絵を描き始めて4年間やったこと全部

2018年2月24日

30歳のときに絵を趣味にしようと思い立った。
ゼロから始めて4年。


ここまでの練習内容と、節目ごとの結果についてまとめようと思う。

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机は広い方がいいという話

2017年12月24日

今年買ってよかったものAdvent Calendar 24日目の記事です。
今年買った物で生活が劇的に変わったものがこれです。
IKEA BEKANT
http://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/S59022793/


別にイケアである必要もなくて、価格が安すぎず、作りのしっかりした、そして広い机であれば何でも良いのです。(むしろイケアは表面加工が防滴仕様ではないっぽいのでオススメしない)
どういうふうに生活が変わかというと、机の上に資料をどっさり置いたときとか、ものの整理するときとか、買った物の写真を撮るときとかのワークスペースとして、おおよそ考えられるストレスから解放される点です。
よりシンプルでコンパクトな生活を目指す最近の風潮とは反するかもしれませんが、机はモノではなくスペースです。作業場所は広いに越したことは無いです。PCに詳しい人なら、CPUの性能を上げるよりメモリを増やす方がコストパフォーマンスが高いと言うとよく分かると思います。
部屋が狭くてもいいので、机は持て余すくらい広いものを買いましょう、というのがこの記事で主張したいポイントです。

どのような環境で使っているか

我が家はひとり暮らしの1Kマンションで、部屋の広さは6畳程度。とても狭いです。狭いので今までは120cm×60cmの4本脚の机(大昔に買ったイケア)とアーロンチェアを使っていました。しかしこの環境だとストレスに感じる点がいくつかありました。まず4本脚なので、椅子を引いたりターンさせたりする場面で自分の足に当たってしまうことがありました。次に、机の上にものを置いたときに狭いので、肘で倒してしまったり、書類の山を崩してしまったりすることがありました。それからこれは椅子の話なのですが、どうも回転機能・キャスター機能付きの椅子が自分には合っていないようで、カフェなどにあるシンプルな椅子の方が作業が捗るということがありました。
そこで以下のように環境を変えました。
・机の広さを120cm×60cmから180cm×90cmに拡大
・机の脚を4本脚から2本脚タイプに変更

それから椅子も。
・アーロンチェアをやめてベンチ式の椅子に変更

机が6畳に対して大きすぎないか、と思われるかもしれませんが、PCに向かう時間のことを考えるとこれくらい確保した方がQoLは上がると思います。小難しくいうと、机の面積が生み出す限界効用は机がスペースを占有することで失う限界損失を上回っていると思います。
高さ調整機能がついているので、私は高さ67.5cmにして使っています。

椅子について

ベンチ式の椅子はローテーブルを使用しています。
EMOOR WALKA 折りたたみテーブル
http://www.emoor.jp/fs/emoor/table/az-ewt002


足置きもローテーブル。
山善 STR-50L(FBR)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0056WWAEQ?tag=yagi-22


高さ35cmであれば形は何でも良いですし、折りたたみ式でなくても構いません。たまたまうちに手頃な物があったので活用しているだけです。
背もたれがなくなったことでダラダラ作業が減りましたし、私はもたれるものが無いと背筋を伸ばすタイプなので背筋も伸びました。また、椅子が固定になることで体制の自由度が広がりました。例えばあぐらを無理なくかけるようになりました。アーロンチェアであぐらをかくと少し無理があるし姿勢も悪くなるので自重していたのですが、そうしたストレスからも解放され、好きなときに好きな体勢をとることができます。もしかすると私には畳生活の方が向いているのかもしれません。

掃除について

机が広くなることで埃が堆積する面積が増えます。これはデメリットだと思います。クイックルワイパーなどを活用して対処するしかありません。

まとめ

半分くらい椅子の話になってしまいましたが、広い机はストレスを低減させます。皆様も持て余すくらいに広い机を導入されてはいかがでしょうか。

2017年に買ってよかったもの

おまけですが、手短に紹介します。

ASUS Zenpad 3 8.0 Z581KL-BK32S4
読書タブレットその1。Nexus7の後継として購入しました。画面比が4:3なので読書をするのに快適です。もう16:9とか使えません。

