スーパーサイズ☆ミー

2005年3月19日

今日は終日渋谷にいたので、ついでにシネマライズで「スーパーサイズ・ミー」を見てきた。
どうやら今日が上映最終日らしい。機会があれば行こうと思いながらギリギリ間に合ってよかった。
「スーパーサイズ・ミーを見た後にマクドナルドに行く」というおバカなことをしてみようかと考えて、覚悟して見てみた。

少し前に話題になった通り、一日3食マクドナルドの食事をとり続けたら体はどうなるかという実験フィルム。いたって健康な男性が1ヶ月をかけて体を壊していく様子を生々しく描いている。実験のルールは次の通り。
・一日3食必ず食事を摂る。ただし食事はマクドナルド製品からしか選べない
・マクドナルド製品にないものは、たとえサプリや薬剤さえも摂ってはいけない
・スーパーサイズ(特大サイズ)を薦められたら必ずそれを注文する
・マクドナルドの全メニューを制覇する
強烈な内容だった。実験開始2日目にしてスーパーサイズを薦められ、それを平らげるために無理をして詰め込みやがて吐いてしまう。数日経つと慣れてくるが、むしろ普段の体調がすぐれなくなってきているのをマクドナルドを食べることで落ち着けている状態になる。つまり中毒だ。
半月を越えた頃からは完全に余裕の表情が消え、病人か鬱の人にしか見えない。ドクターストップがかかり1ヶ月で実験は終了となるが、最終的には体重、体脂肪率、血圧値、コレステロール値、インシュリン値、肝臓の酵素の量などに異常な変動が見られた。脂肪分と糖分の摂取過剰で肝臓は炎症を起こし、脂肪肝の疑いをもつまでになった。実験を長く続ければ肝硬変、腎臓結石、心臓病へとつながる恐れがあると医師は分析した。
万能の食品などない。だから同じようなものを長く食べ続けると体に悪いということは当たり前だろうと思っていた。しかしそういう問題ではない。実際に週に何度もファストフードに通う人たちがアメリカには何万人といるのだ。そして彼らがファストフードを食べないときは何を食べているか、ファストフードとたいして変わりない高カロリーの加工食品である。この実験は極端な例でなく、実際に起こっていることの再現の一つだ。
信じられない話だが、アメリカの肥満問題はテレビなどで見聞きするよりも相当深刻であるらしい。肥満の原因がファストフード会社であると訴える人が登場したことは笑い話ではすまなくなってきている。マクドナルドは自社の製品について「健康には何ら問題がなく、むしろ健康食品になりうる」と言っているが、この実験はそれが完全に間違いであることを示している。肥満社会の原因がファストフード会社を初めとする食品会社の過剰な戦略にあることは誰もが認めるところだろう。(だからといって訴えていいものかどうかは知らないが)
吐瀉シーン、手術シーン、肥満体のカットやマクドナルドのメニューに混入していた縮れ毛など不快に感じたシーンはかなりあったが、それを我慢して映画終了後に近くのマクドナルドに行ってみた。夕食時だったからか店は若い人であふれかえり、長蛇の列ができていた。別に私と同じ事を考えた人がたくさんいたというわけではないだろう。土地柄からかジャンクフードが人気なのに違いない。
長蛇の列に耐えかねて店から出てしまった。駅の近くならもう一軒ぐらいあるだろうと思って歩き始めたが、2ブロックも歩かない間にあっさり2軒目を発見した。マンハッタンの狭い島の中に83軒ものマクドナルドがひしめいてると映画では述べられていたが、実際に日本でもマクドナルドの大量出店に浸食されつつあるんだなと背筋が寒くなった。
ハンバーガーとバニラシェイクとナゲットを頼んで(残念なことにスーパーサイズはない)、スーツ姿のままでシブヤ系若者に囲まれながら黙々とマクドナルドを食べてみた。当然ながらバーガーは糞まずい。ナゲットだけはどういうわけかうまいと思っているのだが、気分の問題か今日はまずく感じてしまう。シェイクだけはどこで飲んでも一緒なのでまずいことはないのだが。
そしていつものようにマクドナルドを食べた後は口の中に妙な臭さが残る。
そして猛烈に頭が痛い。…ハイスピードでシェイクを飲み干したからだ。関係ねえ。
そして身体中にだるさを感じる。…昨日ろくに寝てないからだ。関係ねえ。
まとめ。
この映画に含まれているのは、
・過剰なカロリー、過剰な糖分を伴う食品が体にどう影響するか
・アメリカで如何に肥満問題が進行しているか
・アメリカの食品会社は何を考え、動いているのか
について衝撃的なまでの事実でした。うえっぷ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です