地方自治体ドメインの取り合いと住み分け

2017年3月31日

地方自治体のウェブサイトが使っているドメインの話です。
地方自治体のドメインには大きく地域型JPドメインを使っているところとLG.JPドメインを使っているところと2種類あります。
例えば私の住んでいる東京都中央区は[http://www.city.chuo.lg.jp]で、これはLG.JPドメイン。お隣の東京都港区は[http://www.city.minato.tokyo.jp]で、これはtokyo.jpとなっているので地域型JPドメイン。地域型JPドメインは例えば千葉県の自治体ならchiba.jp、大阪府の自治体ならosaka.jpなどが付きます。
元々は地域型JPドメインが広く使われていたのですが、近年はLG.JPドメインへの移行が進んでおり、地域型JPドメインは新規募集を停止しています。
ところが、地方自治体名は名前かぶりが多くあるので、簡単にはLG.JPドメインへ移行できないところがあるのではないかと(勝手に)心配になり、少し調べてみました。

県と市で自治体名が被るもの

地域型JPドメインで使い分けているもの
・岡山県 www.pref.okayama.jp
・岡山市 www.city.okayama.jp
県と市で自治体名が被る例はたくさんありますが、第3レベルドメイン(3LD)にprefとcityを付けることで被りを回避しています。
LG.JPドメインで使い分けているもの
・広島県 www.pref.hiroshima.lg.jp
・広島市 www.city.hiroshima.lg.jp
LG.JPドメインでも同様の対応がされているようです。

市同士で自治体名が被るもの

・東京都府中市 www.city.fuchu.tokyo.jp(地域型JPドメイン)
・広島県府中市 www.city.fuchu.hiroshima.jp(地域型JPドメイン)
心配になるパターンです。LG.JPドメインへ移行するとどちらも「www.city.fuchu.lg.jp」となるのが妥当になります。何らかの区別を付けなくてはいけません。
他にもあります。いずれもまだLG.JPドメインへ移行していません。どのようにするのでしょうか。おそらく都道府県名を頭に付けて区別するのだと思います。
・北海道伊達市 www.city.date.hokkaido.jp(地域型JPドメイン)
・福島県伊達市 www.city.date.fukushima.jp(地域型JPドメイン)
・福井県大野市 www.city.ono.fukui.jp(地域型JPドメイン)
・兵庫県小野市 www.city.ono.hyogo.jp(地域型JPドメイン)

市と特別区で自治体名が被るもの

・東京都中央区 www.city.chuo.lg.jp(LG.JPドメイン、識別を付けない)
・山梨県中央市 www.city.chuo.yamanashi.jp(地域型JPドメイン)
心配になるパターンです。山梨県中央市がLG.JPドメインへ移行すると「www.city.chuo.lg.jp」となるところですが、先に東京都中央区が取ってしまっています。
Internet Archiveによれば東京都中央区がこのドメインを使い始めたのが2005年、山梨県中央市の発足は2006年なので、避けようがなかったのでしょう。
・東京都中野区 www.city.tokyo-nakano.lg.jp(LG.JPドメイン、識別を付ける)
・長野県中野市 www.city.nakano.nagano.jp(地域型JPドメイン)
この点、東京都中野区の場合は「www.city.tokyo-nakano.lg.jp」と一意になるドメインにしています。おそらく長野県中野市は「www.city.nagano-nakano.lg.jp」となるのだと思います。
大田区と太田市でも「www.city.ota.lg.jp」の取り合いが予想されますが、同様に都道府県名を付けることになるのでしょう。
・東京都大田区 www.city.ota.tokyo.jp(地域型JPドメイン)
・群馬県太田市 www.city.ota.gunma.jp(地域型JPドメイン)
・島根県大田市 www.city.ohda.lg.jp(LG.JPドメイン、綴りが違うため問題なし)

町同士で自治体名が被るもの

これも「www.town.ikeda.lg.jp」が取り合いになるパターンです。
しかし先にLG.JPドメインへ移行した北海道池田町は都道府県の識別を付けたものにしているので配慮が見えます。
・北海道池田町 www.town.hokkaido-ikeda.lg.jp(LG.JPドメイン、識別を付ける)
・長野県池田町 www.ikedamachi.net(独自ドメイン)
・岐阜県池田町 www.town.ikeda.gifu.jp(地域型JPドメイン)
・福井県池田町 www.town.ikeda.fukui.jp(地域型JPドメイン)
2つの川西町も先に移行している方が都道府県の識別を付けたものにしています。
・山形県川西町 www.town.kawanishi.yamagata.jp(地域型JPドメイン)
・奈良県川西町 www.town.nara-kawanishi.lg.jp(LG.JPドメイン、識別を付ける)

同一県で自治体名が被るもの(県以外)

・北海道古宇郡泊村(後志) www.vill.tomari.hokkaido.jp(地域型JPドメイン)
・北海道国後郡泊村(北方領土)
どうしてよいか分からないパターンです。同一県の同一名の自治体で、かつ市町村レベルでも同一名の場合、LG.JPドメインでは「www.vill.tomari.lg.jp」または「www.vill.hokkaido-tomari.lg.jp」の取り合いになります。回避するとしたら郡名とか付けるんでしょうか。北方領土返還後にどうなるか気になります。
以下は同一県の同一名の自治体ですが、市町村レベルが異なるためうまく住み分けできているパターンです。
・北海道釧路市 www.city.kushiro.lg.jp(LG.JPドメイン)
・北海道釧路町 www.town.kushiro.lg.jp(LG.JPドメイン)
・高知県土佐市 www.city.tosa.lg.jp(LG.JPドメイン)
・高知県土佐町 www.town.tosa.kochi.jp(地域型JPドメイン)
・高知県四万十市 www.city.shimanto.lg.jp(LG.JPドメイン)
・高知県四万十町 www.town.shimanto.lg.jp(LG.JPドメイン)
・長野県松川町 www.matsukawa-town.jp(独自ドメイン)
・長野県松川村 www.vill.matsukawa.nagano.jp(地域型JPドメイン)

短い自治体名

おまけです。神奈川県大井町はLG.JPドメインへ移行したら「www.town.oi.lg.jp」とかになるんでしょうか。
・三重県津市 www.info.city.tsu.mie.jp(地域型JPドメイン)
・神奈川県大井町 www.town.oi.kanagawa.jp(地域型JPドメイン)
・福井県おおい町 www.town.ohi.fukui.jp(地域型JPドメイン)
・山形県大江町 www.town.oe.yamagata.jp(地域型JPドメイン)
・沖縄県伊江村 www.iejima.org(独自ドメイン)

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