東芝 dynaPad S92/T
読書タブレットその2。リース品と思われる中古美品が格安で秋葉原に大量在庫されていたので購入。非力ですが軽さと画面の大きさ(12型)を両立させたタブレットはiPad Pro 12.9″とこれ以外に見当たりません。雑誌を読むにはこれくらい大きくないと苦しいです。

Fitbit Alta HR
運動量計。24時間装着しています。睡眠時間の記録を完全自動でやってくれて精度も高いので重宝しています。

MikroTik (RouterBoard) hAP ac
SOHO用無線LANルータ。自宅VPNサーバをWindows Serverからルータに移行するために導入しました。日本語マニュアルがありませんが、設定が柔軟にできるところが気に入っています。技適マークの付いている正規代理店で買いましょう。

FINsix Dart
汎用ACアダプタ。劇的なコンパクトさです。VAIO Z Canvasの純正アダプタが重くて使ってられないのでこちらに置き換えました。サポート対象のPCはよく確認して使いましょう。

楽天の携帯事業参入について状況整理と予測

2017年12月14日

楽天が携帯電話サービス事業に参入することが発表されました。これについて現状の整理と、今後どうなるかを公開資料から読み取ってみたいと思います。数字のない部分は全部推測です。

参入スケジュールについて

楽天のプレスリリースによればサービス開始予定は2019年中です。今回確定しているのは総務省が1.7GHz帯/3.4GHz帯の割り当てを受け付ける際、楽天が新会社を設立して申請を行うところまでです。実際に割り当てられるかは総務省による決定によります。しかし名乗りを上げるということはそれなりに見込みがあるのでしょう。1.7GHz帯/3.4GHz帯の割り当ては2017年度末までを目処としているので、それに向けて審査期間などを逆算するなら事業計画などを含めて今後1〜2ヶ月のうちに申請を行う必要があります(総務省の受付期間は未開始・未定)。事業計画の大枠は楽天のプレスリリースの通りになるでしょうが、具体的な数字についてはまだ分かりません。特に1.7GHz帯はまだ立ち退きが終了していないため、終了促進措置を含めて数字を合わせる必要があり、既存事業者と総務省とである程度呼吸を合わせないといけません。これは邪推ですが、もしかしたら既に何らかの示し合わせがあっての申請かもしれません。

1.7GHz帯/3.4GHz帯の割り当ての背景について

現在日本の携帯電話事業は大手3社とそのグループによる寡占状態となっています。総務省はこれを良くない状態と考えています。過去に周波数割り当てを行った時はイー・モバイル(現ソフトバンク)やアイピーモバイル(参入断念)等の新規参入がありました。総務省は大手3社以外の新規参入事業者に対して制度上様々な便宜を図ってきましたが、現在はすべての新規参入事業者が大手3社のいずれかに吸収されるという状態になっています。特にプラチナバンドと言われる700/900MHz帯の割り当てに際しては、イー・モバイルへの割り当て決定後にソフトバンクグループに買収されたために、割り当てが結果的に公正にならなかったという批判を受ける事態となりました。総務省はこれを教訓として、4G用周波数では周波数を一体運用する企業グループからの複数申請を認めないなどの対策を導入しています。これで他業種から新規参入しようとする企業が周波数割り当てを受ける環境が整ったと言えます。

最大残高6,000億円の資金調達について

楽天のプレスリリースでは、資金調達残高は2019年のサービス開始時で約2,000億円、2025年で最大6,000億円とあります。単純な比較だとイー・モバイルの当初の資金調達額は3,600億円なので、2,000億円はこの6割程度です。イー・アクセスの決算資料によると2009年3月末(サービス開始から2年時点)の有利子負債残高が1,038.9億円、2010年9月の有利子負債残高が2,766.8億円(このあたりがピーク?)とありますので、残高2,000億円はこの間くらいになります。当時のイー・モバイルの親会社イー・アクセスと比べて楽天本体の事業規模は相当大きいですので、スタート時は大規模な資金調達で集中的な設備投資を行うものと推測できます。比較する対象が違う話ですが、NTTドコモ(7,500万人)の年間設備投資額はコンスタントに6,000億円、イー・モバイルのピーク時(2006年度)の年間設備投資額が1,000億円程度です。時期未定ながら契約者1500万人という数字を挙げつつ最大負債残高6,000億円はずいぶん控えめのように思えますが、このあたりはひとまずぶち上げただけかもしれません。

