結論から言うと、気象庁の高解像度降水ナウキャストが一番精度が高そう。
(A)降水ナウキャスト(気象庁)
http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
(B)高解像度降水ナウキャスト(気象庁)
http://www.jma.go.jp/jp/highresorad/
(C)XRAIN(国土交通省)
http://www.river.go.jp/xbandradar/
(D)雨雲予報 by XRAIN(日本気象協会)
http://n-tenki.jp/sp/xmp/
(E)東京アメッシュ(東京都下水道局)
http://tokyo-ame.jwa.or.jp/
(F)雨雲レーダー Ch.(ウェザーニューズ)
http://weathernews.jp/radar/
気象レーダーのソースの違い
ざっくり言うとこのような関係。
観測レーダー | A | B | C | D | E | F | 解像度 | 間隔 | 説明 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
気象庁 Cバンドレーダー(全国20箇所) |
○ | ○ | – | – | ○ | ○ | 1km | 5分 | 半径120km |
国土交通省 Cバンドレーダー(全国26箇所) |
– | – | ○ | – | – | – | 1km | 5分 | 半径120km |
国土交通省 XバンドMPレーダー(主要部14箇所) |
– | ○ | ○ | ○ | – | – | 250m | 1分 | 半径60km |
東京都下水道局など Xバンドレーダー(関東5箇所) |
– | – | – | – | ○ | – | 250m 〜1km |
1分 | 半径50km |
ウェザーニューズ社 WITHレーダー(全国31箇所) |
– | – | – | – | – | ○ | 150m | 6秒 | 半径50km ※指向性あり |
この他にもレーダー以外(雨量計など)の情報が使われていたり、さらに予想データの提供有無もあるので、詳しくは各項目で後述。
Cバンドは周波数が低いためカバー半径が広く降雨減衰が少ない。Xバンドは逆に周波数が高いためカバー半径が狭く降雨減衰が大きい。Xバンドはその分メッシュを細かくとることができるので、両者を組み合わせることで精度の高い観測ができる。
降水ナウキャスト(気象庁)
レーダー・ナウキャスト
http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
降水ナウキャストの説明
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/kotan_nowcast.html
降水のほか雷・竜巻の観測データとあわせて「レーダー・ナウキャスト」という名称で公開されている。ほぼ全国をカバーしている。降水予想も見ることができる。
高解像度版降水ナウキャスト(気象庁)
高解像度降水ナウキャスト
http://www.jma.go.jp/jp/highresorad/
高解像度降水ナウキャストの説明
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/highres_nowcast.html
2014年8月から提供開始された、従来の降水ナウキャストのパワーアップ版。気象庁レーダーに加えて国土交通省XバンドMPレーダーと、そのほか気象庁・国土交通省・地方自治体が保有する全国の雨量計のデータ、ウィンドプロファイラ(上空の風データ)やラジオゾンデの高層観測データを使用。
XRAIN(国土交通省)
XRAIN
http://www.river.go.jp/xbandradar/
XRAINの説明
http://www.river.go.jp/xbandradar/inform.html
全国の河川管理のための観測データを活用したサービス。気象庁のような降水予想はなし。大都市部を中心とした多くの地域(=Xバンドのカバー地域のみ)をかなり詳細に見ることができる。カバーされていない地域(=Cバンド)も一応トップページでだいたいの様子をつかむことはできるが、こちらは低解像度で見づらい。
雨雲予報 by XRAIN(日本気象協会)
雨雲予報 by XRAIN
http://n-tenki.jp/sp/xmp/
日本気象協会のサービス。国土交通省XバンドMPレーダーのデータを元に、降水予想を提供している。
東京アメッシュ(東京都下水道局)
東京アメッシュ
http://tokyo-ame.jwa.or.jp/
東京アメッシュの説明
http://tokyo-ame.jwa.or.jp/ja/amesh/index.html
東京都内の下水道施設の管理のための観測データを活用したサービス。東京都とその周辺地域のデータを見ることができる。気象庁のような降水予想はなし。気象庁レーダー、東京都・埼玉県・横浜市・川崎市の各自治体レーダーと雨量計などの情報を合成している。合成処理とWeb公開は日本気象協会(tenki.jpの運営元)で行っているが、その情報がtenki.jpのデータに流用されているかどうかはよく分からない。
ウェザーニューズ
雨雲レーダー Ch.
http://weathernews.jp/radar/
ウェザーニューズ社のサービス。気象庁のデータを基本としているが、ゲリラ雷雨の予想精度を上げるためか、気象庁レーダーの弱い地域などに小型レーダーを独自整備している。気象庁と同じく降水予想も提供している。独自レーダーのデータが全国の雨雲レーダーに合成されているのかはよく分からない。
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Webに転がっている情報をもとにまとめてみたけど、間違っているかも。
参考
気象庁 防災気象情報の技術の現状(2012)
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/minkan/koushu120203/shiryou1.pdf
国土交通省 防災 Xバンドレーダー雨量計の整備
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000049078.pdf
東京都下水道局 降雨情報システム(東京アメッシュ)の概要について(2007)
http://www.asianhumannet.org/db/datas/0912-j/sewerage-amesh.pdf
日本気象協会 局地豪雨に関する情報提供について
http://www.mlit.go.jp/common/000032842.pdf
WITHレーダーによる局地的強雪の捕捉と除雪作業支援
http://www.hkd.mlit.go.jp/kanribu/chosei/fuyutopia/ronbun/r81.pdf
レーダー・ハンター れー太ー君
http://rebamga.web.fc2.com/weather/3-radar.html
小野と申します。突然の書き込みで失礼致します。
降水予報システムを調査していたところ、たどり着きました。
色々なシステム、使用レーダー、運用元が纏めてあって参考になりました。
国交省のサイトで、XバンドMPレーダーの新設情報(といっても、本ページの公開日より1ヵ月前のH26年7月なのですが)を見つけましたのでご参考まで。
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000786.html
なお、上記ページの最後にある【参考資料】XRAINの概要 の最後のページでは、H27年度内の稼働予定も含めて39基とありますが、上記の発表が H26年07月(九州設置の2基分について、赤色実線)で、H26年度中にあと1基稼働予定(赤色破線)になっているものの、これ以降の発表が無いようですので、現時点での公式稼働数は37基というのが妥当かと思います。予定の遅れか、それとも、発表をサボっているだけなのですかね?