそれなりに低ければ事業として成り立つかも知れない。
いつの間にか、人工知能は安価な労働力で代用可能ということになってしまった。しかしこれはあくまで経済的に考えた場合の話で、倫理的なものや労働力維持にかかるコストは考慮していない。たとえば宇宙探査機を地球との通信が途絶えても稼働可能にするには何らかの意志決定プログラムが必要だし、戦場で安価な労働力だからといって監視人員を大量にウロウロさせるわけにもいかない。忠実で、判断を誤ることがなく、維持にコストがかからず追加・削除も自由な労働力など無い。だから人工知能が必要なのだ。
と、ここまで書いて気がついた。そのとき必要とされる人工知能に自我はいらない。
ドラえもんや鉄腕アトムに代表される「自我をもったロボット」は実現して欲しいが、彼らを実現させるための合理的理由がどうしても見つからない。単なるロマンだけで将来実現できてしまうのだろうか。それとも、ドラえもんや鉄腕アトムは遠隔操作ロボットだったりサイボーグだったりするのだろうか。あるいは…永遠に届かない夢物語なのだろうか。
それでも私は、冒頭の質問の答えに3を選びたい。
理由は簡単。メイドロボが欲しいからだ。

One thought on “人工知能とメイドロボ”

  1. 一生懸命、するめをかじりながらこれを読んでしまった・・・。
    何を熱く語るのかと思いきや、理由は単純なとこですね。
    いっそのこと、自分で作ってみてはどでしょうか?・・・って無理ですかねぇ~。
    昔、ドラえもんの映画で自我をもったロボットたちとの戦いが取り上げられていました。自我をもったロボットたちの考えは「無能な人間は排除」といった感じ。幼ながらにこれを見てロボットに恐怖を覚えたのは言うまでもなく。
    便利・豊かというキーワードは嫌いではないが、間違った方向に向かってほしくないですね。
    でも、ドラえもんには憧れてしまいます。矛盾してますね。メイドロボは個人的には興味はないですが、ドラえもんならオッケーですね。ほしいです。喉から手が出るほど(笑)

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