楽天にとって通信事業の荷は重そう

楽天の事業の柱となっているEコマース事業やカード事業と比べて、通信事業はかなり重く大きい事業になります。最初の数年は莫大な赤字を流し、他事業で支えることになるでしょう。このようなドメスティックで泥臭い事業は、本来なら楽天としては銀行業のように買収によってショートカットしたかったことでしょう。楽天は過去にも楽天スーパーWiFi(イー・モバイルとの協業)や楽天モバイル(MVNO)、Viber(IP電話)、フュージョン・コミュニケーションズ(長距離通信)など間接的に通信事業に参入しています。しかし事業売却が容易なそれら事業と比べて、MNO事業は公益性が高く機動性に欠ける巨大ビジネスとなります。グループ経済圏を拡大して売上高の嵩増しができる・月次の売上が安定するというメリットはありますが、反面で通信事業者として各種規制の対象になり、もし事業失敗しても周波数割り当ての経緯上ほかの通信事業者による救済も期待できません(イー・モバイルの二の舞になり総務省のメンツが許さないでしょう)。ずいぶんと大きなリスクを取りに行ったなと思います。
完全に憶測ですが、外国系企業が参入しようとしたのを総務省が察知して、対抗のために渋る楽天を説得して参入させたとかだったら面白いなーなんて仲間内で話しています。

ユーザにとってのメリットは

個人的には、解約周りなどのオペレーションで特に評判の悪い楽天モバイルという印象があるので、行儀の悪い通信事業者がまた一社増えたなーという感じです。ユーザメリットは特にないと思います。初めこそ安くシンプルな価格体系だったイー・モバイルやUQコミュニケーションズも現在では大手3社と大差ありませんので、同じような結末を辿るでしょう。

サービス展開について

イー・モバイルやUQコミュニケーションズのサービス展開シナリオが参考になります。まずは費用対効果の高い東名阪の人口密集地と東海道新幹線沿線を埋め、続いて地方都市とJR幹線沿いに広げていく流れです。大手キャリアほどの体力はないでしょうし周波数帯も高いものを使用しているので、山間部の整備は永遠にされないと思います(総務省は許さないでしょうが)。あるいは過去のツーカーグループのように東名阪だけを整備して後は他社のローミングを使うという方法も考えられます。今後プラチナバンドと呼ばれる700MHz帯/900MHz帯あたりがまた再編されることがあれば山間部カバーも現実的になりますが、再編したばかりですし空く予定もないので期待薄でしょう。

ショップ展開について

大手3社は全国に代理店網を持っているため、対抗上おそらく同様に代理店を整備するかもしれませんが、津々浦々に整備すればするほど費用対効果が下がり間接コストは上がります。量販店レベルにしか店舗を持たないMVNOの考え方で少数に絞った方が安上がりです。ただ、Eコマース事業とのシナジーを狙って小売窓口と一体整備する(イオンモバイルの逆)とか、自前配送会社の足がかりとして一体整備するとかだと勝算があるかもしれません。

楽天モバイルはどうなる

MNO事業があればMVNO事業を持つ意味が薄れますので、今までのように積極的に販売することはなくなるでしょう。ソフトバンクがPHSユーザを巻き取ったように、各種キャンペーンで契約者の移行を促すことになると思います。あるいは既存約款の設定によっては、サービスの卸元をドコモから新MNO会社に強制移行するかもしれません。この場合は全契約者のSIMの差し替えが必要になるのでそれなりの反発が予想されます。eSIMの時代になればこうした問題は解決すると思いますがまだ時間がかかるでしょう。

