古巣のリニューアルによせて

2011年12月30日

私が学生時代に運営していたウェブサイトがもうすぐリニューアルするらしい。
http://www.tsukunavi.com/
(※現在はリニューアル予定日の1/1へのカウントダウンが表示されている)
ツクナビ 20111214時点のキャプチャ
(2011/12/14時点のキャプチャ)

現行のデザインを作った者としては、それがスクラップされるというのはとても嬉しく、そして少しだけ寂しい。
作ったといっても、当時デザインリニューアルしようというただの言い出しっぺになっただけだ。その延長でプロジェクトメンバを募ってコンセプトデザインをまとめ、ウェブデザインに優れた先輩に原案(Illustratorで作ってもらった)を考えてもらい、それを自分なりにチューニングしてコードに落とし込んだ、というのが実情である。基本構造は当時のプロジェクトメンバの議論の成果だし、この「ツクナビらしさ」のデザインの基礎は先輩が作ったものだ。
しかしリニューアルに至るまで数ヶ月間はこうした画面配置とにらめっこをしていたようなものなので、誰よりもこのデザインに思い入れが深いということは主張しておきたい。
このデザインができたのは私が大学2年か3年かの夏だから、7年ぐらい前のことだ。
ウェブの世界で7年と言えば遠い昔だ。当時はTwitterやFacebookといったSNSもなかったし(スタート間もないmixiの存在を知ったのはこの仲間たちからだ)、Amazon.co.jpやYahoo! Japanも野暮ったいデザインだったし、学生がウェブで集まる場所といえば2ちゃんねるだった。
ウェブ技術的にはJavascriptが嫌われ、HTMLはXMLに統合されると言われていた。テーブルタグを使った固定HTMLが全盛で、(Movable Typeはクールな存在だった)、ブラウザと言えばIE6で(Firefox 0.8とかOpera 7.5は超マイナー)、主要ウェブサイトはURLに携帯電話向けサイトのためのサブディレクトリ(/iとか/j、/ezなど)を用意していた。スマートフォンなんて日本上陸してなかったし、Photoshop派とFireworks派がいたし、アフィリエイトはまだ普及してなくてウェブ広告と言えばクリック報酬型のバナー広告だし、ライブドアといえば無料プロバイダだし、ネットランナーはWinnyの特集をやっていたし、無料メールマガジンはまだ影響力を持っていた。すべて遠い昔の話だ。
現行のデザインはそんな時代に合わせてデザインされた。
テーブルタグを廃したデザインとか、外部スタイルシートを使うとか、横幅800pxに収まるとか(当時の解像度は1024×768が主流)、FirefoxやOperaでも表示が崩れないとか、透過PNGを使うとか、W3Cのテストに通るようなデザインというのは当時としては画期的だった。
そんな今や時代に取り残されたようなデザインを、現代に合わせて今回新しくしようということになったのは素晴らしい。
何よりも、自分たちのいた場所が、7年経ってもこうして残っているのは素敵なことだと思う。
これからどう変わっていくのかを見るのが楽しみだ。

3 thoughts on “古巣のリニューアルによせて”

  1. 姿形は変わっても(変わるからこそ)、変わらない場所がずっと続いていることは感慨深いものですね〜
    #あの夏は、事務所で寝ていられないぐらいに暑かったことはよく覚えています。

  2. 確かにつくし君のデザインに文句言ったことは覚えとる。
    懐かしいね。何せオープンから10年半だからな。
    そりゃ作ってた側も三十路になるわ。

  3. そして昔を懐かしんで出てくる台詞に、自分も爺くさくなったものだなあと気付くのです。

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