これはひどい ひかりTVのスーパー額縁放送

2009-02-15 16:03 | 雑記 | これはひどい ひかりTVのスーパー額縁放送 はコメントを受け付けていません。

光ファイバーを使った衛星放送配信サービス、ひかりTVの額縁放送っぷりがひどい。

額縁放送 – Wikipedia

デジタル放送「額縁問題」を考える

その額縁放送のひどさについて、順を追って説明する。

ひかりTVでHDチャンネルを表示した場合

ひかりTVはHD放送に対応しているので、ひかりTVをハイビジョン対応テレビにつないでハイビジョン番組を見るとフルハイビジョン画質での映像が楽しめる。

少なくともこの時点では映像は劣化しない。

ひかりTVチューナーが配信可能な領域

ひかりTVでSDチャンネルを表示した場合 (75%)

ひかりTV自体はHD放送に対応しているとは言え、HD放送に対応したチャンネルはかなり少ない(テレビ60局中5局、ビデオ配信もごく一部)。そのため、ほとんどの場合はHD非対応のチャンネル(以下、SDチャンネルと言う)をSDサイズで見ることになる。

ここで困ったことが起きる。チューナーは番組がHDサイズで流れていようがSDサイズで流れていようが、HDサイズでテレビに出力する。そのためSDチャンネルは縦横比を維持するために画面の左右がカットされてしまう。結果、左右の両脇に黒縁が付いた状態で表示される。

SDチャンネルが配信可能な領域

SDチャンネルを表示しているが、番組がHD構成だった場合 (56%)

SDチャンネルが放送している番組の中にはSDサイズで作られた番組とHDサイズで作られた番組がある。SDサイズなら何も考えずに流せばいいのだが、HDサイズの場合だとチャンネルに許された表示領域がSDサイズしかないので、縦横比を維持するためにチャンネル側で仕方なく上下カットして流すことになる。

SDチャンネル内のHD番組が表示される領域

つまり、SDチャンネル側で上下カット、ひかりTVチューナー側で左右カットされるため、結果的に上下左右がカットされた状態になる。これを「額縁放送」と言う。

上下カットで25%の面積が失われ、左右カットでさらに25%の面積が失われるため、最終的に表示される面積は56%になる。

SDチャンネルのHD番組で、さらにSDソースが使用されていた場合 (42%)

まさに不幸の申し子のようなSDチャンネルのHD番組だが、さらに不幸が起きる。HDサイズで作られている番組も始めから終わりまですべてHDサイズなわけではない。たとえばBBCニュースだと番組自体はHDサイズで作られているが、現場中継などでは機材の関係でSDサイズの映像になることがある。その場合、番組内で映像の左右がカットされることになる。(このほか、CMもSDサイズのものが多い)

SDチャンネル内のHD番組内でSDソースが表示される領域

つまり、HD番組内で左右カット、SDチャンネル側で上下カット、チューナー側で左右カットされるため、上下左右カット(しかも左右カット割り増し)の状態で見ることになる。これを「スーパー額縁放送」と言う。ここまで来ると表示面積はたったの42%しかない。

SDチャンネルのHD番組内で既に額縁放送になっている場合 (32%)

かなり稀だが、HD番組自体がすでに額縁放送になっている場合がある。たとえばエミレーツ航空のCMの場合、まずCM自体がSDサイズで作られているためBBCの現場中継と同じように番組内で左右がカットされた状態になる。さらに、よりにも寄ってCM内に使われているソースにHDサイズのものが含まれている。つまり、CMの中でさらに上下カットされるのだ。

SDチャンネル内のHD番組内のSDソース内でさらにHDソースが表示される領域

CM内で上下カット、HD番組内で左右カット、SDチャンネル側で上下カット、チューナー側で左右カットされているため、上下左右カットのさらに上下左右カットという「ダブルスーパー額縁放送」になってしまう。

こ れ は ひ ど い 。

ここまで来ると、もはや文字が表示されても何が映っているのか分からない。面積比率で量れば31.6%。実に画面領域の3分の2以上が黒い画面という状態だ。

SDチャンネル内のHD番組内のSDソース内でさらにHDソースが表示される領域 構造

構造を分かりやすくするとこのようになる。額縁の中にさらに額縁がある。

表示イメージ

フルハイビジョンの場合。
表示イメージ(フルハイビジョン)

額縁放送の場合。
表示イメージ(額縁放送)

ダブルスーパー額縁放送の場合。
表示イメージ(ダブルスーパー額縁放送)

不幸は続くよどこまでも

さらに、悲劇はこれだけにとどまらない。上記で説明したのはあくまで「ハイビジョン対応テレビ」で見ている場合の話だ。もしHDサイズでないテレビで見た場合、チューナーから来たHD映像をテレビ側でカットするため、さらに上下の額縁が分厚くなる。

私の場合、ハイビジョン対応テレビを使わずにWUXGA(19:12)のディスプレイを使っているのでこれに当てはまる。ディスプレイ内で11%がカットされるので、ダブルスーパー額縁放送の最終的な面積比率はたった28.2%。せっかく24.3インチの画面で見ているのに、6.8インチ相当の画面領域しか使わないことになる。ひどすぎる。

もしこれがSDサイズのテレビだと23.7%。たとえば15インチのブラウン管テレビでひかりTVを見ている人(まず居ないだろうが)は、3.6インチのテレビで見ているのと同じ状態になる。3.6インチって…今どきお風呂用テレビでも7インチはあるのに。

この額縁放送の問題は簡単には解決しないと思う。映像がすべてHDサイズで統一されるのを気長に待つしかないのだろう。

とはいうものの、改善できるとすれば以下。

1.ひかりTVチューナーがテレビに流す信号を、放送サイズに応じて可変にする。

これに対応することでハイビジョン対応テレビ以外を使っている人が救われる。何しろ、ほとんどのチャンネルがSDサイズであるにも関わらず、チューナーはHDサイズでしか流していないところに問題がある。SDをSDのまま流せば、SDサイズのテレビでは全画面表示ができる。
ただ、チャンネルを変えるたびに信号に含まれるサイズ情報が変わることがテレビにどう影響を与えるのかは私は知らない。

2.HD対応チャンネルを増やす

せっかくハイビジョン対応テレビを使っているのにSDサイズで見ざるを得ないのがよくないので、チャンネル側でHDに移行する。
とは言え、テレビ局にとってHD化の投資はかなり大きいし、スカパーやBSが元々課題にはしているものの未だに解決できていない問題だったりする。

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