音声サービスについて

総務省の資料をちゃんと読めてないのですが、周波数割り当ての条件に音声サービス提供が入ってないように見えます。基地局の危機調達上はLTEオンリーだろうがVoLTE有りだろうが大して金額は変わらないとは思いますが、全国の緊急機関(110,119等)との接続や固定電話との相互接続、優先電話、通話料の持分調整などの面倒くさいもろもろが発生すると間接コストが増えます。もしかするとノウハウのあるフュージョン・コミュニケーションズに一本化する算段があるのかもしれませんし、データ通信オンリーにしてViber等のIP電話をセットにする(つまり緊急機関には繋がらない)ことにするという離れ業を使うのかもしれません。なお音声通話以前に、3Gの設備を持たずLTE網だけで参入できる時点でランニングコストはかなり圧縮できるものと推測します。

機種調達について

4G対応機種が今後どのくらいの速度で普及するか分かりませんが、ラインナップは1.7GHz/3.4GHzに対応した機種がグローバルでどのくらい出るかに依存すると思います。この辺りはあまり詳しくありません。

おわりに

以上、部外者がテキトーに分析と予想をしてみました。ツッコミなどありましたら追記していこうと思います。

イラストを描くためのシャープペンについて

2017年12月2日

これはよく使っている文房具を紹介しまくる Advent Calendar 2017の2日目の記事です。

イラストを描くようになって3年が過ぎました。はじめは手持ちの適当なシャープペンを使っていたのですが、日々のコンディションの高低がペンに左右されているような気がして(おそらく気のせいですが)、ちゃんとしたペンを買おうと思ったのが去年の年末のことです。
現在は製図用のシャープペン「Pentel GRAPH1000」を使っています。太さは0.5mmと0.3mmの2本。価格は1000円とお高めですが、重心が低くて持ちやすく、ペン先が細いので見通しが良く重宝しています。

はじめは0.5mmの2Bを使っていたのですが、精密なものを描くにはより細いバリエーションが必要になり0.3mmのBを買い足しました。その後0.3mmも2Bで統一して現在に至ります。0.3mmの2Bはあっという間に芯が無くなるので、楽に描ける落書き用途は基本的に0.5mmの2Bです。
イラスト用途に製図用のシャープペンを使うのは一般的ノウハウの一つらしく、中でもできるだけディスコンにならないものを買おうとロングセラーの商品としてこれを選択しました。できるだけディスコンにならないものを使うというのは他のものでも一貫していて、消しゴムは「トンボ鉛筆 MONO」と「トンボ鉛筆 MONO ZERO」、描くのに使う用紙はA4のコピー用紙を使っています。
用紙ははじめは「コクヨ キャンパスノート(スリムB5サイズ)無地」を使っていましたが、ノートである必要が無いことに気づいたので(記録が取れればそれで良い)、先月からコピー用紙に描いてはiPhoneのカメラでEvernoteに取り込み、紙は捨てるという運用になりました。

電子化した本棚のボトルネックとは

2017年12月1日

これは電子書籍 Advent Calendar 2017の1日目の記事です。
本棚の本をすべて自炊で電子化しました。実際には本棚と言うよりは山積みの段ボールに入った本だったのですけど、それがなくなり部屋がすっきりしたところで、ふと思うことがありました。
「これからどうやって本を読もう?」
電子化した本はすべてPDFになりました。購読している有料メルマガなどはメールの他にEPUBでも配信しているので、PDFとEPUBの二種類。これらをどのように読むかという問題が持ち上がったのです。手元にはデスクトップPCと多数のタブレットがあります。E-Ink端末もあります。今まで現物の本を持っていたことで隠れていた「どのデバイスでどのように本を読むか」という問題が、大問題として持ち上がってきたのです。
電子化されることによって、本は画面を用意しなければ読むことができなくなりました。つまり本ごとにバラバラだったサイズや重量が一律に、デバイスのサイズや重量に依存するようになったということです。これは一方で自由度が増したとも言えます。机に向かって読むなら液晶ディスプレイで拡大して読めますし、横になって読むなら小さなタブレットやスマートフォンで読めるようになったのです。
話は自炊から脱線しますが、電子書籍の捉え方が人によって異なる理由の一つに「どのデバイスで読むかの想定が人によって異なる」というのがあると思います。スマートフォンしか持っていない人はスマートフォンという環境に限定されますし、多数のデバイスを持っている人はマルチデバイス環境での読書体験を想定することになり、両者には分断があります。また、プラットフォームの対応デバイスが限定されていれば、読書体験もそれに依存して限定されることになります。
話を戻します。我が家には複数のデバイスがありますので、それぞれ適した場面で適したデバイスを選択して使うことができます。Kindleであれば複数環境でも読み進めたページ情報が連携されるのでシームレスに読書を継続することができますが、KindleではないPDFやEPUBでそれをどうやって実現したら良いでしょうか? 続きは明日以降にしようと思います。

