ネクストクリック理論

2007年8月14日

勝手にキャッチーな言葉を編み出してみるテスト。
ウェブの世界は基本的に「流し読み」の世界です。次から次へとクリックしてページを開き、膨大な文章の山から面白そうなものだけに目を通す。本のように連続的な世界をゆっくり辿っていくのではなくて、雑誌をぱらぱらと立ち読みするようなイメージ。だから文章が目に入ってはいてもあまり読んだ気にはならないし、一通りネット巡回してからふと「今日は結局何が面白かったんだっけ?」と思い出そうとしても記憶に残っていなかったりします。極端な話ですが。
ウェブの世界は全体として、文章をじっくり読むようにはできていないんですね。
ところが、ウェブの文章でも環境が一つ変わるだけでたちどころにじっくり読んでしまうようになります。それはページの読み込み速度が遅い時です。
私は通勤時間中の電車の中でS01SHを使ってウェブを楽しんだりしてるのですが、PC環境からすればイライラするほどページの読み込みが遅いんですね。WindowsMobileの通信機能がどうしようもなく不安定だったりハードウェア自体の処理限界だったり様々な理由があるわけですが、まあとにかく遅いわけです。
どれくらい遅いかというと、リンクをクリックしてから表示が完了するまでに数秒~十数秒ほど(※)。リンクをクリックするにも判断と覚悟が必要です。さらに調子が悪ければ1分の無応答は当たり前、運が悪いとフリーズします。
(※列車内無線LAN+最高130km/h移動+IE環境の場合。体感値)
このようにリンク一つクリックするのに抵抗感があると、どうしても今見えてる文章をじっくり読もうとしてしまうんですね。そして自然に「ページを開いても有用性がある程度保障されているサイト」しか見なくなります。最近の私の場合、スラドだったり分裂勘違い君劇場だったりGeekなページだったりします。ニュースサイトやネタサイトよりはどちらかというと読み物系サイトです。
つまりこれは本を読むときの感覚と同じなんですね。雑誌のように簡単にとばし読みできないので読む速度が自然に落ちる。それを考えるとハイパーリンクがどれだけ素晴らしいものかがよく分かります。これほど「次のページ」を開くための抵抗感をなくした(つまり「次の情報」に触れるための敷居を下げた)発明はないでしょう。
さて、ウェブの文章に薄っぺらさを感じている人はぜひとも回線をISDNにするか、OSをWindows3.1にして下さい。ゆっくりとページを開き、じっくり噛みしめながら文章を読むことで別の見方ができるはずです:-p

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