日本で一番グロソブが売れているのは小豆島

2007年12月12日

別に一番売れていると決まったわけではないのですが。<タイトル
第73回 小さな島で100億円以上の残高?! – 廣澤知子のやさしいマネー講座

瀬戸内海に浮かぶ小島である、香川県小豆島で投信のグロソブ(「グローバル
・ソブリン・オープン」)の預かり残高が100億円突破したというのです。
人口3万2000人。人口対比では日本全体の3倍の「濃度」になるとのこと。
グロソブという投信がどういう商品かというと、
・ 海外(主要先進国)の債券投資
・ 毎月分配
・ 純資産5.5兆円以上の国内最大ファンド
・ もうすぐ設定から10年
といった特徴があげられます。
超低金利が続く日本で、安全性の高格付けの先進国で日本よりずっと高い金利
を享受でき、株式投資型と比べ、安定性が高いこともあり、利息収入が減って
困っていた預貯金中心でいた人々に「投信」というハードルを軽々と越えさせ
た人気商品です。

ちなみにグロソブは一番日本で売れているお化け投信。総資産額も桁違いです。
小豆島には証券会社が1軒しかないのですが、おそらく銀行が売りまくったのでしょう。銀行にとって一番儲かる商品らしいですし。
思いがけなく国際投資家の島として知られてしまった小豆島。注目のポイントは2つあります。
1.高齢者の比率が高い
2.個人資産の行き場がない
小豆島は他の地方と同様に高齢化に向かってものすごい勢いで進んでいるところなんですが、それが住民統計とかの資料でなく経済の数字としてはっきりと現れてきたところに新鮮さを感じました。島という閉じた経済圏で、しかも流入人口が極端に少ないという条件であれば、住民が高齢化すると経済も同じペースで老化していくということが見て取れます。そんな中で売れていく毎月分配型投信。銀行口座に預けていても利息は付かないし、なんだか銀行も海外投資を勧めてくる。よく分からないけれど買ってしまおうかと、そういう流れなんでしょうね。ところでグロソブ以外の商品は売れているのでしょうか? おそらく銀行が勧めない限りは売れないと思います。
銀行が勧めたからという理由だけで100億円以上もはき出してしまうのであれば、あまり「個人投資家」とは言えないような気がします。グロソブを年金の一種か、預金の延長としてしか捉えていない人ばかりならとても「投資家の島」とは言えませんね。今回の話は、安易に売られている投信の現状と個人資産の行き場がないことを示す例の一つと言うだけで、全国の高齢化地域でまったく同じ事が起こっているだけでしょう。

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グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) – 国際投信投資顧問
小豆島 – Wikipedia