ポスターを額装しました

2017年11月1日

某氏から、ポスターは額装すると綺麗に飾れるらしいという話を聞き、部屋に貼ってあったポスターを額縁専門店の世界堂に持って行って額装してもらいました。
海外通販で買ったインチサイズ(24″ × 36″)のポスターなのでオーダーメイドで3万円コースかなと思ったのですけど、ちょうど良く600mm × 900mmの既製品にハマり9000円で済みました。


よい感じです。
同じポスターはこちらから購入できます。
Penguins of the World – The Official Poster
http://penguinsoftheworld.com/

地方自治体ドメインの取り合いと住み分け

2017年3月31日

地方自治体のウェブサイトが使っているドメインの話です。
地方自治体のドメインには大きく地域型JPドメインを使っているところとLG.JPドメインを使っているところと2種類あります。
例えば私の住んでいる東京都中央区は[http://www.city.chuo.lg.jp]で、これはLG.JPドメイン。お隣の東京都港区は[http://www.city.minato.tokyo.jp]で、これはtokyo.jpとなっているので地域型JPドメイン。地域型JPドメインは例えば千葉県の自治体ならchiba.jp、大阪府の自治体ならosaka.jpなどが付きます。
元々は地域型JPドメインが広く使われていたのですが、近年はLG.JPドメインへの移行が進んでおり、地域型JPドメインは新規募集を停止しています。
ところが、地方自治体名は名前かぶりが多くあるので、簡単にはLG.JPドメインへ移行できないところがあるのではないかと(勝手に)心配になり、少し調べてみました。
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不快な画像がもたらす快適な世界

