ソーシャル時代の歩数計『fitbit』を使ってみた

2011年2月6日

fitbitを使い始めて10ヶ月ほどが経ったので雑感などを書いてみる。
fitbit
Fitbit
http://www.fitbit.com/
「歩数を日々記録し、後でまとめて確認する」という使い方において、これほど便利で最適化されたガジェットはない。なんだか紙の手帳を持ち歩いていた私がEvernoteに出会ったときの衝撃と同じものを感じた。

本体形状

fitbit
(親指ほどの大きさ)

大きさは親指ほどで細長いクリップ状をしている。一見して万歩計には見えないし、色も黒いので存在そのものがあまり目立たない。一般的な歩数計ってどうしても大きな画面と付けづらい形状で、いかにも「私はいま歩数を記録してます!」というゴツゴツ感が感じられてしまうんだよね。でもこれは付けてるのが外から見てあまり分からないし、付けてる本人もあまり意識することがない。本体のボタンを押せばLEDの光が表面に浮き出てしっかり歩数を確認できるし、ボタンは1つだけなので操作に困ることはない。(ボタンを押すごとに歩数→歩行距離→消費カロリー→達成ペースを示す花、と表示が変わる)

使い方

fitbit
(サイトにアクセスすれば履歴が見られる)

歩数は無線で自動的にfitbitのサーバに送られ、過去の記録はWebでいつでも確認できる。歩数だけでなく大まかな消費カロリーも見られるし、あとからWebの編集画面で「2時間サイクリングした」とかの情報を加えて消費カロリーの精度を高めることもできる。
ちなみに、アカウントは購入時に一度サインアップすれば無料で使い続けられる。
ほかにもWebから追加情報を入力できる。たとえば今日食べたもの(チーズバーガー1個とコーラMサイズ、とか)を記録すれば自動で摂取カロリーを計算してくれる。体重を入力すれば推移をグラフ化してくれる。運動目標を定めれば到達度を示してくれるし、同じくfitbitのアカウントを持っている友人とその結果を比較したりできる。モバイルサイトもPC向けと同様の機能を持っているのでiPhoneや携帯電話からも手軽に使えるようになっている(とりわけAndroidには「Fitbit Mini」というアプリが用意されている)
ちなみに、私は無精なので歩数の記録しかやっていない。

fitbit
(iPhoneから見たモバイルサイト)

TANITAのカラダスキャンと自動連携してくれたらもっと便利なんだけどなあ。
ちなみに私のデータはこちら。
http://www.fitbit.com/user/22CQDQ

自動連携の仕組み

fitbit
(後ろに見えるのはベースステーション)

充電・通信用のベースステーション(クレードル)が付属している。歩数データは自動的にこのベースステーションに無線で送られる。たとえ衣服に付けたまま数日過ごしてもデータはちゃんと記録されるし自動でWebにアップロードされる。仕組みとしては、ベースステーションはUSBでPCと繋がっていて、PCに常駐しているfitbitアプリが自動的にデータをアップロードするようになっている。なので毎日PCを立ち上げるか、立ち上げっぱなしにしている私のような人との親和性が高い。また、旅行に出かけたりして本体とベースステーションの間で通信ができない状態でも、ある程度は本体でデータを保持してくれる。
充電の頻度は1週間に1回あれば事足りるので、たとえば週末の寝るときなんかにベースステーションにセットするようにしておけば後は何も考えなくてよい。これは便利。

ソーシャル

fitbit
(私の自動Tweetの例)

FacebookやTwitterとの連携機能もある。私はTwitterと連携させているので、日付が変わる頃に「今日の歩数は何歩です」というのがtweetされる。一時期仕事が忙しくて生存確認が取れなくて騒ぎになったことがあるので、一応生存確認用として動作させている。
fitbitのサイトにはソーシャル的な機能もあって、友達のデータを見たり、グループでデータを共有したりできるらしい。まだ知り合いが使っていないのでここんとこはよく分からない。

耐久性

防水性は申し分ない。使っていて一度だけトイレに落としてしまい、念入りに丸洗いしたことがあるが問題なく動作している。私の場合、下着に直接付けるようにしているので常時肌に触れている。つまりずっと汗に晒されているけれど動作不良は起こしていない。さすが生活に密着することを念頭に置いているだけある。
一度クリップがバカになった(クリップの足同士が開きっぱなしのままになってしまう状態)時期があったけどいつの間にか直っていた。原因はよく分からない。
ただ、歩数計の宿命である「落としやすさ」という点はfitbitも克服できていない。クリップ状なので付けやすく外しやすい。つまり、衝撃や衣服の生地の伸び縮みなどで外れてしまいやすい。実際落として焦ったことは何度かあった。去年の夏にしまなみ海道を自転車で走ったときはフェリーの中に落っことして船員さんに自転車で追いかけてもらったし、家具屋さんに行ったときも座っていた椅子に落っことして呼び止めてもらった。一度なんかは駅のホームから線路の上に落っことしてしまい、駅員さんに深夜電車の止まっているときを見計らって確保してもらったこともあった。それだけ落としておきながら今まで無くさなかったのが不思議なくらいだ。

睡眠も記録可能

寝るときは付属のバンドで腕に装着し、睡眠モードに変えれば睡眠時間と眠りの深度を記録してくれる。といっても私はバンドを着けるのが面倒で、睡眠の深度はiPhoneアプリの「Sleep Cycle」を使っているのであまり活用していない。

手に入れるには

公式サイト(http://www.fitbit.com/)のみで購入可能。価格は99ドルなので歩数計にしてはちょっと値段が高い。しかも現状は米国内でしか販売していない(オンライン販売だけど配送先と決済カードは米国内のものしか指定できない)ので、手に入れるには輸入代行業者に頼むなどしないといけない(私の場合、送料と代行手数料含めて15000円ほどかかった)。たぶん無線LANも技適を通していないので厳密には電波法違反になると思う(未確認)。そして最大の問題は供給が全然間に合っていないこと。今はどうか知らないけど、私が買ったときは2010年2月に注文して4月半ばに届くという有様だった。
(2011/03/06追記:現在はAmazon.comのマーケットプレイスでも扱っており、転送サービスを使えば安価な手数料で購入が可能になっている。また、在庫も十分にある模様。詳しい購入方法はこちらの記事にまとめてある)
というわけで、fitbitの共同購入者を募集しています。この記事を書いた時点で3人が購入予定。(2011/03/06追記:共同購入の受付は終了しました。購入方法のノウハウはこちらの記事参照)
フィットネスガジェットはこれから注目されていくだろうし、fitbitのソーシャル機能をもっと使いこなしたいので、もっと輪が広がるといいな。

ほかにfitbitについて言及している記事

日本上陸していないガジェットなので、日本語で扱っている記事は指折り数えるほどしかない。可能性はあるのに知名度がないのが惜しいなあ。
1年待たされたフィットネスガジェット、Fitbitがついに発売開始 – TechCrunch 2009年9月
進化した歩数計『Fitbit』、運動や睡眠を詳細に記録 – Wired Vision 2009年10月
fitbitがやっと届いたのでレポートする – 2010年2月

One thought on “ソーシャル時代の歩数計『fitbit』を使ってみた”

  1. wired.jpの記事によると http://bit.ly/lIZSV3
    “(Fitbitはプールでは使えないが、トイレに落ちても大丈夫だと聞いている)”
    だそうです。
    「落としそう・無くしそう」とかは、手首に巻くようにすると良さそうな気がしますが
    私は手首に何かを付けてるのに慣れなくて、試行錯誤中です。
    (普段は付属のベルトクリップで固定)

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