2015年7月18日

人工知能が画像を加工するというサービスがGoogleから公開されて、Twitterなどで話題になっている。画像を見るとよく分かるのだけど、ものすごくキモチワルイ。
例えるなら「蓮コラ」とも言えるような有機的で混沌としたブツブツ。見ているだけで鳥肌が立ってくる。個人差があるとは思うけど、私はこういうのはまったく受け付けない。
蓮コラやグロ画像といった不快な画像はかつて2chが栄えていた時代から存在していて、人一倍そういう不快感に敏感な私は、何度も痛い目に合いながらそういう画像を見ないようにするスキルを身につけてきた。
例えばそういう画像を集めたサイトのブラックリストを作ったり、ドメインやファイル名から推測したり、グロ確認用ツールを使って小さなサムネイルを表示させてみたり……。2chの栄えていた時代はそういう悪意を持って罠を張る人がわりと居て、そういう自衛はありふれたものだった。
ブログの時代になると、無編集の掲示板の存在感が小さくなってうまくフィルタリングされやすくなって、そういう悪意の罠にあまり触れずに済むようになった。それに加えて、例えば虫の画像や衝撃映像などを紹介するときにあらかじめ「閲覧注意」などと注釈を入れるマナー(?)も生まれた。
不快な画像に敏感な私は、こうしてうまくフィルタリングが機能した世界でしばらく平穏な暮らしを送ることができた。だけど人工知能Deep Dreamがそれをぶち壊した。
はじめにTwitterで「その画像」が流れてきた時は、かつてグロ画像を見た時のように全身鳥肌が立ち、鼓動は高まり、夏だというのに寒気が止まらなかった。そして、まあTwitterにはこういう画像も流れるよねと犬に噛まれたぐらいに思ってやり過ごした。
ところがその日を境にDeep Dreamはどんどんバズり、TwitterやFacebookでそういった画像がたくさん流れてくるようになった。「閲覧注意」の注釈もなしに。(注釈を入れたってサムネイルは表示されてしまうけど)
それから1週間ほど、SNSから距離を置いている。
SNSを避けることでしかこの問題は解決しなかった。
おそらく多くの人は、Deep Dreamの画像が奇抜だから善意で紹介しているのだろう。でも私にとってはそれは刃物を向けられるようなもので、その間にはお互い理解できない壁があるみたいだ。
私がこの壁を今まで意識せずに来られたのは、自衛のフィルタリングやWebの嗜好の住み分けが機能していたからだと思う。タイトルに「閲覧注意」と付ける良心的な人びとによって事故は防げたし、どの検索語が危険か、どのジャンルが事故になりやすいかを推測できて、近寄らずに済ませられた。
TwitterやFacebookではこうした住み分けが機能しにくい。パーソナリティに紐付いたアカウントは、脈絡もなく警告もなく、自分の気に入った画像や映像を発信しうる。面白ければ何だってRTする人はたくさんいる。(私もその一人だ)
ブログのエントリならタイトルから推測したり、警告を読み取ったり、サムネイルを加工することができる。それに不快な画像や映像が見たくないなら、そこを訪れなければよい。一方でTwitterはタイトルがそのまま目に飛び込み、サムネイルも目に飛び込んでくる。FacebookやLINEもそうだ。
さらに脈絡の縛りが(ブログよりは)薄いので、今まで楽しく見ていたアカウントがある日突然キモチワルイ画像をTweetしたりRTしたりする。そうした危険を持った情報が(ブログよりは)たくさんの頻度で飛び込んでくる。
困ったことに、それを拒絶するということが難しい。Twitterほど極端ではないが、FacebookやLINEもそうした傾向はある。そしてFacebookやLINEの方が知人関係に関わるため、より拒絶しにくい。
アカウントをミュートするという手段があるが、アカウント単位という点が厄介だ。普段は何でもないコミュニケーションを取ったり、有益な情報を教えてくれたりしている人に、一度不快な画像を流しただけでミュートすることができるだろうか。
そしてミュートせずに我慢したとして、その人がまた画像を流すのではないだろうかとビクビクしながら暮らす、そんな状態を強いられるのは妥当なことだろうか。あるいは我慢せず、RTした人全員を丸ごとミュートするべきだろうか。
そういうことを考えた結果、SNSそのものから一旦距離を置いている。Deep Dreamの流行が収まるまで様子を見ようというワケだが、今日試しにタイムラインを見ると10分と経たずにひどい目に合ったので、まだ先の話になるかも知れない。
Twitterの設定では「ツイートする画像/動画を不適切な内容を含むものとして設定する」というものがあるが、発信者の主観と配慮に任されているためあまり強力ではない。そして「私にとっての不快」が皆にとって不快ではないのだから期待できない。
「動画を自動再生しない」という設定もあるが、画像に対しては無力だ。たとえ画像を一律に表示しないことができたとしても、それは意味のあることなのだろうか。
昔ポケモンショックという事件があって、映像効果がてんかんの発作を誘発することが話題になった。これとよく似ていて、大勢にとって問題の無さそうな画像や映像が、ある人にとっては大問題になりうる。そしてポケモンほどの事件がなければ、それは一般には知られない。
つい数日前にもTwitterでこのような事件が起きている。
Twitter、てんかんの発作を起こしやすいとの苦情を受けて動画を削除
そういう意味で現在のSNSは、誰もが不快に感じるレベルに達しないような画像や映像には無力だ。これを解決するものがあるとすれば、画像への自動タグ付けと、パーソナライズされたフィルタリング設定だろう。
近い将来、今よりもっと賢くなった人工知能によって、私の安息地が実現するのかも知れない。
人工知能Deep Dreamに不快にさせられた私にとっては皮肉なことだけど。

ドコモXi契約からFOMA契約に戻した

2014年8月25日

若干面倒だったのでメモ。
※月々サポートについて記述が間違っていたので訂正。(8/25 15:00)
9月以降は従来プラン契約者は全員月々サポートが打ち切られるような書き方をしていたが、正しくは「機種変更後も従来プランを継続する場合には月々サポートの対象外になる(=割引されるには新プランが必須)」。本文は修正済み。

要点

・XiスマホやめてFOMAガラケーにした
・9月から現行プランの新規受付が終了するので、駆け込みで手続きした
とあるワザを使うことで基本料が半額になった
・これで月額料金1638円に
私がXiスマホに機種変更してからちょうど2年になる。毎月2300円くらい割り引かれていた月々サポートも終わってしまった。普通なら機種変更すべき時なのだけど、別契約のiPhoneで間に合っているし別に欲しい機種があるわけでもないしむしろスマホにしたことを後悔しているような始末なので、ちょっと一計を案じることにした。

Xi契約なのにFOMAガラケーを使っている現状

いま私はガラケーを使っている。一旦スマホにしたけれど1年くらい使ったところで耐えきれなくなって、機種変更する前に使っていたガラケーを引っ張り出してきて使っているのだ。SIMを差し替えただけなので契約はXiのまま。そして私のガラケーはXiに接続できないので「Xi契約なのにFOMA回線を使っている」という妙な状態になっている。
今年4月にドコモ新料金プランが発表された。通話をしないし単身である私にとっては値上げになる。そしてさらに悪いニュースが2つあった。従来のプランの新規受付が8月いっぱいで終了になることと、9月以降に機種変更すると新プランにされる(強制ではないが新プランにしないと月々サポートが受けられない)こと。たぶん9月以降、機種変更をする人々はこれに気が付いて戸惑うことだろう。
個人的には前々から不誠実な商売のやり方だと思っていたけれど、月々サポートというおかしな割引をしているのはこうして一方的に打ち切ることができるからなんだなあ、とぼんやり思った。だから私はもう月々サポートとは縁を切りたくなった。この先ずっと機種変更をせずに月々サポートのない安いプランのまま、いま使っているガラケーを壊れるまで使い続けようと考えた。

「タイプSS バリュー」に変更したい

通話も通信もせず使い続けるならFOMAの「タイプSS バリュー(934円)」が一番いい。いま契約している「タイプXi にねん(743円)」の方が安いけど、こちらは無料通信分が付かないのでやめておいた。まったく通話やメールをしないわけじゃないので。
ドコモのルールではXi契約から「タイプSS バリュー(934円)」への変更は機種変更と同じタイミングじゃないとできない。機種変更なしにプランを変更すると「タイプSS ベーシック(1800円)」になってしまう。むかし携帯が0円に売られていた時代からまともな価格の時代に移り変わった時の名残だ。ところが不思議なことに、SIMロックフリー携帯を手元に用意すると「タイプSS バリュー」への変更が可能になる。
詳しくは以下を参照。
持ち込み端末でタイプXiからFOMAバリューに契約変更する
http://refuge06.blog54.fc2.com/blog-entry-897.html

私はたまたまワイモバイルで使っているGL07S(Huawei STREAM X)があったので、それをドコモショップに持っていった。技適マークの付いたSIMロックフリー携帯であればソフトバンクの携帯だろうが海外で買った携帯だろうがOK。友達にちょっとの間に貸してもらった携帯でもいい(約款上は提示さえすればOK)。ショップのお姉さんは技適マークがあることと、ドコモのものではないことしか確認しない。(技適番号やIMEIを控えるようなこともなかったし、その携帯がドコモ回線で通信できるかどうかも確認しなかった)
ただ、こういう方法があることは一般には知られていないしショップのお姉さんたちも知らない。
 私「こういうことができるって聞いたんですけど、お願いできますか」
 店「たぶん無理だと思いますけど、確認しますね」
 店「あ、できますね」
こんなやりとりをして、何分か待たされることになる。
もしここでうっかり「手元にあるSIMロックフリーの携帯を使う気がない」とか「本当はドコモ携帯を使うつもり」とか匂わせてしまうと「その事実を知った以上は、お手続きできません」とか何とか言われて手続きを断わられてしまう、かもしれない。注意、かもしれない。
……いや私はちゃんとSIMロックフリーの携帯使ってますよ。虚偽なんか言ってませんよ。ええ。
あと1週間くらいで使えなくなる方法だけど、参考になれば。

変更前・変更後

契約変更の事務手数料3000円が別にかかる。

変更後
FOMA契約
タイプSS バリュー 1864
ひとりでも割50 -930
iモード 300
留守番電話 300
ユニバーサルサービス料 3
eビリング -20
消費税(8%) 121
合計 1638
変更前
Xi契約
タイプXi にねん 743
Xiパケ・ホーダイ ダブル 2000
Xiカケ・ホーダイ 667
月々サポート -1800
ご愛顧10年Xiスマホ割 -400
SPモード 300
留守番電話 300
ユニバーサルサービス料 3
eビリング -20
消費税(8%) 143
合計 1936

門外漢だけどマンション管理費滞納率の統計分析がおかしかったので検証してみたよ

2014年5月12日

「マンション総合調査結果報告書」にみるスラム化の兆候
http://blogos.com/article/85478/

この記事を見てて、なんか統計値の使い方に違和感を感じたので原典にあたって検証してみた。
結論から言うと、この記事の分析はおかしい。
この記事は、国土交通省が実施したマンション管理の実態調査アンケートの集計結果をかいつまんで紹介している。内容は特段驚くべきこともなくて、規模が大きい分譲マンションの方が修繕積立金高いよね、とか、集合住宅化が進むとトラブルの件数増えるよね、とか「ふーん」で終わる感じのもの。
ただこの2ページ目、「マンションの規模が大きいほど滞納率が高い」という見出しのところがちょっとおかしい。直感的に考えて、規模の大小にかかわらず滞納率って一定なんじゃないの、と私は考えたけどどうやらそうではないらしい。

滞納住戸が「ある」マンションの割合
驚くべきことにマンションの規模が大きくなるほど、滞納住戸が「ある」マンションの割合が高くなる傾向がある。
また、総戸数300超の大規模マンションは、「1年以上」の滞納住戸が「ある」マンションの割合が跳ね上がるのも大きな特徴だ。

やばいよやばいよ。大規模になればなるほど滞納率が高いって、巨大マンション群の破綻可能性が高いってことじゃん。治安と地価に直結する問題なんじゃねーの。都内某所とかみたいに町まるごとゴーストタウンが続出する未来が見えるよ!
…と思ってよく見たら、カテゴリ分けの分布が違うのね。「21戸~30戸」の次が「31~50戸」。等間隔な区分けになってない。かといって対数でもない。
というわけで、原点からデータ引っこ抜いてグラフを作り直してみた。集計そのものが等間隔じゃないので、規模のカテゴリの最小値(たとえば20戸以下なら0、21~30戸なら21)を仮の値として散布図を作ってみた。
管理費・修繕積立金の滞納があるマンションの割合
見ての通り、違う形のカーブになりました。もし滞納率が規模に関係なく一定ならこのグラフは右上がりの直線になるはず(あるいは確率分布を考えると100%に限りなく近づく曲線になる?)なので、規模に応じた有意な差はなさそうだ、という結論になります。
念のため断わっておくと、この数字は「滞納が1戸以上存在するマンションの割合」なので規模が大きければ大きいほど100%に近づいていくのは当たり前です。

なんで門外漢なのにこんな問題気にしてんの?

今朝マンションに入ってた広告なんだけど、こんな爽やかに笑ってる場合じゃない年収だろ……
https://twitter.com/GakuyoSonoda/status/462419726421860352

BmrYSVRCEAAaJAI
この画像を見て衝撃を受けまして、そろそろサブプライム的に危ない段階に来てるんじゃないのかなといろいろ見てたわけです。こんな人でも臆せずマンション買ってるとすると(実際にはそう居ないと信じたいですが)、全体として不動産のリスクって結構ひどいことになっているのでは…とあれこれ妄想を膨らませております。
あとはまあ、たまには時間のある時にネット上の記事の原典に当たって自分で検証するというのはよい訓練になると思います。国土交通省のPDFがクソだということも分かりました(紙資料のスキャンだけでcsvがない、OCR読み取りもしてないので全文検索できない、複数PDFに分かれている割にPDFごとの見出しが稚拙)し、Googleスプレッドシートで簡単に無料でグラフが作れるということも分かりました。
ちなみに不動産事情については門外漢なので、この指摘が的外れかもしれませんよ、と最後に言い訳しておきます。この元記事がなければ調査結果の存在自体知らなかったので、元記事には感謝しています。